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私は、スローライフに必要なのは戦力と不労所得だと思います。  作者: 楠 小豆
第四章 王女様と婚約者

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第92話 進化の研究 〜5歳②

本日二話目です。

先に投稿して誤字は後に直します。申し訳ありません。

 キッカお姉ちゃんの部屋を出て、サラお姉ちゃんのもとへ向かった。


 今更だが僕は詳しくサラお姉ちゃんの身体の能力を知らないな。


 身体能力では無く、身体の能力である。


 怪我の再生能力だとか、血液の生産量などである。


 どうせだし実験に協力してもらおうかな。



 訓練場でサラお姉ちゃんを見つけることが出来た。


「サラお姉ちゃん、やっほー元気?」


「やあ、エルそれとキッカ、二人そろっているのは鉄線以来だよね、訓練に来たの?」


「いや、今日はサラに用事があってきたんだ。 今時間大丈夫かしら?」


「私に用事? 前の髪の毛の時みたいな感じかな? 時間は全然大丈夫だよ、移動する?」


「うん、サラお姉ちゃん、僕の部屋でも大丈夫?」


「いいよ、じゃあ移動しようか。」



 サラお姉ちゃんは軽く汗をかいていたが、近くに居たスライムをタオル代わりにして、すぐに移動をしてくれた。


 ちなみにスライムタオルとは、スライムの分解能力を利用した汗ふきシートである。副作用として、肌の角質を溶かしてくれるので、肌が徐々にきれいになるということで好評である。



(スラレン、血の一滴も逃さないように体を広げてくれるかな?)


 倫理的にあれだけど、サラお姉ちゃんの肉体は、高位魔物の身体みたいで、全身余すことなく貴重な素材だから、スラレンにカーペットのような形になってもらって、素材を逃さないようにしてもらった。



「あぶな、スライムか、思わず攻撃しそうになっちゃったよ。」


「この子はスラレンだよ、サラお姉ちゃんの攻撃だとしゃれにならないから気を付けてね。」


「ごめんごめん、それで、ここで何をするの?」



 三人してリラックスしたところで、本題へと入った。


「私から説明するわね。 趣旨としては人間は進化できるのかという実験ね。 まず一つとして、サラのことを、人間の上位種じゃないかと疑っているところもあるのだけど、本題としては。サラの血とドラゴンのメイの血を調薬して、エルの進化に役立つ薬を作れないか考えているのよ。 要するに、サラの身体の能力の研究と、血液が欲しいというわけね。」



 は?

 サラお姉ちゃんが上位種?


 いや、でもな、聞いてなくていきなりそんなことを言われたから驚いたけど、言われてみればそうだな。

 圧倒的な身体能力は上位種ともいえるし、初代が上位種なら、話に聞く実力も納得できるな。



「うーんと、この前の髪の毛が血になった感じかな? エルが強くなるためなら全然血くらいあげてもいいよ。」


「ありがと。」



「それはいいのだけど、サラまずはじめに、体内の身体強化を見せてくれないかしら?」


「毒を消すときのやつ? ほい。」



 キッカお姉ちゃんは何かの道具を使って、僕はさんこいちの協力を得つつ、サラお姉ちゃんの身体強化を観察した。


 

 すぐに分かったこととして、血圧はとても高くなっているようだ。

 なのにもかかわらず、サラお姉ちゃんの鼻からは血が垂れない。

 かなりの高血圧なので、これほどの高血圧ならば鼻血がたれるのが普通だと思うが、この大量に生成された血液はどこへ消えているのだろうか?



「キッカお姉ちゃん、サラお姉ちゃんの体に、僕らには存在しない臓器が存在するっぽくない?」


「エルもそう思うかしら? 私も同意見なのよね。」


「サラお姉ちゃん、今気持ち悪くない?」


「いや、全然そんなこと無いよ。」



 やはり進化には魔石に当たる部分が必要なのだろうか?


