第53話「猪娘のお着換えと共同浴場づくり」
今度はちゃんと服を作ってくれた
と思ったのだが
阿部ちゃんは何故か
どこぞの制服アイドルを模した服を着せてきた
初のロングスカート娘だが・・・・・
「ヴェルーリアは
攻撃が蹴り主体なの
スカートはまずいでしょ?」
そう抗議したのだが、阿部ちゃんは
「大丈夫ですよ!ほら!!」
ヴェルーリアのスカートを盛大にたくし上げる
なるほど
スパッツだ
―だからいいと?
「どうです?完璧でしょ
それとも残念でしたか?」
含み笑いしながら顔を近づけてくる
人を何だと思ってるんだか
「あのさ、見るほうやるほうは楽しくても
やられたほうを見てごらん?」
ヴェルーリアだけでなく、3人娘も若干赤面してるよ
少なくとも3人娘は混浴平気と言ってたんだけど
このケースは羞恥心が湧くらしい
だとすれば
貫頭衣だけで【あれ】をやられたらどうなるか
さもありなん
それでもめげないのが後輩だ
「あの恥ずかしがるそぶりもそそりませんか?
ね?先輩?」
どこに行こうとしてるんだよ、君
私が知らない癖とはいえ、隠しなさい、癖を
気を取り直したヴェルーリアにも、塩結びと味噌汁を出して
自分も食べ始める
カホルがお茶を用意してくれるとのことで
それを待ってすっかり狂った今日の予定を話す
おっさんに人を引き連れてきて貰って家の組立準備を始める
中心部に管理棟と共同浴場を作る
行方不明の大豚を探しに行く
ざっと言えばこんなところか
1つ目は、またカホルに運転を頼んでおっさん共々
町に行って作業してくれる人を連れ帰って貰う
2つ目は私が作りに行くが
現場サポートをアウラムにして貰うか
最後の大豚探しはヴェルーリアは必須だし
移動距離考えると装甲車出したほうがいいだろうから
現時点では阿部ちゃんに運転を頼むことになるね
・・・・・一応、ストッパーにフレイアに同行してもらおう
かえって逆効果かもしれんか?
役割分担をして、この【世界】で3日目のお仕事開始
地上部までは装甲車で移動
阿部ちゃんに交代後、追跡組はそのまま外出
フレイアには簡単に、装甲車の武装をレクチャーしておいた
無いとは思いたいけど
万が一襲われた時はガンナーになってもらう
あと、接近戦が起きた場合、阿部ちゃんの武器は弓だから
どうしても近距離戦が不利になる
そこに近接戦闘担当が2名ついていて貰えば
最低でも1名はガード
1名はアタックに回ってもらえるだろう
まあ、アタックはヴェルーリア一択だろうけどね
カホルとおっさんは既に1度行っているし
ごねられても説得の技量が高く、期待できるのは大きい
管理棟はやりたいことがあるから
アウラムは渡せなかったんだよね
残った全員で雑談しながら都市部に戻り
カホル達はモートラで出発
私とアウラムは中心部に向かう
クリエイトであっという間に管理棟が建つ
唯一、城を作った時と違うのは、既に一度作った設備まで
織り込み済みで出来上がっている位か
5階建てくらいを考えていたが
今回の大豚突撃のようなことも考えて
見通しが効くことと、避難所を兼ねて
10階建てにしてしまった
ただ、それでは地下の魔牛飼育場と同じで
高低差によって移動が大変になってしまう
動く歩道のスロープ版を作って各階を繋ぐ
エスカレーターに比べると、はるかに単純な構造
将来自前で整備させるにも都合がいい
次に地下とのシャフト部に移動して
新たにシャフトに沿ってモノレールのような
エレベーターを作る
本来は上か下にある軌道と駆動輪をラックとピニオン
要は電車で言えばアプト式電車の車輪だ
がっちりと噛み合わせて、らせん状の軌道を昇降させる
普通の垂直式エレベーターも出来るけど
現地人だけでのメンテナンスや安全性を考えると
こっちのほうが作りやすかった、と言う判断だ
これも二重螺旋で、2基同時に運転可能にしてある
魔素供給とコントロールは軌道を伝って行うので
魔素切れもまずないだろう
機構上魔素切れしても落下せずその場で停止するだけだし
安全サイドに目一杯配慮してあるのだ
ガラス張りで外が見えるようにしたのもあって
試乗ではアウラムが固まってしまった
動く箱がだんだん高いところに向かうなんて、初体験だろう
驚きですっかり気疲れしたアウラムを励まして
共同浴場づくりに向かう
丁度カホルとおっさんが、町民を連れて戻ったところに遭遇した
既に用意してあるキットと
昨晩おっさん家族が泊まった家を見て貰い
作業のイメージをしてもらう
事前におっさん達が話をしてたからか
私を見て怖がる奴は一人も居なかった
外壁に当たる部位を
赤、青、黄、緑、白と5色にしておいた派手な家
派手なのには理由があり
全く同じ形状の家でも比較的容易に区別がつくよう工夫だ
5軒以上回ったら同じ色があるわけだが
そこまでは細分化しなくてもいいだろ
自分たちで1から作れるようになる迄は我慢してもらおう
わからないところは実物見ながら、と早速作業開始させる
嵌められるようにしか嵌らないのと
方向性が判るよう相マークもしてあるので
そうそう間違えないはずだが
一度自分らで考えてもらって作業させることで
結果として失敗しても成功しても糧にはなるだろう
現場はカホルとおっさんに任せて、浴場づくりに向かう
昔ながらの銭湯でいいのだけれど
この世界の倫理観とか羞恥心とかがどの程度なのか
たった3日では測りかねてたりする
もしかして、女湯との間仕切りを超えようとする
不埒な輩が居ないとも限らないし
ヴェルーリアのような脚力だと
飛び越えてしまうかもしれない
天井まで届く壁を男女浴室に追加しておく
円形の浴槽とそれに沿った洗い場
外に屋根付き露天風呂を作って、間に脱衣所を設ける
線対称で同じものを作って、空けておいた建屋を繋ぐように
機械室と入り口、下足場と番台を設ける
もう配管はお手の物だし、給湯設備も
城の浴室と同じ自動制御に自動給湯
おまけにかけ流しにして、衛生面にも気を遣う
排水処理はやはり地下の魔牛の施設で一括処理
屋根に関しては、本来小さめにしたかったのだけれど
近くに高層管理棟を作った関係で
覗けてしまうのは誤算だった
その対策でオープンエアではあるけど
風情は無くなってしまったのは残念
男湯女湯はポピュラーな、青と赤のアイコンにした
色、形状は単純明快なほうが間違いづらい
お湯を張り、カランなども正常に動くことを確認して
アウラムに浴室を見てもらう
キングキャッスルの浴室と違い男女別である事と
外にある浴室に驚いていた
あれこれ興味深そうに見て回ってるアウラムに聞いてみた
「入ってみるかい?」




