第83話 ハンモックならぬ網ベット。
土曜日本日二話目です。
・ふわーああ
おはようございます。
知らない天井だ、とでも言おうとしたら、天井すらありませんでした。
強いて言えば、空が世界の天井ともいえるのかな?
何くさいこと一転だろ? それどころか、世界には宇宙があるかもしれないし、まだ僕にはそんなスケールの話は分からないことだな。
先日難度も難度も眺めた夕日が見えるし、そろそろ皆を起こして、屋敷へ帰ろうかな。
バネッサも探しに来たら大変だしね。
まあウチのメイドなら戦えてもおかしく無いけど。
(みんなそろそろ起きて、屋敷へ帰るよ。)
ん? メイはともかく、ほかの皆はどこへ帰るのだろう?
まあどうでもいいか。
「ピエエー!!」
「グルグアー!」
ポヨン フルン
うるさ、目覚めの遠吠えとかマジでいらないから。
ああそうか、ノアルアに関しては、最近屋敷の外で寝ていたから、雑魚を追い払うのに必要だったのかな?
まあいいや、ただ、今度耳栓を作ってもらおうと決意した。
従魔の皆が起き、鉄線の結びもほどいた。
ちょっとほどくのに苦労したな。 切ることも出来ないし、木を無残に破壊するのも嫌だし、下手なさわり方をしたら、指が切れるし、まあ原因としては、強くしっかり結びすぎたのが原因なのだけれどね。
それが原因なのだけど、これだけの重さで、落ちなかったのは、しっかり結んだおかげかもしれないから、下手に緩められないんだよな。
まあそれは今後の課題として、日が暮れる前に屋敷へと戻らないとな。
「主様、私はここで失礼します。」
帰りの一歩を踏み出したところで、メイから声がかかった。
どうやら、魔物の巣へと帰るようだ。
「了解、じゃーね。」
「はい、起きたばかりで言うのもアレですが、おやすみなさい。」
確かにそうだな。 夜近くのさよならの言葉といえば、おやすみなさいが普通だけど、昼寝後にこの言葉を言うのもね、まあいいか。
「ん、おやす。」
ということで我らブレーメンにはちょっと足りない音楽隊は、それなりの騒音を鳴らしながら、帰って行った。
騒音と言っても、夕方4時30分とか5時に流れる音楽を、皆で歌っているだけなのだけどね。
「ただいま。」
「エル様お帰りなさいませ。」
待ち構えていたかのように、バネッサが訓練場で迎え入れてくれた。
今更だけど、玄関を、ノアルアの抜け毛だらけにするのもアレだからな。
いやでも、上位魔物の毛なんて高級品だから拍付になるのか? まあウチは権威とかあんまり気にしない家だから、住みやすいようにしていればいいか。
「もう半刻ほどで夕食となります。 アンネリー家の者だけでの食事ですが、一応着替えをしていただけますか。」
相違や寝間着のようなゆるゆるの服装だったな。
もし誰かに見られても、鉄線で隠せばいいしな。
それから簡単に着替え、夕食の時間となり、いつものリビングに皆がそろった。
そして、心の中で
「いただきます」
を唱え、夕食が始まった。
「今日ね、鉄線を試しについ買ったけれど、あの数を操作することが出来たよ。」
僕がこうつぶやくと、すかさずキッカお姉ちゃんがこの話題に食いつき、
「なるほどなるほど、それで使い心地はどうだったの、それと改善して欲しいところはある?」
といった感じで、勢いがすごかった。
「キッカお姉ちゃん、落ち着いて落ち着いて、別に戦闘をしたわけじゃ無いから、まだ分からないよ。 今回使ったのは、昼寝用の網ベット用だからね。」
網ベットとは無論、ハンモックのことである。
ハンモックってそもそも存在するのかな?
ファンタジーの世界とはいえ、科学の発達が遅めだとはいえ、便利道具の一つや二つ出来ていると思うからな。
いやでも、外で昼寝をする様な人は居ないか。
「網ベット? 何それ?」
網ベット、この言葉には、キッカお姉ちゃんだけじゃ無く、ほかの家族も皆興味があるようだ。
「えっと、網ベットって言うのは、蜘蛛の巣を横向きに張ったみたいなベットのことかな。 鉄線を、木と木の間に張って、その上に横になって寝ていたんだ。」
「なるほどね、今回は鉄線でやったみたいだけど、キッカ、ほかの素材でも出来そうかしら?」
「ええそうね、おそらく、毛糸などでも可能だとは思うわ。 でも売れないと思うわよ。」
「そうかい? 僕としては、強めの虫除けをセットでうれ売れば、売れると思うよ。 例えば、魔の森へ行く、泊まりがけの冒険者とかにね。 別にお金に困っているわけじゃ無いけど。」
急に、キッカお姉ちゃんと、父さんの間で、商談の様なモノが始まってびっくりした。
ハンモックが売れるかどうか課。
僕なら買うと思うけど、それにしても値段次第かな。
まあ今は、人の金、そして、税金で生活をしているのだけどね。
「一応、エルに聞きつつ、この網ベットを作ってくれる? 僕としても休憩の道具として欲しいからね。」
「分かりました。 一応、今回だけは、赤字の作品を作りますわね。 お父様用ですもの。」
キッカお姉ちゃんは、鉄線という大物を作成したばかりなのにもかかわらず、まだモノ作りの欲求が収まって居ない様だ。
どうせ作るなら、採算とか考えずに作りたいらしい。
「じゃあエル、また手伝ってね。 よろしく。」
ということで、再びモノ作りの手伝いをすることが、強制的に決まった。
まあ別に用事とかも無いから、問題は無いのだけれどね。
それよりも伝えなければいけないことがあったんだ。
「話は逸れちゃったんだけど、鉄線についてさ。 明日、使い方の訓練をするね。 今のところは、何でも切れてしまいそうということしか問題は無いよ。 触るときには魔力を使って動かすから問題は無いけど、何かを捕まえるのは難しそうだよね。 殺しちゃいそう。」
「そうね、性能が良すぎるというのも考え物ね。 でもまあ武器が成長すれば解決すると思うわよ。 まあ困ったら、殴ればいいのでは無いかしら。」
今二度見をして士まった。 本当にキッカお姉ちゃんの言葉なのかどうか。
一瞬失礼ながら、サラお姉ちゃんかと思っちゃったよ。
まあともかく、明日、キッカお姉ちゃんも含めて、試し切りとかをして、性能調査をすることとなった。
予定道りだ。
なんで戦闘パートは短いのにこういう部分だけ長くなるのだろう?