 魔物で言えば、魔石が魔力を貯蓄する。

 

 サラお姉ちゃんの体内に存在するモノを仮に、『血石』と呼称する。


 人間種には、血石もしくは、血石の種が存在する。



 この過程をキッカお姉ちゃんに話してみると、一定の納得を得ることが出来た。



「ねえサラ、今体内の身体強化をして、何か温まったり、意識が集中するような部分はあった?」



 サラお姉ちゃんは少し考え、再び軽く身体強化をした後に、答えてくれた。


「うーんと、心臓の近くに何かあるような気がする。 私胸の近くの肋骨に異常に堅いところがあるの、ちょっと恥ずかしいのだけど。 その裏っ側にある気がするわ。」



 なるほど、肋骨の異常に堅い部分か。


 サラお姉ちゃんの骨密度がただでさえ堅いことが分かっているのに、それ以上堅いなんて、どれほどの堅さなのだろうか。



 今僕自身の肋骨を触ってみたが、サラお姉ちゃんの言っていたような、異常に堅い部分は存在しなかった。


 キッカお姉ちゃんも自分の胸の辺りをなぞっていたので聞いてみたが、キッカお姉ちゃんも僕と同様に、異常に堅い部分は存在しないようだった。



「二人にはこんな部分が無かったんだ。 うーん私って異常なのかな?」


「僕も魔力量で異常なのか悩んだことがあったけど、周りのみんなを見てたら、そのくらい気にしなくていいやって気持ちになったよ。」


「そうそう、エルの言うとおりだよ。 異常なんかじゃ無いから気にしなくてもいいんだ。」



 キッカお姉ちゃんの強い言葉なんて初めて聞いたかも。

 確かに双子として過ごしてきただけに、異常なんて言葉に対して拒否感が強いのだろう。


 僕も重力魔法で、家族におびえられるのは嫌だったからな。



「ありがとう。 エルの言うとおりだね。 異常扱いしているわけじゃ無いけど、エルの体の中には、スライムが居るのだもんね。」


 ポーズとしてだが、少しすねて見せた。



「ごめんごめん、起こらないでよ。」


「ぷーん、じゃあ代わりに、痛い実験させて。」


「うーん、しょうが無いな、ちょっとくらいならいいよ。」



 お互いにそれほど嫌がっていないと分かっていたけど、どうしても行いたかった実験の許可を得ることが出来た。

 かなり非道で、血液採集と実験の一石二鳥な実験である。



「とりあえず、先に謝っとくね。」


「え、そんなにひどい実験なの?」


「うーんと、血をたくさん流しながら20秒位した後に体内の身体強化をして欲しいかな?」


「ああ、そのくらいなら大丈夫だよ。、お父様達とお母様の本気の訓練でいつも血まみれになるから、なんとなく痛みの消し方が分かってきたんだよね。」



 二つくらい突っ込ませて欲しい。

 僕も将来の訓練では血まみれになるのかな?


 やっぱりツッコミは一つにしておこう。

 痛覚無効なら、スラルンを体に入れたときに僕も出来るようになってたわ。



「そうなんだね。 キッカお姉ちゃんも観察する?」


「ええもちろんよ。 ただ、エルが最初にスラレンを広げたところをみて、最初からこの実験をするつもりだったことを確信しただけよ。」



 はじめからスラレンを広げていたことがあだになったか。

 キッカお姉ちゃんの少し、たしなめるような言葉に、ちょっとだけ気まずい気分になった。


「いやー、僕も悪いとは思ったんだよ、でもね、ちょっと好奇心が抑えられなくて、キッカお姉ちゃんもこの気持ち分かるよね。」


「ええ、まあ、ええ。」



 僕の言い訳に対して、キッカお姉ちゃんも気まずそうにした。


 互いにこれは研究職の性なのだろうか。



「二人して気まずそうにしているけど、私としては気にしなくても大丈夫だから。 実験の準備は大丈夫? 私には分からないから、準備が出来たら教えて欲しいかな。」



「「はい、すぐに準備します。」」


 僕とキッカお姉ちゃんは、二人して、サラお姉ちゃんの大人な発言に気まずい気分となった。


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