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この世界、モノづくりも名前もお風呂もありません。だから後輩といっしょに、魔術開発と現代知識で雑貨から兵器まで作り放題の3年間をのんびり送ります【連載改稿版】  作者: 事業開発室長
異世界道中の、はじまりはじまり

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第41話「魔牛を従える」

まだ縛ったままの魔牛のオスを相手に

いくつか実験をすることにした


爆音の効果はわかってるので、妖精に動かせるようにした

小さいサイズの迫撃砲をクリエイト、使い方を教えている

車輪付き大砲だけど、その分軽いので扱いやすい


向きを合わせてくれさえすれば、は勝手に角度を調整して

撃ってくれるアシスト付きだけどね


魔牛については既に開けた大穴へと誘導して

自力で移動して貰う


坑道は十分なサイズがあるから

逃げないように巨大なドームで覆い

オスから1頭ずつ拘束を解いて追い立てる


家庭用の打ち上げ花火くらいの音なら

気絶せず十分逃げて行くので

あっという間に4頭とも大穴に入っていった


十分な深さと、上に行くほど逆に反った壁のおかげで

飛び跳ねた程度では到底届かないが

一応防護措置として更に穴の上部をドーム状の網で囲い

二重の脱走防止を図り、それに加えて安全策として

人も落ちないようにしておいた


坑道については観音開きの鉄扉を作って閉鎖

人の出入りはその横に高さ2m四方サイズの鉄扉で

通用口も作る


万が一を想定した二重扉にして

単管パイプで格子戸を作って強固にしておく


アウラムを通訳にしながらの妖精へのレクチャーが終わった

3人娘に阿部ちゃん、おっさんに妖精2名

扉の前まで来ている


「一応、メス3頭は仕切り作って

こっちが見えるようにしておいた


オス1頭を気絶させればボスとして認識してくれる

と思うけどなにせ誰もやったことがないから

暴れたり言うこと聞かないようなら助けに入るよ」


そう言っておく


「あと、あんたは見届けとして

どういうことやってたか覚えておいてくれ

魔牛だって寿命があるだろうし

食用に潰せばボスの交代が必要になる

その時に妖精の手伝いが出来るようになっておいてくれ」


おっさんを見て、そう言っておく

いちいち私らが来ないと牛食えないんじゃ意味がないからね


頷くのを見て、鉄扉を開いて妖精とアウラム

迫撃砲を中に入れて格子戸を閉める


魔牛のサイズから見れば、私らですら小さいだろうから

念の為アウラムも入れて存在感を増やしておく


この【世界】とすれば、魔素量もかなり多いらしいから

流石に見落とされることはない、と思うんだけどね


あっという間に決着はついた


前回同様、爆裂音でオスは気絶、音でパニックになったメスに

迫撃砲で威嚇したところ「伏せ」の体勢で動かなくなった


これが服従のポーズなのか?


アウラムをその場で待機させて

妖精だけで間仕切りに近づかせたが

それでもメスは更に縮こまる様子を見せた


目的通りになったようだ

あとは細かい意思疎通など

ノウハウを積み上げるしかないだろうが

最悪強制追い込みができるとわかったのは大きい


しかし・・・・・

すぐ横で、おっさんも気絶してるんだよな

爆音、こっちもダメだったか


おっさんが起きるまで、5人で話し合う


妖精2名は、会話は通じているらしいのだが

サイズ的に、声がこちらに聞こえるボリュームに届かない

そのため、今もアウラムを通じて返してくる


魔牛の管理全般を二人だけにやらせる気はないので

実務でおっさんを呼んだことを伝え、なにかあったら私らに

連絡する手段として通信機を渡しておくことにした


これなら、マイクのボタン押して喋るだけで通話可能

管理事務所作って据え置いておこう


「うーーーん」


おっさんが目を覚ました


先程話し合った内容を伝え、再度妖精2名をリーダーとして

魔牛の飼育と繁殖、その後は屠殺と食肉加工、母乳の採取と

加工などの実施についての方針を伝える


作業に必要なものは用意する、と言うことも伝えたが

そもそもこの人達も、諸々の技術は皆無なんだよな


食肉加工は、魔牛を潰せるようになったら実演するしかない


母乳、つまり牛乳の搾乳はどうするか

普通の牛のように搾乳機に自分で来てくれればいいんだけど


『自動追尾・装着の搾乳車を作ってはどうでしょう?』

なるほど、最新の畜産ショーで出てた、って奴だよね


でも、魔牛が怖がったりしたら?


『ボスとしての妖精と同じ魔素の波長を発生させれば

配下だと誤認識して、やることに逆らわないと思われます』


魔素に波長ってあるんだ?


『魔物は個体認識を外観ではなく「匂い」と

「魔素の波長」で行っています

人族では使わない認識方法で

魔物特有の判別方法です』


飼い主と同じ家族の体臭がすれば

初対面でもすり寄ってくるワンコと

同じ理屈かね


もしかしたら

地球でもワンコに何かの波長

見えてたりするのかな?


弥生さんのサポートで

魔素の波長をボス妖精に合わせた

波長生成器もついた自動搾乳車


ついでに作った牛乳処理加工所

解体所と食肉加工所をさくっとクリエイトした後

見学とおおよその説明がてら全員連れ立って歩く


「あんたら、やっぱり女神様の使いって奴なのか?」


おっさんだ

若干声に震えを感じるのは、気のせいかしら


「そう見えるか?」


肩をすくめて聞き返す


「ケイと隣の女は黒髪黒目

しかもあんな天変地異みたいな事を

ポンポンやって見せるなんて

伝説の賢者とか魔王とかって奴でも出来るかどうか

そんな凄い力を持った奴なんか

それくらいしか思い浮かばねぇよ」


「魔王?」


思わず聞き返す

魔王居るのか?この世界


「知らないのか?

この地には王様ってのが居るが

魔王は遠い地の王様、って聞いてるぞ

なんでも化け物のような魔物を使って戦うし

見たこともないものを使っているって話だ」


遠い地??

そう言えばここって

確か世界に1つしかない大陸なんだよな

遠い地ってどれだけのサイズ感で言っているのだろう


その辺もこれから、教えて貰わないといけないな


そもそも体感2日で

あれこれイベントが発生しすぎなんだよ

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