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if...光の観覧車

作者: 劫花



この街にある大型商業施設――そこに国内最大級の観覧車がある。

ジントは紆余曲折あって付き合うになった2つ年下の少女ヒカリとの初デートでこの商業施設にやって来ていた。

初デートとはいってもヒカリとは幼馴染であり普段から2人でいることも多いのでベテランカップルのように見えているかも知れない。

「あ、これも可愛い!こっちも捨てがたい。むむむ迷うな~。」

冬ももうすぐ終わりのこの時期、どの店もクリアランスセールをやっている。

「よし!これに決めた。ちょっと買ってくるね!」

「それでいいの?」

「うん。前から狙ってたんだ。ジントは何も買わないの?」

「ああ、こないだ福袋買ったからな。その戦利品がこれだ。」と今着てるコートを見せる。

2人で話しながら外へ出るともう外は暗くなっていて観覧車のイルミネーションが点灯していた。

「ねえジント。今日の記念にあれ乗ろ。」

(やっぱり来たか。)ジントは内心そう思った。実は彼はヒカリにも言ってないが高所恐怖症なのだ。高いところをゆっくりと時間をかけて回るあれは遊園地怖い乗り物ランキングでもトップ3に入る。

「よし乗ろう。」背中に冷たい汗をかきながら待機列に並ぶ。さながら死刑執行を待つ囚人のようだ。

 自分たちの番が来てゴンドラに乗り込むと当たり前だがゆっくりと上昇を始める。

「わー高くなってきた。夜景キレイだね。」ヒカリに話しかけられるがそこまでの余裕はない。

「ソ、ソウダネ。」と返すのがやっとだ。

ゴンドラがいよいよ一番高い所に差し掛かる。

「ねえ、ジント。そっち行っていい?」

ヒカリが向かいの席から隣へ移動してくる。

(動くと揺れるから動かないで)とも言えずにいるとゴンドラを揺らしながら彼女は隣に座る。そのときちょうど強風が吹いてゴンドラがさらに揺れる。

(ひぃぃぃ)ジントは声にならない悲鳴を上げる。

「手、繋いでいい?」とヒカリが手を出してきたので

「もちろん」と手を繋ぐ。

あとから思えばこの時オレの手は少し震えていたかもしれない。でも繋いだヒカリの手は暖かく安心できた。はっ!これが吊り橋効果か?立場逆だけど。

「じゃあ、記念写真!」ヒカリはスマホを自撮モードにして記念撮影する。

オレは引きつった笑顔だがヒカリは満面の笑みだ。

やがてゴンドラはかなり低いところまで下りてくる。少し余裕のできたオレは

「ヒカリ、また2人で観覧車乗ろうな。」と言った。

「うん。でも無理しなくていいからね。」


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