第81話 お披露目、鉄線。
次回、あらすじ書きます。
・これは朝日だろうか、それとも夕日だろうか。
多分夕日が見える頃に、液体に魔力を流して気絶をしたから、これは朝日だと思う。
うん、ノアルアに聞いて見たけど、やっぱり朝日だったよ。
それはともかく、現実に三日三番鍛えた武器はどうなったのかな?
いや、それよりも、キッカお姉ちゃんの体調を心配するべきか。
栄養不足か、睡眠不足か、それとも魔力切れが理由なのか、キッカお姉ちゃんの頬はげっそりしているからな。
とりあえず、魔力パスを通じて感じるには、特に魔力的に問題は無さそうだし、睡眠と食事だけ気をつけてもらえばいいのかな。
おや。
「おはよエル。 何か食べられるものあるかな?」
げっそり派しているけれども、食欲はあるようだ。
「おはよキッカお姉ちゃん。 干し肉をほぐしたモノならあるよ、それとも何か作ってもらう?」
「そうね、とりあえず、水をもらえるかしら? たくさん汗をかいたからね。」
確かに、長い間、高熱の前に居たならば、いくら水分補給をしていても、脱水になるのが普通か。
炉の温度も下がり、多少空気は悪いが、それほど体調が悪くなるような空間では無いと思う。
一応魔法で出したモノでも良いのか確認を取った後、水魔法で水を生み出した。
そのときに感じたのだが、少々普段よりも多く、水を生み出すのに魔力を使ってしまった。
僕が以前に提唱した、原始とか素粒子とかをなんやかんやして、魔法を発動する、この説が正しいのでは無いだろうか。
そう考えると、砂漠で雨を発生させる、おじいちゃんの魔法って相当おかしいんだな。
数分が経ち、キッカお姉ちゃんの休憩ももういいかなって頃、、ついにキッカお姉ちゃんが武器の話題に触れ始めた。
「よし、この武器は良い感じかな。」
液体につけられた武器を見ながら、キッカお姉ちゃんはつぶやいた。
「そうなんだ、一応キッカお姉ちゃんの許可があるまで触らないようにしていたけれど、もう触れてもいいの?」
「そうね、触れてもいいけれど、魔力を流した人以外には触らせないで居てくれるかしら。 例えば、バネッサとかね。」
「
「一応分かったけど何か特別な理由があるの?」
「そうね・・・この後説明するつもりなのだけれど、金属をエルの魔力に適応させたいと思っているの。 適応って言っても難しいかもしれないわね。 うーん、説明が難しいわね。 使い続けて、エル専属の金属にする、みたいなモノかしら。 そう、それで、この適応をするために、最初武器が魔力を覚えるまでは、純粋な魔力で居て欲しいの。 うーん、やっぱり説明が難しいね。」
うーん、なんと鳴くは分かったかな。
例えは変かもしれないけど、スーツとか、革靴とかが、自分独自の型を覚える、みたいなモノかな。
まあでもこういうモノは、職人に任せるのが正解なのかな。
「わかった。 内容自体はあまり理解していないけど、アンネリー家の人と、従魔以外は触れちゃ駄目ってことね。」
「うーん、そうね。 時々エルの年齢を忘れて話してしまうわね。 まあ詳しいことは後で話すけれど、大体その解釈、えっと、理解でいいわよ。」
キッカお姉ちゃんは、最後の方にだけ、
「これでいいのかな」 「これで伝わるのかな」
そのようなモノを感じさせる表情で答えてきた。
「うん、理解ね、伝わったよ。」
ということで、武器を液体につけたまま、キッカお姉ちゃんは、アイテム袋に入れた。
その後、キッカお姉ちゃんは、魔力パスを通じて、
(中庭に、全員集合してくれるかしら。 エルの武器のお披露目をするわ。)
と伝えた。
それなりの軽食を含む、休憩時間2時間程度経過した後、全員が中庭へと集まった。
おじいちゃんおばあちゃん、それに従魔達も集まった。
「みんな久しぶりと言うのが正解なのかしらね。 皆そろって採掘を行い、全員そろって作り上げた武器ともいえるでしょう。」
前置きはすぐに終り、キッカお姉ちゃんは、先ほどアイテム袋にしまったモノを、取り出した。
未だ、ッ鉄線は液体につかっているが、薄緑色の液体の中でも、真っ黒な鉄線の様子がよく見える。
