第84話 訓練、試し斬りとも言う。 1
土曜日、本日、三話目です。
・朝になりました。
別に腎瘻の遠吠えは聞こえてきませんが、むしろ腎瘻が襲ってきたら、鬼気として応戦しそうだな。
まあくだらないボケはおいといて、昨日は昼寝もしたから、あまり寝付きは良くなかったな。
まあでも、さすがは子供の体と言ったところか。
先ほどの言葉を反対するようだが、いくらでも眠れるようであった。
やっぱり寝る子は育つからね。
いつも通り、朝も早めに起きたことだし、もう起き上がるか。
キッカお姉ちゃんに新しい寝具を依頼しているけど、新しい気持ちの良い寝具が出来たら、ずっと布団が話せなくなりそうだな。
まあ今の布団も、かなり高級の布団だと思うノだけれどね。
今、幼児は難度でも寝れるなとか考えていたけど、前世でも幼稚園でお昼寝の時間とかあったな。
僕ほど長い眠りでは無かったけど。
このことを考えていたら、ラジオ体操を思い出したわ。
どうせ毎朝バネッサが来るまで時間に余裕もあることだし、ラジオ体操でもしていようかな。
疑問なのだけど、これって効果あるのかな?
友好的な時間のつかいかたって何何だろ?
ラジオ体操かエアロビクスか瞑想かそれともほかに何かあるのだろうか?
とりあえず僕のイメージとしては、ラジオ体操は、体を温める、エアロビクスは体をほぐす、そして瞑想は頭をリラックス・整理する。
大体こんなイメージを持っている。
とりあえず、目覚めのために、ラジオ体操をするか。
1,2,3,4 2,2,3,4
ラジオ体操をしながら気づいたのだけど、ラジオ体操のそこそこ勢いのある動きに合わせて、魔力を動かしていると、いい感じの練習になるな。
その上頭も目覚める品。
コンコンコン
「失礼します。 あ、やっぱりエル様、すでに起き照らしたのですね。 おはようございます。」
「おはよバネッサ。 もうみんな起きたの?」
「いえ、いつも通り、エル様が一番起きるのが早いですよ。」
やはりいつも通りらしい。
まあどうでもいいけど。
それから数分経ち、リビングに皆そろって、朝食が始まった。
「エルは今日、鉄線の試運転をするのだよね、私も言っていい? そういえば私、エルと戦闘訓練をしたことが無いなと思ってね。」
サラお姉ちゃんが、今日の鉄線の試運転に参加したいと言い出した。
確かにサラお姉ちゃんと戦闘訓練はしたことが無かったかもな。
てか怖いんだよ。 サラお姉ちゃんは手加減という言葉を知っているのかな?
「うん、分かった。」
「私も時間が空いているから、見に行きましょうか。」
「じゃあ私も行くよ。」
別にいろいろな場面で長男のアルフレッド兄さんをハブっている訳じゃ無いけど、アルフレッド兄さんだけ来れないことって意外と多いな。
いや、それほどか?
一応アルフレッド兄さんも魔法組だし、そこそこ一緒に行動することもあるか。
まあということで、アルフレッド兄さん以外の皆が来ることとなった。
ちなみに、おじいちゃんとおばあちゃんは、気分と用事次第で変わるのでよく分からない。
ごちそうさま、と心の中で唱えた。
朝食を終え、少し休憩時間を挟んだ後、訓練場に皆集まった。
訓練場へ皆が集まったところで、鉄線を取り出した。
改めて鉄線を眺めてみると、とても長いなと感じる。
1本1本は細いけれど、長さとしては200メートルくらいあるのでは無いだろうか。
これだけの長さがあると、持ち運ぶのも大変だ。
僕とのつながりみたいなモノが切れてしまうから、下手にアイテム袋とかで持ち運ぶことも出来ないし。
そもそもアイテム袋なんて、簡単に手に入らないし。
それを踏まえた上で、ノアルアとウールの協力の下、鉄線を訓練場へ運び込んだ。
そして思った。
「あのさ、鉄線ってどうやって扱えばいいの?」
そう、今更ながら、鉄線とか、意図とかの使い方なんて、現代日本人が知るわけないんだよな。
「ああ確かに、エルってまだ4歳だったよね。 それなら、剣とか槍以外の武器の使い方なんて、知らなくてもしょうが無いか。」
僕の年齢を忘れていたというような言葉を、父さんがかけてきた。
そうです、スラリンと魔力のおかげで早熟とはいえ、4歳児なのですよ。
「そうだね、僕もあまり詳しくは無いのだけど、一応鉄線について話すね。 鎖でも意図でも鉄線でも同じだけれど、大きく分けると3つの攻撃方法があるんだ。 1つ目は縛る方法。 2つ目は切る方法。 最後に3つ目は魔法の杖的な役割の方法。 この3つなんだ。」
縛る
切る
杖
うんなんとなく創造はできるかな。
昨日までは、相当な勢いでもなければ、切るなんて無理だと思っていたけど、ハンモックを取ろうとしたときに、簡単に手の指や木の枝や幹が切れそうになっていたのをみて、考えを改めた。
まあそれほどの切れ味があるなら、縛るなんて本当に出来るのか? って話だけどな。
「うん、なんとなく創造はできたと思う。 それと、3つ目の杖的な役割だけど、僕にはまだ仕えこなせそうにないかな。 まだ、属性の魔力を流すみたいなことは出来ないんだ。」
僕のこの言葉に対して父さんは、怪訝な顔をした後、話し始めた。
「属性の魔力を流すみたいな高度なことをしなくても、普通に魔法を使えば、威力が上がると思うよ。 ほかにも、懺悔機が聞きにくい、ゴーレムみたいな相手でも、鉄線で縛って、縛ったまま、重力で圧死させるとかも出来そうだよね。」
そうか、僕のまだ制御の浅い、重力魔法の指定の手伝いとしても使えるのか。
例えるなら、大勢の客に対して、この辺に並べというのか、ロープを引いて、これに従って並べと言うかの違いみたいな感じか。
「なんとなく分かったよ。 その範囲の指定みたいな発想はなかったな。 自分でも色々工夫してみるね。 じゃあその前に一回使ってみるね。」
実技をせず、ずっと座学ばかりで、サラお姉ちゃんが飽き始めているようだ。
一刻も早く始めないとな。
とのことで、スラリンとスラルンの協力の下、鉄線を握り、魔力を流した。
目の前にある、土魔法で生み出した、大岩に対して、僕は大きく右手を振った。
この振りに遭わせ、右手側に持っていた鉄線が一気に動き、手応えを感じず、くるりと回って転んだ。
魔力を流しすぎたのにも原因があるのかもしれない。
大岩は、砂塵として舞う結果となった。
そして、訓練場は、結界を軽く破り、爪痕のような爪痕を残した。
大惨事である。
後で聞いた話だが、僕が転ばなかったら、父さん達が迎撃をしなければいけなくなっていたそうだ。
パチパチパチパチ
「素晴らしい。 すばらしい素晴らしい。」
キッカお姉ちゃんが満面の笑みを浮かべながら、拍手をした。
別に気が狂った訳では無く、自分の作品に感動しているのだろう。
昔、研究仲間に同じようなタイプがいたな。
それはともかく、一旦仕切り直しとなった。
とりあえず15分程度の休憩時間である。
ハブられている、便利屋なアルフレッド兄さんに結界を張り直してもらわないとな。




