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この世界、モノづくりも名前もお風呂もありません。だから後輩といっしょに、魔術開発と現代知識で雑貨から兵器まで作り放題の3年間をのんびり送ります【連載改稿版】  作者: 事業開発室長
異世界道中の、はじまりはじまり

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第42話「おっさん、名前がついたってよ」

魔王とか遠くの地だとか、そこまで考えるのはまだ荷が重い

とりあえずは町で魔牛を飼わせて、モノづくりを覚えて貰う


それが当面の課題かな


ところで


「忘れてたけど、あんたが町の元締めってことで

間違いないんだよな?なんて呼ばれているんだ?」


おっさんに全く確認してなかったのを、今更思い出した


「長、とは言われることがある」


「じゃあ、町長ってことか」


「チョ・ウチョウ??」


やっぱり妙なイントネーション

聴きなれない言葉って、こう聞こえるのかな


「町の長、って意味だよ」


それを聞いた途端

立っていたおっさんが急に脱力して、地面に倒れこむ


少し前に見た光景だな

まさか?


ご主人様(マスター)の識別名「おっさん」に向けて発話した

「町長」が自身に認識され、「肩書」という概念が無い為

【命名】と同じ扱いになったようです

参考までにバイタルサインには問題ありません』


おっさん、名前が「町長」になったってか?!?!


役職名とかむやみやたらと言っちゃいかんのか

今後気を付けよう


というか、おっさん、勝手に名前つける結果になってすまん

しかも、町長って名前にしてしまったのは

罪悪感を少々覚えるな


そして弥生さん

前回、不安になったのを覚えてくれてて

安心材料を先出ししてくれたのか

ありがたや、ありがたや


そして

脳裏には3人娘の命名時に起きた変化が思い浮かんだ


―おっさん、ああはならないよな?


少し寒気が背中を伝ったよ


おっさんが起きないと次に進めないし

気になっていた事について考える


最初の偵察時、朝昼兼用でハヤシライスを食った


正確に言えば、洞窟内は昼夜の区別がなかったから

起きた時点を勝手に朝にしていたが

あれからそこそこの作業をして

感覚的には夕飯時過ぎ

どころではないかと思うのだが・・・


洞窟を出て以来、日差しに変化が見られない

時計も作ってないから、時間経過を測る指標がない

太陽が無いから、影の長さで時間の予測すらできない


まあ、就業時間に決まりがないから

当面は目が覚めたら起きて、眠くなったら寝て

腹が減ったら飯、ってのんびりなのでもいいか


と言うことで、少々小腹が空いてきたので

早めに晩飯の準備を開始する


昼に作ったのは大きすぎたので

改めて「普通のテーブル」をイメージして

ダイニングセットを作る

調理器具は昼に使ったものを装甲車から降ろして使う


今回は和食にしておく

味醂漬けの魚の開きに豚汁

ほうれん草らしき野菜のお浸しに

ごはんとシンプルだ


しかし、なんで食材用意したJC女神は

こうも日本人向けの食材を知っていたのだろう?


おっさん、当面起きそうにないから食べて待っていようか


みんなを促し、5人+妖精2名でとりあえず食卓に着く

手伝ってもらいながら出来上がった料理を並べ

食べ始める


妖精にとって、普通の茶碗などは大きすぎるので

適当に合うサイズを想像してのクリエイトをしてみた


丁度、着せ替え人形のサイズくらいのが出来上がったので

試しにと別途食材を刻んでお出しした


米だけは1粒ずつ綺麗に切れる気がしなかったのだが

なんとか食べられたみたいだ


他のものも食べてくれている


「今回は和食、ってところはポイント高いですよ!」


この程度、和食って言うのはおこがましいよ、阿部ちゃん


ところで


「アウラム、妖精に【命名】って、したほうがいいかな?

しないほうがいいのかな?」


相談してみる


魔牛のボスとして

町とのパイプ役として貰うからには

名前がないと不便な気がする


だけど3人娘に加え、おっさん、もとい町長も

命名でショック状態になってしまっていて

まだ絶賛気絶中だけに副作用が無いと言い切れない

おまけに人族より小さい身体だけに、負担は想像できない


実行はともかく、今後どうするかは考えておいて損はない


「【命名】で、わたくし達のように魔素量が増大するのは

ありがたいと思いますわ


でも、もし体の変化が良い方だけでなかったり

わたくしのように体付きが変わって

妖精が飛ぶことが出来なくなったりすれば困ると思いますわ」


人体実験での検証では困るよね、そりゃ


とりあえず命名は保留、かね

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