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この世界、モノづくりも名前もお風呂もありません。だから後輩といっしょに、魔術開発と現代知識で雑貨から兵器まで作り放題の3年間をのんびり送ります【連載改稿版】  作者: 事業開発室長
異世界道中の、はじまりはじまり

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第35話「魔牛、追跡」

「このあたりですわ」


町の外周に沿って距離を空けて走っていると

アウラムが声を上げる


速度も落としていたけれど

慣れてきたのか、今は普通に掴まってくれている


ATVを降りて、彼女の後に続いて歩いていくと、

他より荒れた地面に、巨大な足跡が見えた


いわゆる偶蹄目って奴だろうけど

見たことのある形状とは違う

蹄も伸び放題なのか、それとも生物としての差なのか


ただ、本当にでっかい足跡だ

1つ1つがA3サイズくらいあるんだけど?


「数頭だと思いますが、町に入って暴れていたようですわ」


確かに、あばら家の間に足跡は続いて見える

町から戻ってきて、ここを通って森林方向に向かったらしい


「少し追ってみましたが

途中の砂地で足跡が消えていましたのですわ」

申し訳なさそうに言うアウラム


「とりあえずこれ、使ってみようか」


ATVに戻り、弥生さんの提案した

ポータブル熱追跡装置を降ろして起動

センサーとモニターが一体化されていて

更に装甲車と通信して詳細解析する

結構なシロモノだ


足跡を撮影すると

数秒で予想移動経路と予想現在地が表示される


アウラムを促してATVに乗り

装置をハンドルポストに固定して走り出す


十数分で、砂地というか砂丘というか

森の手前まで砂地が続く場所に出た


ATVを止める


モニターには足跡が映っているのに

実際の地面では砂地で途切れている

まとまっていた足跡が数本に分かれて

煙のように消えている


その数、3本


最低でも3頭の魔牛がいるってことだけど

見えないってどういうこと???


「姿を隠す魔法を使えるのですわ

だから魔牛なのですわ」


ってことは足跡消えた、先に今も居るってことか


「二人で倒せるかな?」

アウラムに尋ねる


もし交戦したら、異世界で初の戦闘

しかも相手は巨大な牛で、消える魔法使う奴

・・・・・勝てるかどうか以前に、死なないか?


「大きくて突進も凄まじく、逃げ足も速い魔物ですわ

ですが、このハンマーがあれば足を止めて

動きが鈍くなったところに魔法連発でとどめを刺せば

二人でも倒せると思いますわ」


「アウラムは戦ったことあるの?」


「ありますわ

妖精族10人がかりでやっと倒して

みんなで肉を食べてお祝いしたのですですけど」


一度言い淀んで、続ける


「あまりにも大きくて、食べきれなくて

そのまま腐ってしまって、魔虫やら魔物が大量に寄ってきて

町ごと引っ越す羽目になりましたわ

あの時は本当に酷い目にあったのですわ」

ため息をつく


保存技術も持たず、道具もない世界で巨大生物処理なんて

無理ゲーもいいところだよな


―ところで、魔虫?

虫までもがでっかいのか?


考えないようにしておこう


「それは災難だったね

町から10kmは離れてるし、ここなら大丈夫かな?」


首を傾げ、少し考えてからアウラムが答えた

「これくらい離れていれば、

もし同じ目に遭っても直接被害はない、と思いますわ」


よし、倒してももよさそうだ


さて、問題はどうやって”見えるようにする”か、だな

視界からも熱感知からも消えてるんじゃ、手がないのでは?


『魔牛の弱点は大きな音に弱いところです

思い切り大きな破裂音を食らわせてはどうでしょう

気絶やパニックなど我を忘れ

隠蔽魔法の維持は難しくなるかと考えます』

弥生さんが攻略本

もとい【世界書庫】から必勝法を教えてくれた


破裂音と言えば手りゅう弾とか、かな?


『グレネードランチャーのほうが

威力を大きくしても安全性が高いです


ご主人様(マスター)がこちらの世界で力が強くなっているとはいえ

通常の手りゅう弾では届く範囲が限られますから』


じゃあ、足跡の先めがけて撃てるのを作ればいいのか

ところでグレネードランチャーってどんなのだっけ?

バズーカと違うんだっけ?


悩んでても仕方ないので、とりあえず【製作:】(クリエイト:)してみる


目の前で出来たのは・・・・・対戦車ミサイルでは?


なんか先端にそれっぽいのが付いてるんだけど?

でもこれって、1発打って終わりじゃなかったっけ?


『魔素を使って自動生成して、連続射出が可能です

今回は破裂音特化の弾頭を装着しています』


・・・・・絶対、他の弾頭も同じく撃てるよね?


『当然です』


弥生さん、恐ろしい子


対戦車ミサイルを見ていたアウラムが一言

「これで叩くのですかしら?」


そう見えるよね


イヤーカフとゴーグルを【製作:】して

アウラムに付けてあげる


私の視界には

城で【消去】(イレース)を使ったときのガイドが見えている

言わなくても機能を付与させてしまうのは

弥生さんの内助の功ですよね?


『サポートが私の役目ですから』


控えめな主張、ありがとう


早速撃ってみようか


「アウラムはそのまま動かないで」


隠れる必要はない

というか隠れる場所がそもそもないのだから


アウラムから十分安全な距離を取って

足跡から先にアタリを付けて発射


無反動で少々音がした程度

呆気ないほど静かに発射した


ミサイルが1mくらい砲身から離れ

火を噴いて飛んでいく


数秒飛んだところで、着地して爆発

少々遅れて爆裂音が響いた


予想通り隠蔽魔術が切れたのか

アメリカンサイズのコンボイトラックみたいな巨体が

突如姿を現した


その数、4

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