貴方への思い
幼少期の頃に出会った女の子に今も恋をしている主人公の守。
いつもの病院の定期診断の後に初恋の人に会った守は発作を起こし気を失ってしまう。
ラブコメ
「ん、ここは…」
知らない天井…という訳ではない。
幼い頃からずっと見てきた天井だ。つまりここは
「あら、起きたのね」
そう言葉にしたのは
「母さんなんでここに?」
目の前にいたのは俺の母親、水溜芽衣だ身長は少し小さく穏やかな正確な胸は普通の大きさだ。
「なんでってそりゃあ自分の息子が倒れたって言うから大急ぎて来たのよ」
「そっか…俺あのまま過呼吸で気を失っちまったのか」
俺は気を失う直前の事を思い出す。
栞さんに会ったこと、そしてあった衝撃で興奮してしてい過呼吸を起こしてしまったことを。
「発作が出るなんて久しぶりね。体調はどうかしら?胸が苦しいとか息苦しさはない?」
「大丈夫元気だよ。でもすまないな母さん心配かけて」
「本当よもう病院から電話がかかってきた時は本当に驚いたんだから」
「本当にすいませんでした…」
「まあ、元気ならいいわ。目を覚ましたんだし先生を呼んでくるわね」
そういい母さんは病室を出ていく
「入院するなんて久しぶりだな…」
小学生の頃は入院することがたまにあったが中学生になってからは学校を休む事はあっても入院することは無かった。
それ程初恋の相手である彼女、栞さんとの再会が衝撃だったのだろうか。
いや、まだ初恋の相手とは確定していないのが会った瞬間に昔の記憶がフラッシュバックした。
あれはきっと…
「水溜守くん入っても大丈夫かしら?」
コンコンとドアをノックする音ともに発せられる声
「大丈夫です」
「失礼するわね守くん」
そう言い俺が寝ているベットの横にくる青山先生と母さん
「体調はどうかしら?息苦しさやふらつきはない?」
「大丈夫です。これといって気になるところはありません。今すぐに退院出来るぐらいには元気ですよ」
「なら良かったわ。でも検査はするから退院出来るのは早くても明日ね」
「そうですか…わかりました」
「お母様は如何なさいますか?検査はしますが彼の様子を見ると恐らくですが明日には退院出来るかと思います」
「そうねえ…正直仕事を急に切り上げて来てしまったから守が元気なら今日のところは帰ろうかしら」
「承知しました。退院手続きが必要になると思いますので明日またこちらにいらしていただく事は可能でしょうか?」
「ええ、問題ありません」
「承知しました」
「ごめんなさいね…本当にいつもお世話になっています青山先生」
「お気になさらないで下さいこれが私の仕事ですから」
「じゃあ私はこれで失礼しようかしらね。じゃあね守、また明日」
「ああ、また明日」
そう言い病室を出る母さん
「それで守くん」
ニコニコしながら俺の方を見る先生
「…なんですか」
先生のこの表情は本当に嫌な予感しかしない
「あの子が''例の子''何かしら?」
ほら嫌な感が当たった本当に嫌だこの人
「例の子ってなんですか」
「もーそんなこと言っちゃってーそんなの決まってるじゃない。守くんの初恋の女の子よ!」
そうウキウキしながら言う先生この人相当楽しんでいるな、と心の中で思う。
「…確定って言うわけじゃありません。でも彼女…栞さんのことを見た瞬間に昔の頃を少し思い出しました。多分そうなんだと思います。」
「あらー♪名前までもう聞いちゃってーお姉さんドキドキしちゃうわ♡」
体をクネクネさせながらそんなことを言う先生
(この人いくつだよ…)
そう思った瞬間先生の動きが止まる
「守くん今凄く失礼な事思わなかった?」
「ウェ!?そ、そんなこと思うわけないじゃないですかー嫌だなー先生ーHAHAHA」
何だこの人怖すぎる俺の心読んだのか?いや思い方が違うな
(心が読めるのか…?!まずい…!)
