俺はエロゲの主人公
………なんだか違和感がある
その…何かお腹の辺りに違和感があるのだ…
目の前は真っ暗で何も見えない。
少し重みがあって、痛みも感じる
なんだか目を開けるのが怖くなってきた
「ん………?」
俺は恐る恐る目を開けると
「おはよう。裕吾」
「うわぁ!!?」
目を覚ますと、メイドが俺の目の前で馬乗りしていた
「な、何やってんだ!お前」
「何って…朝だから起こしに来たんですよw」
「だからって俺の腹に乗るなよ!!重いわ!」
「もー…分かったよぉ…」
メイドはしぶしぶ俺の腹から降りた
「とにかく今日は学校だから、早く起きないとダメだよ」
「分かったよ。………なぁ」
「なぁに?」
「頼むから今度からは腹に乗るのは勘弁してくれよ」
「え~…じゃあ次からはどういう起こし方をすればいいの?」
「普通に起こせばいいんだよ」
「普通に………そ、それはディープキスをしてほしいってことなの!?///」
「は?」
「お腹に乗る以上の事がしたいって事なんだよね!?///」
「何を言っているんだお前?」
「も、もう…朝からエッチな事を考えているんだから…///」
「……………」
俺の名前は『小岩裕吾』
なんの変哲もない平凡な高校1年だ
そしてメイド服の格好をしたのが変態思考の『城崎雪未』
うちが雇っているメイドなのだが、俺の幼なじみでもある
それにしても…うちは財閥の息子でもセレブでもないのに、なぜメイドを雇っているのか…
その理由は、うちの母さんが原因なのだ
「母さん!!」
俺は1階のリビングに降りた
「あら。裕吾おはよう」
これが母さんの『小岩早苗』だ
「あのさ…うちになんでメイドが必要なわけ?」
「え~………なんとなく?」
「そんな安易な理由で!?」
「冗談よ~。でもお父さんは今、単身赴任中で私と裕吾しかいないでしょ?だから話し相手が欲しいからかしら」
「だからって…幼なじみの雪未を雇うのはおかしいだろ!」
「ちょうど雪未ちゃんがバイトを探してたから、ちょうどいいと思ったからよ。………それとも、雪未ちゃん嫌い?」
「っ……………それは…(汗)」
俺は後ろにいる雪未の方に振り向くと
「じーーーーー」
う…、なんでこっち見つめんだよ
「どうなの?」
「えっと………き、嫌いじゃ…ねぇけど…///」
パァァ…
「ありがとう!!ご主人様!!」
「誰がご主人様だ!!」
「うふふ…さぁ、早く朝ご飯食べて学校行きなさい」
~~~~~~~~~~
テクテク…
「お~い。小岩!!」
「ん?あ、小月か」
「おはー」
こいつは『小月正孝』。同級生
「お。城崎っちゃんもおはー」
「おはよう小月君」
「いやぁ…それにしても眠いなぁ…」
「夜更かしでもしてたのか?」
「あぁ…エロゲを嗜んでいたんだ…」
「エ、エロゲ!?///」
コイツ…
「お前女の子の前で臆面なくそんな事言うな!!」
「いいじゃないか。今やエロゲも女性受けいいんだぜ」
「知らんがな」
「こ…小月君って、エロゲをやるということは…裕吾も嗜んでいるってことなの!?///」
「なんでそうなる!?」
「私に隠れて、パソコンを開いてエロゲでhshsしているということですね…しかも思春期の女の子と一緒の屋根の下にいるというのに…もう…セクハラですよぉ!!///」
「俺、エロゲ持ってないし!!というか女の子がエロゲ言うな!」
「え…違うんですか?てっきりエロゲの話をしてるから、裕吾も持っているのかと…」
「勘違いも甚だしいわ(汗)」
「それにしても、裕吾の人生自体がエロゲみたいだよな」
「どういうことだ?」
「だって、同じ年齢のしかも幼なじみをメイドにして、毎日あーんな事やこーんな事をしてるんだろ」
「………雪未とは特になにもしてないぞ?」
「えっ!?そうなのか~…このヘタレめ」
ブチッ
ドシャーン!!ドカガシャン!!
