第58話「ドラゴンのケジメ」
「君ら、なんで妙齢の男性の裸見て
恥じらいとか感じないのかな?」
こっちの女性陣に対しても疑問を口にした
「別に裸を見られても
私はどうということはありませんよ」
「不意に裸で出て来てるなら別ですが
そもそもメスのドラゴンの裸が先にありましたし」
「まあ、裸があるからって
恥ずかしがることはありませんわ」
3人娘は、まあ実年齢が年齢だし
見るのも特に恥ずかしくないのか
ところで?
「阿部ちゃんとヴェルーリアはどうなのよ?」
阿部ちゃんはともかく、この子も見た目JKくらいなんだが?
「え?裸だからって何か問題あるんですか?
結局ドラゴンですよね?」
「私の大豚を盗み食いしたのですから
裸云々よりきっちりと仕返しするのが先です」
うん、そうだよね
それでも、私があの男のドラゴンと同じだったら隠すし
君の立場なら目を逸らすけど?
気を失っているほうのドラゴンはさておき、だが
ところで阿部ちゃん?
君、あとで説教ね
こっちの【世界】に毒されず
恥じらいを持ちなさい、恥じらいを
まあ、それは後で詰めるとしよう
ずっと無反動砲構えたままだし
フレイアも刀押し当てたままで疲れるわ
「で?あんたは降伏するって言っていたが
具体的な話をしようじゃないか
とりあえず、この女のドラゴンはこっちで身柄を預かる」
「わかりました
ところで上空に居る仲間はどうすれば良いでしょうか?」
ふむ、そのまままた襲い掛かられると面倒か
「あんたみたいに人型になれるものなのか?」
なれるならクリエイトした建物内に押し込めておくか
とも思ったのだが
「あ奴らはまだ若く、変化を操れません」
あらま、残念
じゃあ、遠ざかっておいて貰おう
「では、なるべく遠くに待機するようにしてくれ
万が一再度襲ってきた場合は
即座にあのメスのドラゴンの首を落とす」
首を縦に振り、先程同様
ドラゴンの群れに向けて吠えてからこちらへ向き直る
「うちの大豚を食った、と聞いたが?」
「あそこに倒れている者が大豚を襲った、と聞いています
そこにそちらの方々と遭遇し、攻撃されたので仲間を呼び
追いかけてきたところをここで返り討ちに遭った
というところでしょうか」
「ところで、あんたは?」
落ち着いた紳士的対応を見るに
そこそこの立場の人では?とは思う
全裸なのが返す返すも惜しい
「申し遅れました
私はそこに倒れているドラゴンの執事、でございます」
少し思考が止まる
「執事が付いているってことはあのドラゴン娘
立場的には上のドラゴンなのか?」
おっさんはこう答えた
「ドラゴンの長の一人娘でございます」
でっかいトラブルがあっちから突っ込んできた
頭を抱えてしまった
「あの尊大な態度はそれだったのか
この後はどうする?
降伏するって言ったって
この娘が連れてた大豚の代わりはどうするんだ?」
ヴェルーリアを見遣り、おっさんに問う
少々思案顔をしていたが
「そこな者はドラゴンは食いたい時に食う
とうそぶいていたとか
後先考えず、そのような粗暴な物言いをするよう
教育したつもりはございませんでした
彼の者と私共々、貴方様方の処分をお受けする覚悟です
彼の者にも貴方方に負けた以上、どんな結論が出ても
文句は言わせません」
まあ、食ってやろうかっては言ったけどね
そもそも魔牛すら捌くのにどうしようって状態を
解決できてないのだから、ドラゴンなんざ捌くなんて無理
人化するのを見てしまったら、余計にできなくなったよ
そんなことを考えていたら、叫び声が聞こえた
「我、なんで人になってるんじゃ??」
傍らに立ってた執事のおっさん
「申し訳ない!」
声と同時に頭を下げて、あげたと思ったら走って行った
フレイアがドラゴン娘を刀を当てて制止を促すものの
叫びは止まらない
そこへ走り寄ったおっさん
腕を振りかぶってドラゴン娘の頭を
よりにもよってフルスイングでぶん殴った
気が付いたばかりのドラゴン娘、また気を失う羽目に
やれやれ