「守くん色々と変な事考えてそうだからそこでストップしようね」
「あ、はい」
「さて、話を戻すけど栞ちゃんが初恋の子だったとはねえ…」
「栞ちゃんって…先生栞さんの事知ってるんですか!?」
「ええ、担当医という訳では無いけどそれなりにお話をするくらいには仲はいいわよ。ああそうだ栞ちゃんと言えば守くんが倒れた時に私を含めた周りの先生を呼んでくれたのは栞ちゃんだからちゃんとお礼を言うのよ?」
そういえば気絶する直前栞さんが叫ぶ声が聞こえた。あれは助けを呼ぶ声だったのか。
「はい。もちろんです。次に会った時に必ずお礼を言います。」
「守くん次会うと言ってもこの病院結構広いから見つけるのは中々大変だと思うわよ?」
「うぐ、あのー…先生病室を教えて貰ったりは…」
「私と守くんの仲であっても流石にそれは厳しいわね、プライバシーの問題もあるし」
「でも俺栞さんにまたお話しようって約束したんです!それにお礼もちゃんと言わなきゃだし…病室を教えてくれなくても構いませんけど彼女に会える確率が高い場所とかは教えて貰えませんか?」
栞さんと俺を繋ぐ唯一の存在は青山先生だ、どうにかして彼女に会える確率を少しでも上げたい。
「んーそうねえ…それくらいならいいかしらね、私が栞ちゃんによく会うのは君が倒れた病院のホームかしらね。あんまり細かい事を言うと怒られちゃうのは私だから言えるのはこれくらい。後は君の頑張り次第って感じよ守くん」
「充分すぎる情報です。先生ありがとうございます」
俺が倒れたあの場所に行けばまた栞さんに会えるかもしれない。そう思うだけで希望が見えてくる。
「さて、それじゃー検査を始めましょうか」
そう言い血液検査などを受ける俺こういった検査も懐かしい
**********
翌日一通り検査や退院手続き済ませ俺は退院となった
「何も異常がなくて良かったわね」
そう笑顔で俺に言う母さん
「ああ、本当に良かったよ。正直長期入院はもうごめんだ。母さんも悪かったなこれから仕事なんだろ?迷惑をかけたな」
「そんなこと気にしないでいいのよそっちこそ遅刻にはなるけど学校に行くんでしょ?正直今日くらいは休んでもいい思うけど…」
「確かにそうかもしれないけど体調面は問題ないし授業の欠席回数とかもあまり増やしたくないし行くよ。心配してくれてありがとう」
「守が元気ならそれでいいけどもし体調が悪くなったらちゃんと早退するのよ?」
「ああ、分かってる」
「それじゃあまた顔を出しに行くから体に気をつけてね」
「分かってるってそっちこそ体に気をつけてな、それじゃ」
「はい、じゃあね」
そう言って俺は学校へ母さんは職場へと足を運ぶ
***********
「こんにちは、すいません遅れました」
「おお!水溜!大丈夫だったか?」
そう声をかける担任の先生。今の時間帯はたまたま担任の授業だったのか
「はい、もうなんともありません元気です」
「そうかならいいんだがもし少しでも体調が悪くなったら言うんだぞ?」
「はい、ありがとうございます」
そう言い俺は自分の席に着く
「守病院で倒れたんだって?災難だったね」
そう少し心配そうな顔をしながら言う秀
「まあな…でもそれと同時に色々と収穫があった」
「収穫…?どういうことだい?」
心配そうな顔から一変頭に?の浮かべる秀
「まーそれは授業が終わったら色々話してやる。先生に注意される前に前向きな」
「…本当に気になるから後からきっちり聞くからね」
そう言って前に姿勢を治す秀
(こいつらに昨日の事を話して学校が終わったら今日も病院に直行だな)
そう思いながら授業を受ける。なんとか午前中の授業に間に合ったのでお昼の時にあいつにも色々説明しないとな。
「さて守さっきの話の続きをしようか」
昼休みになり秀はそう前かがみになりながら質問をしてくる
「さっきの話って何ー?」
そういうのは昼休みになった瞬間に教室に飛び込んできた葵
「そうだな何からどう話すかな…昨日俺が気を失って入院したことは知っているか?」
「ああ、もちろん」
「そういえばそうじゃん!体調大丈夫なの?」
「ああ、体調に関しては全く問題ない」
「それでその気を失った理由っていうのがとある強いショックを受けて過呼吸になったっていうのが原因だっんだ」
「強いショック?」
またもや頭に?を浮かべる秀そして葵
「ああ、その強いショックっていうのが初恋の女の子に再開したんだ」
「「初恋の女の子に再会した!?」」
そう驚嘆の声をあげる2人
「声が大きいって…こっちが驚くだろうが」
「いやだって、ねえ…」
「うん、ちょっと衝撃が」
驚くのは予想はしていたがここまで大きく驚くのは予想していなかったのでこっちが少し驚いてしまう
「そ、それで一体どういった経緯でそうなったんだい?」
「それはだな」
そう言って俺は昨日あったことを説明する
「そんなことが…」
「まさか私が言ったことが現実になるとはねー」
「本当だよ、人生何が起こるか分からないな本当に」
「それはそうとまた会う約束をしたんでしょー?やるじゃん守〜」
