意識し始める
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」
ドシャーン!!
俺は朝から、ベッドから落ちた。
「裕吾!?大丈夫!?」
雪未が心配して俺を見ていた
なんで朝からこうなってるかというと
5分前
「裕吾」
「う…うん………」
「裕吾。早く起きないと遅刻だよ」
「あ………もうそんな時間か…」
「そうだよ。朝ご飯食べようよ」
「……………学校行きたくない」
「ふぇ!?なんで急に(汗)」
「だるいから」
「ダメだよ!サボりは」
俺は黙って、布団に潜り込む
「もー……………そうだ!」
ガチャ…タタタタ…
何を思いついたのか、雪未は下に降りていった
…なんなんだ?
ガチャ…
戻ってきた雪未が持っていたのは
な、鍋………?
「おい、なぜ鍋を持ってきた」
「今日の朝食はカレーだからだよ」
「は?」
「裕吾が起きないんなら、私があーんって寝たまま食べさせてあげる」
「俺は病人か」
「でも、起きたくないんならこれしか方法ないじゃない」
もっと他の方法があるとは思うんだが…
雪未はカレーをついで、スプーンですくって
「はい、あーん///」
「……………」
なんでこんな事に…まぁ起きない俺も悪いんだけど
………ま、いいか
「あーん」
俺はスプーンのカレーを食べ………
……………
……………
「熱っっっっっ!?」
なんだこの熱さは!?ヤバいヤバい!!口が焼ける!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」
テクテク
「いてて…ヒリヒリする」
「ごめんなさい、大丈夫?(汗)」
「大丈夫さ。たぶん寝てたまま食べたから、気管に入っちゃったんだ」
「本当にごめんなさい………あ」
「どした?」
「ちょっと英語の宿題忘れたから、取ってくるよ」
「今から間に合うか?俺も行こうか?」
「そんな………恥ずかしいです///」
なぜ赤くなる
「そう言って、一緒に学校サボって家で私に何させるつもりなんですかぁ!!///」
「……………いいから早よ行け」
「う~…じゃあ行ってくる…」
もう俺もいいかげん雪未の扱いに慣れてきたな
テクテク…
そろそろ雪未のヤツ、家に着いたところか
…ふと思ったが、俺の周りにはまともなヤツがいない気がするんだよな
変態な考えしか持たない幼なじみ、エロゲ廃人の男友達、ネタ脅しな女友達。
………なんだこの組み合わせ
俺もまともな話の出来る人がいたらなぁ…
すると
ドスッ!!!?
「うぐっ!?」
いきなり背中に鈍い痛みが来た
「ってめ!誰だ………」
「……………いた~い…」
後ろを見ると、なんだか可愛らしい女の子が鼻を押さえていた
「えと、大丈夫…かな?」
「え!?あ、その…大丈夫です」
「何か急いでたかな?」
「べ、別にそういうのじゃなくて、ちょっとぼーっとしてて」
「そうか」
「あ、あの…私はここで」
彼女は俺に軽く頭を下げると先に行ってしまった
………結構、可愛かったな///
~~~~~~~~~~~
昼休み
「……………」
「おう、どうした。飲み物買いに行かないのか?」
小月が俺の前に立った
「あー…今行くよ」
「どうした?元気ないのか?」
「いや、何か気になる娘がいんだよね」
「お、ついに他の娘にも手を出すのか」
「違うっての!!朝にさ……………」
俺は朝にあったことをかいつまんで説明した
「ほー、でもそんな娘学校いたっけ?」
「尾久に聞けば分かるかな?」
教室に戻った俺は席に着いて座ると
「なー、尾久」
「なに?」
俺はその事を尋ねようとしたとき
バサー
「おっと…」
俺はそばに置いていた教科書を落としてしまった。
「よいしょ…」
そして拾おうとした瞬間
「あの…これ落とし…あ………」
「あ」
そこにはまさに俺が聞こうとしていた娘が目の前にいた
「えっと…朝の…娘だよね…?」
「その…朝の人ですよね…?」
俺達は互いに確かめ合った
「あれ?由香里と小岩って、知り合いなの?」
「………って、小月は知り合いなのか!?」
~~~~~~~~~~~
「5組の高井戸由香里です…///」
「小岩裕吾です。っていうか小月と高井戸さんって友達なのか」
「そうなんです。正孝とは中学から友達で」
「へぇ…このエロゲ廃人と友達なんて…」
「失礼なヤツだなお前(汗)」
「でも、まさか向かい合わせの人だったとはな」
これはどういうことかというと、高井戸さんとはクラスが違うものの昼休みは同じクラスで食べる。
と思ったら、席を組んだとき俺と高井戸さんはちょうど背中合わせになっていたのだ
「つまり小岩と高井戸さんは身体的に近かったんだね」
「その言い方止めろ(汗)」
「それにしても、高井戸さんと小岩はどういう出会いをしたのかにゃ~?」
尾久がメモを持って迫ってくる
「なに、朝ちょっと高井戸さんとぶつかっただけだ」
俺はかいつまんで説明した
「なるほど、つまりは彼女がぶつかって来ることを予想して、わざと道を塞いだんだね」
「なんでそうなるんだよ!?俺は超能力者か」
「違うの~?記事のネタになると思ったんだけどな…」
「お前、本当に俺をネタにするの好きな」
「だって、面白いんだもんw」
「お前な…」
「……………」
「どうした?由香里」
「ふぇ!?えと…その…///」
何か高井戸さんが俺をチラチラと見てくる
「なんですか?」
「えと…小岩さんと尾久さんて付き合ってるんですか?///」
……………
……………
一瞬、空気が凍り付いた
「いや…付き合ってないけど…」
「え!?そうなんですか?(汗)」
「なんでそう思ったの?」
「楽しげに話してるから、そうなのかと」
「そんな事ないって…なぁ、尾久…」
俺は尾久の方に向き直ると
「……………///」
あ…れ…?なんで尾久、顔赤いの?
「お、おい。尾久?」
「ふみゃ!?な、なに?///」
「お、俺達が付き合ってるわけないよな?」
「そ…そうだよ!!やだなぁ、何言ってるの高井戸さん(汗)」
何か慌ててる様子の尾久………これって小月が前に言ってたあれか?
いや、まさか尾久が俺を好きなわけ…
トクン…
でも…なんでこんな気持ちになってる?
もしかして俺って…
この瞬間、俺は尾久を意識し始めた瞬間だった
~~~~~~~~~~~
次の日
ガチャ
「どわぁ!?」
下駄箱を開けると、大量の画鋲が落ちてきた
尾久は何をしたいんだ………(汗)