一番厄介な、性行為時分泌ホルモン
「なんやけど、2つのホルモンの内1つは、とんでもなく、とんでもなく、ややこしいから、まずは簡単な方から話すね。」
「そんなに、力強く言うほどですか。」
「………解りやすく言うと、4〜5種類のホルモンを、1つのホルモンと誤認しているような感じかな。」
「そんなに!!」
「そんなけ汎用性が有るから、日常生活で分泌されやすいんだと思う。」
「成る程。」
「それじゃあ、簡単な方から。」
「名称は、【βエンドルフィン】。 【ランナーズハイ】の原因だと言われているホルモンや。」
「性行為とランニングの共通点で、1番に思いつくのは、【頭頂部から股間までの、上下の振動】。 情報がバラバラやけど、縄跳びでも分泌するという人もいるよ。
それ以外に思いつくのは、短い呼吸。
これは、全員がなるわけじゃないから、確率は低い。 と思われる。
複数の条件を揃える必要が有るかもしれないけど、それを思索するには、素人には無理や。」
「一応、ダンスで分泌したという論文も見つけたけど、今じゃ削除されたのか、見つからない。
それと、最近の研究で、【ギャンブル依存症】の原因かもしれないと言われているな。 勝つか負けるかの焦燥感が、分泌する条件だとも。」
「………性行為と関係ないですよね。 初めの方、上下の振動は、納得できかけましたけど。」
「そうだね。」
「最後に話すホルモン。 一番厄介性質をしているホルモンの内容は、【妊娠をさせやすくする】【母乳を分泌させる】。
そして、最近の研究やと、DV被害者が、加害者のもとに戻る原因やと言われている。」
「………DVはおいといて。
流石は性行為で分泌されるホルモンですね。 まさか出産後も影響があるのは、予想外でしたけど。」
「けど、これのどこが、日常と関係が有るのですか?」
「関係有るのは、分泌する為の条件の方や。」
「こいつが分泌する条件は、【ストレス】や。」
「精神的ダメージ、ですか?」
「ストレスの定義は変わって、精神的ダメージだけでなく、肉体ダメージも含まれるようになった。
つまり、【人間へのダメージ】やな。」
「人間へのダメージ。」
「………俺は最初、このホルモンを知った時、」
「はい?」
「マリッジブルー、妊娠、マタニティブルー、産後の母乳の分泌、全てに使えると思ってたんだよね。」
「依存はともかく多幸感は、気持ちが沈んだ人に効きそうですね。
でも、そう言うってことは、何かあったんですね?」
「問題は、【妊娠をさせやすくする】って部分や。」
「俺が知ったのは、海外ドラマなんだけど、陣痛促進薬に、このホルモンが含まれているらしい。」
「調べてみたら、現実にその薬は売っていた。」
「!!」
「流石に、薬の成分は解らなかった。 英語だったのもあるしね。 このホルモンを使っているのは解ったけど。」
「だから、この【妊娠をさせやすくする】が、どういう原理かを調べてみた。」
「解りやすく言うと、ポンプやな。 子宮を収縮させて、精子を吸い上げて、受精させやすくするらしい。」
「!!じゃあ、子宮に赤ちゃん………の前の状態を何ていうんでしょうか?、が居たら、」
「最悪、流産やな。」
「うっ。」
「はい、エチケット袋。洗面台は、部屋を出て左や。」
旦那様から袋を貰う。 ギリギリ出さなかった。
思わず想像してしまった。 グシャグシャに潰れた、赤ちゃんのなりかけを。
「因みに、【精液にも子宮を収縮させる作用が有って】な。
別の海外ドラマだけど、海外だと、妊娠中の性行為の禁止、刑罰に処されるらしい。
又、別の所だと、妊娠予定日を定めるために、敢えて、性行為をするというのもあったな。
両方とも調べてみたけど、ネットだと、違う法律が検索されるから、調べられなかった。」
「………介抱するでなく、追い討ちをかけて、楽しいですか?」
「一気に話した方が、ダメージが少ないと思ってな。 すまんな。
それで、休憩する?」
「話は終わってないんですよね?」
「まだまだ氷山の一角や。」
「なら、大丈夫です。 続きをお願いします。」
「解った。」
「この2つのホルモンの特性、【依存と多幸感】を同時に満たす、満たすでいいのかな?、のは、【万引き】らしいんだよね。」
「………罪悪感と背徳感、バレないかなって思うドキドキと焦燥感? ですか?」
「多分?
因みに、古い2時間ドラマだと、旦那に相手をされない、旦那に蔑ろにされている主婦の万引きを題材としたのが多い。」
「つまり、夫婦ならちゃんと相手をしろってことですね。
まあ、そんな事で万引されたら、たまったものじゃないですよね。」
「本当にね。」