そうニマニマしながらそんなことをいう葵
「あの時はもう色々いっぱいいっぱいでなんとか繋がりを作らなきゃって思ったんだよ」
「守にしては大分珍しいというか守らしくない思い切った行動をしたね、今日も病院に行くのかい?」
「なんか馬鹿にされているような気がするがまあいい…もちろん病院には行くチャンスをみすみす逃す訳には行かないからな」
「進展あったら絶対報告してよ!絶対だよ!」
「分かってる何かあったら言うよ」
**********
学校が終わり俺は病院へと足を運んでいた
(青山先生が言うには昨日俺が倒れた所ここで待っていればあの子が通る可能性がある…)
そう思いながら俺はしばらく病院のホームで彼女を探していた。どれだけ時間が経っただろうかもうそれなりに彼女を探している。それでも中々見つからない今日は一度帰ろうか迷っていると
「見つけたっ!」
見つけた、栞さんだ俺は目線の先にいる女性に声をかける
「栞さん!」
「貴方は先日の…水溜守くんでしたよね?体調は大丈夫ですか?」
「お陰様で体調は良くなりました。ありがとうございます」
「それは良かったです。あの時は驚きました急にをかけられたと思ったらその後倒れられたんですもの」
「その節は本当にご迷惑をおかけしました…」
「ふふ、大丈夫ですよ。声をかけて頂いたのはお礼を言いたかったからですか?」
「もちろんそれもあります。それもありますけど貴方と一緒に話がしたいんです」
「私と…ですか?」
そう彼女は首を傾げながら言う
「はい、少しだけでもいい貴方とお話をしたいんです。どうかお願いします」
俺がそう言うと彼女が少し考えるような素振りを見せる
「分かりました。そこまで言うのでしたら私の病室でお話をしましょう」
「いいんですか…?ここまで言ってなんですけどこんな見ず知らずの男を自身の病室に招き入れても…」
「正直貴方が私と貴方がどんな関係かも分かりません。私は先日言った通りとある理由で記憶が無いんです。貴方との関係があるかないかも分かりません。でも、いえだからこそ貴方との繋がりをここで断ち切りたく無いんです。貴方とのこの出会いがこれからの私を変えてくれるかもしれないから」
そう彼女はどこか不安そうで寂しそうな眼差しで俺に言葉を紡ぐ
「信じて頂いてありがとうございます…でいいんですかね?」
「ふふ、いいと思いますよ?それじゃあゆっくりとお話をしましょうか」
そう言って俺達は彼女の病室へと向かう
「さて…それで私とお話したいことがあると言っていましたがそれを聞いてもいいですか?えっと水溜くん?」
「呼び方は守でもなんでも大丈夫です」
「では守くんお話というのは?」
「はい、実は…」
(いやちょっと待て、急に話しかけて病室に押しかけて貴方が初恋の人だからお話したいですなんて言ったらドン引きされるのでは…!?やっばいどうすれば?!)
「守くん?どうしましたか?」
「いや、その、えっと」
(どうする!なんて言えばいい?!適当に昔の知り合いって言って誤魔化すか?いや…でも)
俺は頭の中で思考をフル回転させる。ここ嘘をついても記憶喪失だという彼女にはバレないであろう、だが
「…昔僕もここの病院にそれなりの期間入院していたんです。そしてその時にとある女の子に恋心を抱きました。その女の子が栞さん貴方にそっくりなんです」
ここで嘘をついても彼女にはバレないだろうでもそんなことをしても何も生まれない。だったら飽きれられても笑われても引かれてもいいここで真実を伝える事が一番の選択肢だ。
「私が…初恋の人?」
俺が嘘偽りなく言葉を伝えると彼女は困惑をする。当たり前だ彼女からしたら初めて会った男から初恋の人に似ているから話がしたいだなんて言われたのだ。そんなの誰だって困惑する。
「えっとそのごめんなさい今私は記憶が無いの、だから…」
「分かっていますそれを承知の上で言いました。だからまずは貴方の事を教えてくれませんか?覚えている事だけでいい、俺は貴方のことが知りたいんです」
そう俺が言うと彼女は考える素振りをする数分の沈黙が俺達を包むその沈黙を破ったのは彼女だった
「…分かりました。私の事を話しましょう」
彼女は俺の方を向きそう言葉を発する
「いいんですか…?」
「ええ、ここまで本気の眼差しで言われたら断れないですしもし嘘をついているようにも思えません。もし万が一嘘をついていたらその時はその時です」
覚悟を決めたようなそんな彼女の目は吸い込まれそうなほど澄んで美しかった
「では改めて自己紹介から私の名前は浅見栞15歳今年で16歳になるので学生で言うと高校1年生です。」
年上だと思っていたら同い年だっのか…と俺は少し驚くがこの後の発言で俺はもっと驚く事になる。
「誕生日は11月22日で先日の手術の麻酔の後遺症で一時的な記憶障害に陥っています。そして私はいつこの世を去るか分かりません」
第2話を閲覧頂き誠にありがとうございます。
不定期更新ではありますがこれからも更新を続けていきますのでよろしくお願い致します。