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有能令嬢は、立ち向かう

 家に帰ると、両親は、家にいるようだった。外交パーティーの話をしたら、どうなるんだろう。食事の時間になった。家族で食事をとっても、会話は少ない。

「お父様」

 思い切って伝えてみる。

「わたし、今度、開催される外交パーティーのメンバーに選ばれましたの、ですから……」

 父は、厳しい目をした。

「今、我が家がどういう状況か分かっているのか?」

「はい、もちろん」

(わたしは……)

「今、お前の名前を聞けば、いい思いをしない人の方が多いんだ」

(でも……)

 母も続ける。

「今回は、欠席しなさ……」

「汚名を、返上してまいります」

 本当にそれを自分が望んでいるかはわからなかったが、続けるしかない。

「わたしが、外交パーティーで、活躍した暁には名前もいい意味で広まるはずですわ。それに、外交パーティーのメンバーは皆さん、公爵様や侯爵様、……王太子殿下もいらっしゃいましたわ」

 自分がもう何を言っているのか分からなくなりそうだった。だけど……

(自分の意見が、言えた)

「……そうか」

 また、静かに、スープをすするだけだった。

「お前がそうしたいなら、やってみなさい」

 父がそういう。

「あなた……」

 母は不安げだったが、わたしは、はっきりと答えた。


「はい」


◇◇


 今日も、ベッドに倒れ込む。

(敵は、世間でも、両親でも、フレデリク様でも、カロリーヌでもない)


「誰なんだろう……」

 でも、味方はいる。

「アリス……」

(ううん)

「アリスラン……」

 そのまま、眠りについた。

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