「エロゲやってるお前に言われたくないわ!!」
「じょ…冗談だって…」
小月は自販機の取り出し口に頭を突っ込ませていた
~~~~~~~~~~
教室
ガラガラ
「おはー」
「小岩おはー」
あいさつをしてきたのは『尾久沙紀』コイツも幼なじみだ
「おや?小岩は、今日も雪ちゃんと登校だねw」
「いや…当たり前だろ」
「さて、今日の朝は何が起きたのかなぁ~?ww」
「何も起きてねぇよ…」
またか…コイツの野次馬精神には参るな…
正直言うと、コイツのせいで雪未が俺の家でバイトしている事がバレて、よからぬ噂が広がっているのだ
「さ、小岩に質問します。今日は何が起きたの?ww」
「だから何も起きてないって…」
「も~、そんなに出来事ないなんて、これじゃあ新聞が作れないじゃない」
「そんなんで記事作るんじゃねぇ!!」
「最近、話題なのよ。『1年生の男子、メイドを雇い破廉恥な行為をする』」
「お前、なんていう噂広めてやがるんだ!!」
「大丈夫だよ。小岩の名前は小岩裕吾(仮)だから」
「隠す気ゼロじゃん!!お前はなんて事をしてくれてんだ…」
「大丈夫だよ~。人の噂も百八日っていうでしょ?」
「それは煩悩の数だ!勝手に増やすな」
はぁ…なんてこった…
「大変ですね。こんな事になって…」
「いや…他人事のように言うけど、雪未も半分悪いからな?」
「私もですか!?す…すいません…」
「いや、そこまで怒っているわけじゃないけど」
「でも…わ、私でよければお仕置きしてください!!///」
「なに言ってんの!?(汗)」
「裕吾がそんな事を望んでいると思って」
「なぜ俺を変態にしたがんのさ!」
「なるほどなるほど…小岩の脳内は変態色と………」
「お前も何を書いてんじゃい!!」
~~~~~~~~~~
キーンコーンカーンコーン
「は~、やっとお昼か…」
「裕吾」
雪未が弁当を持って俺の側に駆け寄ってきた
「裕吾、弁当忘れてたよ」
「あ…悪いな。ずっと持っててたのか?」
「うん。人肌に暖めてたの///」
「言い方が危ういから言うのやめてくれ(汗)」
もぐもぐ…
「あれ?小月。お前弁当は?」
「ちょっと今、金欠でな」
「何かに金使ったのか?」
「エロゲを買いすぎたんだよ…(泣)」
コイツってヤツは…
「昼飯抜くほど、買うって次元が分からないんだよな」
「アキバに行くとつい買ってしまう衝動にかられてな」
「じゃあアキバ行くなよ。」
「そんな…アキバに行かないと死んでしまう!!!!!」
「知るか!……………ったく、仕方ねぇな」
俺は、鞄から食べかけのカロリーメイトを出した。
「これでも食え。少しは腹の足しになんだろ」
「おぉ…助かるぜ小岩!!」
「……………」
「?どうした雪未」
「あの…もしかして裕吾って男の人もアリなの?」
「は?」
「おぉ!!小岩は変態紳士の上にBLの気もあるの!?」
「なんでそうなるんだよぉぉぉぉぉ!!」
「だ、だって、小月君に食べかけの物あげるだなんて…///」
「親切心であげたんだよ!!というか雪未はなぜ俺を変態扱いにしたがる!?」
「わ、私は裕吾を変態扱いにはしてないです!!でも…裕吾が変な行動するからつい…///」
「変な行動は微塵もしてないよ!!」
「でもさっきは…食べかけを…」
「親切心だってば!!え、じゃあ俺の行動は、全部モザイクが入るものなの!?」
「そういうものではと…」
「やっぱり変態扱いかよ!!」
はぁはぁ…ダメだ。これ以上話したら頭が混乱しそうだ
「裕吾を変態扱いするつもりはないけど…」
「あぁ…うん………ぜひそうしてほしいな」
疲れた俺は、椅子に身体を沈ませた
「……………裕吾」
「ん………?」
俺は身体をあげると
「あ、あ~ん///」
「!!?」
いきなり雪未が俺にあ~んを要求してきた
「雪未!!いきなりなんだ!?///」
「裕吾に失礼な事言ったから…」
「それはもういいんだって!!」
「でも…」
うっ…そんなしょんぼりした目すんな。なんか俺が悪いみたいじゃないか!
「わ、分かったよ!!食えばいいんだろ!」
パァァ…
「本当…?じゃあ食べてください!!」
「う………」
な、なんかドキドキしてきたぞ…///
…えぇい!!どうにでもなれ!
パクッ
「美味しいですか?」
………美味しいけど、これはなんというか…(汗)
「ざわっ…ざわっ…」
クラスからの視線が痛いんですが…
「こーいーわー君ww」
ビクッ!!
後ろを振り向くとクラスの男子連中が立っていた
「お…おう…どうし、た…?」
クイッ
「ちょっと表出ろ」
ズルズル…
「え!!ちょ…おま………」
……………
……………
「やっぱりエロゲの主人公みたいだよなぁ…」