38話 短編と連載
シュウさん(以下、し)「最近、ぼっちデイズを読み返してるんだけど、あれって本当に僕が書いてたのかなぁ?」
山田さん(以下、山)「いや、実はあれ、ゴーストライターが書いてたらしいよ」
し「マジかよ」
山「どういうことだよ。何が言いたいのかわかんね」
し「今週、短編ばっかり投稿してみたんだけど、どうだった?」
山「どうだったって聞かれても……シュウさん的にはどうだったのさ」
し「んー。ちょっとあの毎日短編投稿してる人に対抗してみて、僕も一週間だけ短編週間にしてみたんだけど、飽きる」
山「連載投稿者からしてみたら、ストーリーものを書きたくなるもんね。わかるよ。その気持ち」
し「わかるのか?」
山「こまけぇこたぁいいんだよ」
し「いいのか。でも一つだけわかったことがある」
山「なにぞいや」
し「相変わらず使い方へたくそだな」
山「……んで?」
し「僕はやっぱり勢い重視のコメディが向いてるってことがわかった」
山「そんなの周知の事実だったじゃないですかやだー」
し「いやいや。買いましたとか娘の反響が大きすぎたせいか、そっち系の話のほうがウケるもんだと錯覚していたのだよ。でも、あんなに真面目な人間じゃないし、『!』多用するくらいの勢いのあるツッコミのほうが楽しく書けるもん」
山「なんだ。モチベーションの話か」
し「と思うじゃん? 今回の短編ウィークの中で書いた『土下座彼女』が、そこそこの評価だったのだよ」
山「前から書きたいとか言ってて、いざ書いてみたら女の子が土下座しちゃったっていうアレ?」
し「そんな裏話はどうでもいいのだよ」
山(ここってそういう所じゃなかったの?)
し「実際に目の前で土下座されたら焦るよね」
山「されたことあるの?」
し「ないよ。ビンタならある」
山「遊び人め」
し「あれは高校のころだった。仲の良かった同じクラスの女子と廊下で話してて、その子のあだ名が『魔女』だったの」
山「なんでそんなあだ名が?」
し「外人みたいな顔立ちなんだけど、化粧が濃くて鼻が高かったから」
山「関係ないじゃん」
し「で、話の流れでその子に『だから魔女って言われるんだってー』って言ったところ、腕を下ろした状態からのビンタが飛んできました」
山「気にしてたんじゃん」
し「その後、めっちゃ謝られてジュースおごってもらいました」
山「仲良しじゃん。その人は今何してんの?」
し「さぁ?」
山「ホントに勿体ない友達付き合いしてるよね」
し「実は名前も憶えてないっていうね」
山「もうノートに会った人の名前を書いておきなさい」
し「覚えられない人とは友達になれないもん。記憶力うんぬんじゃなくて、それだけ印象に残ってないってことじゃん?」
山「向こうが『シュウじゃん!ひさしぶりー』とか言ってきたらどうすんのさ」
し「『おー久しぶりー!』って言っておいてなんとなくで話繋げて、別れた後に『……誰だっけ?』ってなるパティーン」
山「それダメなやつじゃねぇか」
し「シュウさんに話しかける際は、自己紹介から始めてください」
山「少なくとも昔の知り合いはこれ読んでないけどな」
し「わからないよ? もしかしたら知らないところでつながってるかもしれないよ?」
山「だとしたらなおさらダメじゃねぇか。これ見られてたら絶対に話しかけられないぞ?」
し「……し、知らない人に話しかけられるくらいなら嫌われてもいい」
山「極限状態じゃねぇか」
し「人見知りなめるなよ? 基本他人のことは『嫌い』から入るからな。そんでもって『自分が嫌いだと思ってるなら、相手も嫌いだと思ってる』って思ってるから友達出来ないんだぞ」
山「自分のこと冷静に分析しすぎだろ。もっと好意を持てよ」
し「恋は『する』ものじゃなくて『落ちる』もんなんだ。それと同じように、友達は『作る』ものじゃなくて『できる』ものなんだ」
山「屁理屈を……」
し「ほ、ほら! 電話帳の登録とかめんどくさいし!」
山「ラインでフルフルすればいいじゃん。この前教えてもらってたじゃん」
し「うん。でもあれで交換したのはその時が最初で最後だった」
山「ホント友達を増やす気ないもんな」
し「友達なんて少数精鋭ですよ!」
山「今何人?」
し「……三人?」
山「内訳は?」
し「親友とその親友の友達とツイッターの子。計三人。あ、一応友達かなーっていう人妻も入れたら四人か」
山「狭いな」
し「狭いよ。でも親友とは深いつながりだからね。告られたら付き合うレベル」
山「ホモォ……┌(┌ ^o^)┐カサカサ」
し「そのくらいの付き合いってこと」
山「基本ぼっちって考えれば、多いほうか」
し「一言余計なのです!」
山「事実だぞいや」
し「…………」
山「……言うな。わかった。もう使わない」
おしまい。
※ぼっちデイズ
シュウさんが一番好きなシュウさんの作品。
最初はずっと一人語りで行く予定だったのだが、限界を感じて木村を登場させたら、結果として良い方向に向かいました。
もう一度一から書き直したいと思っているのは内緒。




