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第一話 嫌いだ。
「私ね、雨が好きなんだ。 だって―」
泣いても誰にも気付かれないからね。
そういった私の姉はもういない。
姉がいなくなった日はまるで嘲笑っているかのような、ひどく太陽が眩しい...快晴だった。
ピピピピ ピピピピ
目覚ましの音がなり、今日も私...佐倉莉央は目覚めた。
目覚ましを止め、部屋からでる。朝ごはんを食べて、制服に着替える。身支度をして学校に行く。
この日常は莉央の姉—佐倉莉花が死んだとしても変わることがなかった。
まるで莉花が死んだとしても世界は変わらないのだと皮肉しているようだった。
まあ、実際そうなのだから、私はなんとも言えなかった。
私はそんな世界が心の底から嫌いだ。
けれどそんなことを思っていたって世界は止まったりしない。
そうだとわかっていても心にモヤモヤする気持ちが残っていた。
もうどうしようもないな、と思いながら私は学校に行く準備をしていた。