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詩集

形のない不快な塊

作者: ロースト

吐き気


耐えられない。

堪えられない。


気持ち悪い。

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。気持ち悪い・・・。


強烈な吐き気が断続的に襲って来る。


身体が、

支配されそうになる。

意識が、

飛ばされそうになる。


身体がたえられない。

タエラレナイ。


立ってるのも無理なほどで、膝を突き、

腕で体を支えないと倒れてしまいそうなほどの状態。


たまらずうずくまる。

いっそ、今すぐ吐いたほうが気分が良くなるだろう。

それでも、実行する気になれない。

そこまでの気力がない。


でも、それ以上に酷いのは、気が狂って

どうにかなってしまいそうな、

この精神だ。


震える。

小刻みに揺れる。

すぐに歯の根も合わなくなってくる。

絶えずにある生理的な嫌悪感と、

それに伴う涙。


どうにもならない。

事態は何も変わらない。


少しだけ開いた口から、ひゅぅっと空気を吸う音と、言葉が聞こえる。

でもその言葉は聞き取れない。


小さく、不明瞭で、

挙句に、その言葉はただの言葉の羅列であり、意味のある言葉をなしていない。

いうなれば、一文字もしくは記号の並びである。


途切れずに流れるソレはしかし、

歌ではない。音。


今起こっているのは崩壊。

精神、自我の崩壊である。

跡形もなく滅びへと道を辿っていく。


過去を、現在を、未来を閉ざしていくメロディーが耳に響き渡っている。

実際にはない音。


自分が自分でなくなる瞬間が近い。


心は軽い。異常なほどに軽い。

からっぽになっているんだな。


精神?自我?だから何だというのだ?


ああ、これで楽になれる。

ああ、幸せが待っている。

ああ、ああ、あああ……


 私は―――なぜ、こんなことになってしまったのだろう。

 私は―――なぜ、生きていたのだろう。

 私は―――どうなってしまったんだろう。


 私は―――……


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