「へー、この短時間で、かなり魔力が馴染んでいるのだね。」
「そうね、私からもそう見えるわ。」
父さんと母さんの言葉を皮切りに、皆の感想が始まった。
「なんか簡単には、引きちぎれなさそうだね。」
「うーん、使い手の技量によっては、結界が破られるかな。」
「そうだね、でもなんかエルみたいで、まだまだ成長しそうな気もするよ。」
はじめから順に、サラお姉ちゃん、アルフレッド兄さん、ミリお姉ちゃんの言葉である。
まあなんとなくサッセルコトが出来るかもしれないが。
「弟子のひいき目じゃ無いけど、ミリが一番よく見えているのかもしれないね。 職人さん、素材の説明をくれる回?」
おばあちゃんの言葉に、キッカお姉ちゃんは、待ってましたとばかりに、胸を張って、生き生きと説明を開始した。
「そうね、では説明を始めるわ。 多くの素材を使っているけれど、最も性質として重要なのは4つ。 進化石、成長石、同化石、そして竜素材ね。 まずは進化石と成長石について、これがあることによって、使い続けたり、魔力を注ぐことによって、成長・進化する様になるの。 進化石に関しては、ダンジョンで父さんが拾ってきたものだから、ただ成長石の上位互換ということしか分からないのだけれど。 ソレハオイテオイテ、次に同化石に関して、これは、石の特性としては、辺りの乱れた魔力を修正する性質があるわ。 この性質を錬金術でいじって、特定の魔力の場合のみ、魔力が成長石の成分に蓄えられるようになったわ。 まあつまり、エル専用だけれど、育てる協力だけならエル以外でも出来るというわけね。 最後に、竜の素材に関して、この素材を入れたことによって、成長が早まるようになったわ。 小竜改め、メイと戦闘になったとき、竜の鱗に魔法をはじかれるような感覚があったじゃ無い。 その特性を強化して、内からも外からも魔力的に強くなったのよ。 そして、おばあちゃんが人工ダンジョンから取ってきた、インゴットをはじめとした、オリハルコン、ミスリルなどの希少金属を使っているから、魔法的にも、物理的にも、丈夫になったわ。 ここからどう変化を遂げるのかに関しては、職人の領分じゃ無く、武器を使うモノの領分だね。 長くなってしまったけれど、以上かな。」
長々とした説明だったけれど、キッカお姉ちゃんの、うずうず具合とか、目のキラキラを見る限り、これでも十分短く話したのだろう。
とりあえず覚えていればいいことは、
丈夫
成長する。
これらだろう。
「職人さん説明をありがとう。 エルにも武器が出来て良かったよ。 ほかの装備に関して、何か展望はあるのかい?」
父さんのこの言葉に、キッカお姉ちゃんは、まだ話したり無いとばかりに、勢いよく話し始めた。
「今回は、必要以上に多く、鉄線を作ったの、その理由として、将来、武器防具を作るときの素材に使用と思っているの。 例えば、成長した鉄線を、再び細くして、普段使い出来る、戦闘用も兼ねた服に仕立てるとか、剣や槍の柄にするだとかかな。」
「うん、すごくいいと思うわよ。 時間があれば、私も強化に協力するわね。」
キッカお姉ちゃんの説明に、真っ先に飛び込んだのが、母さんだった。
特に食いついていたのが、鉄線を意図にして、服にするという所だ。
なんか嫌な予感がするな。
例えば、紳士服のようなきちんとした服で戦闘とかかな。
うん、フラグっていうか、現実になりそうだし、それほど不便でもないから諦めよう。 将来の僕。
それはともかく、この作っていた武器は相当すごい武器だったんだな。
例えるなら、耐久度無限の初期武器に、成長能力とかなりの攻撃力を追加したみたいな感じ。
また、それを素材に、再び鍛え直せられるなど。
正直ニヤニヤが止まらないも。
ニヤニヤしすぎて、気持ち悪い表情になっていないかが心配だわ。
そして、その武器に作り直す話だけれど、将来的には薙刀を使いたいと考えているから、鉄線の使い道は多そうだな。
ということで、僕の一生付き合っていく武器が完成した。
今回が山場的な部分になるのかな、皆様、評価ありがとうございます。




