12話 詩
シュウさん(以下、し)「きっと15年ぶりぐらいに詩を書きました」
山田さん(以下、山)「みたいね」
し「もうね。詩ってどうやって書けばいいのかなーって思って他の人のやつをペラペラって見てたんだけど、最終的になんやかんやあって『抽象的に書けばいいのか』ってことに落ち着きました」
山「それ、全国の詩人に対して失礼じゃない?」
し「だって書き方とか韻を踏むとかってわかんないし。歌詞とかで韻を踏むっていうのはリズム的な問題だからわかるけど、小説で韻を踏むっていうのがよくわかんなくてさ」
山「んで書いたのがあれってこと?」
し「うん。抽象的だったでしょ?」
山「抽象的だけどさ、シュウしかわからんでしょ」
し「えっ? マジで?」
山「いや、わかんないけど。恋愛についてって、どういうことさ」
し「いや、詩を解説するってなんか恥ずかしいんだけど。一応恋愛って『深みにはまる』って言うじゃん。『恋に落ちる』とも言うし。だからそれを海を潜ってる的な感じで表現しました。これ以上は察してください」
山「…詩って難しいね」
し「理解されにくいと思われる」
山「まぁ捉え方にしろなんにしろ、人それぞれってことだよね」
し「うむ。恥ずかしかった」
山「あんだけ小説内でクサーイセリフ書く人間が言うセリフじゃないよね」
し「小説の中では当人になりきってセリフ考えてるから恥ずかしくないのさ。なんか陶酔してる感じ」
山「そのへんは麻痺してくんの?」
し「恥ずかしがってちゃ何も書けんのだよ」
山「それを現実世界で活かそうな」
し「心理学の先生が私生活で活かせてないのと同じように、小説を書くこととコミュ障解消の関係性は皆無だよ」
山「ホントそれどうにかならないの?」
し「文章だと頭の中で考えた文章を書くから、ワンテンポ以上の間があるんだけど、しゃべるのは苦手かなー。文脈どころか日本語の文法とかぐちゃぐちゃになるし」
山「もう日本人やめたほうがいいんじゃない?」
し「ひどい!」
おしまい
ちょっと詩のことを書きたかっただけなので、短めです。




