1話 女友達
山田さん(以下、山)「なにこれ」
シュウさん(以下、し)「ちょっと対話形式で書いてみたいと思ったのだよ」
山「だからってなんで?」
し「これぐらいでちょうどいいじゃない。本にするわけじゃないし」
山「小説家の端くれとしてその発言どうなの?」
し「そんなこと言ったって、誰かとの会話を書いてるわけじゃなくて、こんな一人二役の内容を小説にしたってなんもならないでしょう」
山「そーゆーメタ発言するところなの?」
し「そーゆーものなんです」
山「さいですか。で、テーマとかないの?」
し「じゃあそれぞれの連載についてとか話しちゃう?」
山「連載って・・・2つくらいしか連載してないんだけど、何を話せと申すか」
し「じゃあそれの話してよ」
山「…特になし」
し「…もう一声」
山「…不定期です」
し「はいおつかれさまでした。じゃあちょっとロリコンについて語っていい?」
山「ずいぶんと急だなおい」
し「前にちょっとお友達と飲んだ時に…って、何その顔」
山「友だちいるとか嘘つかなくていいから。なんか哀れ」
し「いるし。友達とか一人くらいいるし」
山「はいはい。で?」
し「それで、その時に幼女…ってゆーか可愛くて小さい子について熱弁した記憶があるんだよ」
山「酔ってたのね」
し「あの柔らかそうなからだをギューッてしたり、ほっぺとかプニプニさせてくれたりしたら、もうたまんないよねーっていうことを結構長い時間語った」
山「へー。で?」
し「で、って?」
山「いや、だから何?」
し「おしまいだけど」
山「オチは?」
し「あのね、そーやってオチを求めていくスタイルはやめたほうがいいよ? 僕という友達がいなくなるよ?」
山「お前なぞ友達なんて思ったこともないわ」
し「酷い。これはひどい」
山「オチがない話なんて、時間の無駄やん。もっとトークスキル磨いてから出直してこいや。それかしゃべんな」
し「ひどっ! そんなこと言う人がいるから、コミュ障とか流行るんだぞー!」
山「うっさいわ! もっと面白い話し方しろや!」
し「ひでぇよ。これは誰でもコミュ障になるレベル」
山「うざいなぁ。そんなんだから運転中に『シュウってずっと喋ってるよね』って言われるんだよ」
し「し、仕方ないでしょ! それは久しぶりの運転で緊張してたから、いつもより多く回しておりますー状態だったんだよ!」
山「はいはい。言い訳乙」
し「それに独り言が多くなってきたのは、今に始まったことじゃないし。学校帰りに一人でブツブツ言いながら帰るのとか普通だったし」
山「あー、よく喋ってたよね」
し「懐かしいなぁ。高校のとき一人で帰ってる時なんかは、ずっと喋ってたわー」
山「あれが中二病だったともしらずにね」
し「そのころはまだオタク知識が乏しかったんだって。オタクに目覚めたのは専門学生時代だし。あれは前の席の彼が悪い」
山「その彼は何してるの?」
し「さぁ? でもラインの『勝手に友だち検索』システムみたいなやつの画像が、『水樹奈々LOVE!』みたいなやつだったから、悪化してるんだなって言うのはわかった」
山「連絡してみればいいじゃん。ヲタ話で盛り上がるかもよ?」
し「連絡先知らないし」
山「ん? なんで? 専門学校のときに交換してなかった?」
し「アドレス変えた時に送ったら、例の悪魔みたいな人から英語で返ってきた」
山「あっ・・・(察し)」
し「まぁそんなに気にしてないし」
山「専門学校の誰にも大阪に行くこと言ってなかったあんたが悪いんでしょ」
し「そーゆー連絡って難しくない? 『いついつから大阪行くんだ!あばよっ!』って送って、『マジか!見送り行くわ!』なんて言われたらどうするのさ」
山「見送ってもらえよ」
し「イヤだ。恥ずかしいじゃん。それになんて言って別れれば良いのさ。それにいつまで手、振ってればいいのかわかんないし」
山「そんなんだから友だち少ないんや。いい加減にそのへん直さないと、友だちなんかできへんよ?」
し「別にいらんもん。別に飲みながら小説のことでやんややんや話したり、カラオケとかで替え歌メドレーとかやったり、一緒にサンホラ歌ったり、ただ意味もなくスカイプつないで気がついたら寝落ちとか、一緒にFPSやったりとか、時々抱きしめさせてくれつるような女友達なんてほしいとも思ったことないもん」
山「欲望が溢れてるぞ。そして人はそれを『彼女』と言うんだ」
し「別に女友達じゃなくてもいいんだよ?」
山「(なんだこいつ?)」
し「とにかく友達って言っても、都合がいい感じの友達がいいなぁ」
山「このゴミクズ野郎が」