プロローグ
両獄紅葉(16)
私は現在花の女子高生。
青春を存分に謳歌している……
はずなのだが
「はぁー!!??『東京公演中止』!?」
ゴリッゴリのヲタクなのである。
現在私は推しのイベントが中止になったことを
嘆いている。
「はあまあ仕方ないか……よし!気晴らしにブロマイドでもひきにいこう!」
私は身だしなみを整えてお金をもち、コンビニに向かった。
コンビニに向かう途中ぼーっと空を見ているとこの世の全てが滑稽に思えてくる……なんて厨二臭いことはさすがに言わない。
ただ私の人生に意味があるのかと病んだことを考えるだけである。
(うっまたダブった……。)
ちなみに私が推している方は女優の沙涼幽鬼様と俳優雨宮透様。
今私がひいているブロマイドはお二人が出ている映画の完成記念ブロマイド。
選択式であればいいものをなんでランダムにするかな
そんなこともわからない私ではない。
単純にそのほうが利益が出るからである。
(あっやっとコンプだ……)
私はコンプを目指しているわけではない。
推しのブロマイドが欲しいのである。
でもお二人のブロマイドを手に入れたらコンプリートしているのである。
コンビニを出て家に帰る……それがいつもの日常。
でも今日は違った。
ちゃんと確認してから横断歩道を渡った。
信号は青信号。
私は何も悪いことをしていないとは思う。
なのに……なんで?
キキーッ!!!と大きな音がしたかと思うと私は地面に転がっていた。
(あっ交通事故にあったんだな)
すぐにそう思った。
(まだ大きな音が聞こえる……暴走車両か……?)
別にこの世に未練らしい未練なんてない。
強いて言うなら……
「1回でいいからきちんと話したかったな……」
そうぼそっと言った。
忙しい親とも、沙涼様とも、雨宮様とも……
そんなくだらないことを考えながら死んだ。




