第75話 採掘
本日一話目です。
本日は複数投稿します。
・抗窟の底へ降りると底は大体小中学校の教室くらいの大きさの場所であった。
「じゃあ私がやるから二人は見ていてね。」
どうやらはじめはキッカお姉ちゃんに任せればいいようだ。
ここから掘りやすいように調節をしてくれるらしい。
キッカお姉ちゃんの作業を見ていると、徐々に徐々に変化しているようだった。
まずは地面がツルツルからザラザラになった。
次に壁に変化が起こった。
キッカお姉ちゃんは少し方角を測った後、先日塞いだ大穴の方向に向けてちょっとした穴が開けていった。
「ふー、大体こんな感じかな。 多分ここから掘っていけると思うよ、最初はクズ石ばかりだとは思うけれどね。」
??? ああそういうわけか、なんでくず石ばかりなのか疑問に思ったけど、簡単に二つも理由が思いついたわ。
大穴だった場所を中心にすごい金属、魔力溜まりがある、その上堅い鉱物を簡単に土魔法で掘れるわけ無いもんな。
キッカお姉ちゃんの準備も終わったみたいだし、いよいよ採掘を始めるか。
「キッカお姉ちゃん、もう掘っていいの?」
「ええ、いいわよ、私が調節した場所は脆くなっていると思うから、エルの力でも掘れると思うわよ。」
「わかった、じゃあ試してみるね。」
ということで、ピッケルを持ち、掘り始めた。
どうでもいいのだけれど、ピッケルとつるはしの違いって何なのだろうな。
どうでもいいけど。
カンガンカンカンカンガン
想像以上に手がしびれて痛いな。
こういうときは、手袋とかした方がいいのかな。
それにしても、石がぽろぽろ落ちるな。
キッカお姉ちゃんのおかげで掘りやすくなっている力がすごいのかな。
「キッカお姉ちゃん、手が痛いんだけど手袋とかした方がいいのかな?」
「そうね、今は余裕もある時間だし、手袋とかはしなくてもいいと思うよ、あくまで趣味の採掘だからね。 もう少し大きくなったら、戦闘用の手袋を作ってあげるよ。」
へー、そうなんだ。
マメを何回も破って手のひらの皮を分厚くするみたいなものかな。
なんかこんなことを子供相手にしてたら、僕以外なら手が痛いから、素振りとかをしなくなって、剣術をはじめとした武術が嫌いになりそうな気もするのだけれどな。
まあいいか。
「うん、そのときは、魔力が通り易い手袋にして欲しいな、鉄線術にも活用出来そうだからね。」
「ああ、確かにそれが目的で採掘をしていたのだったね。 すっかり忘れていたよ。」
まあ、手袋の話もあったけれど、この会話中も採掘は続けていた。
カンカンガンカンカンカンガンガン
あ、やべ、足の踏み場がないや。
「ねえねえ、スラリン、この掘り終えた石を整理してくれない。」
「スラリン、出来ればこっちもお願い」
ガンガガガガガンガガ
知識量だけならとても多いスラリンならこの石の整理くらい出来るだろうと思って、整理を依頼した。
ついでにキッカお姉ちゃんも、アイテムボックスを持っているとはいえ、整理を忘れていたようで、同じように、スラリンに頼んできた。
サラお姉ちゃんは採掘に集中しすぎて、聞こえていないようだ。
ていうか、キッカお姉ちゃんを信用しているとはいえ、スラリンという名のヘルメットがなくなっちゃったな。
なんて言うか、落ち着かない感じ、例えるなら、野球で、ヘルメットを被らずに打席に入ったりとか、他人の体操服を借りて体育に参加したりするみたいな感じかな。
なんかこの例え、すごいわかりにくい気がするわ。
「キッカお姉ちゃん、採掘をしていて、頭に石とか落ちてこないかな?」
「ん、石。 ああ、なるほど、だからエルは頭にスラリンを乗せていたのか。 全然大丈夫だよ。 というか、それ以前に、エルは体内にスラルンが居るのではなかったかしら?」
僕はすごく間抜けな表情をしていたと思う。
ないがしろにしている気は無いが、馴染みすぎて、スラルンの物理無効を忘れていた、脳震盪とかが怖いなら、頭にスラルンを集めておけばいいだけだしな。
僕よりもキッカお姉ちゃんの方がスラルンのことを覚えていたことが悔しいな。
いや違うか、申し訳ないな。
(スラルンごめん、反省をしていないみたいだけど、スラルンの物理無効の存在を忘れてしまっていたよ。 反省しない人間だから、また忘れるかもしれないけど謝っておくね。 ごめん。)
(うーん、あんまり気にしなくてもいいよ。 普段から話し相手になってくれているし、僕のことを忘れている訳じゃ無さそうだからね。 そんな物理への耐性なんて、危険な目にでも遭わない限り意識することなんて少ないのが普通だよ。)
何度目の謝罪だろうか。 ほんと反省しないな。
てことでヘルメット問題は解決したな。
それなら仕分けはスラルンに任せて、採掘を続けようか。
カンカンカンカンガンカンカン
なんとなく分かってきて、無駄な石をたたくことが少なくなってきたな。
なんて言うんだろうな、ガムを噛むみたいな同じ作業を続けるみたいな気持ちよさがあるな。
なんか、ストレス解消とか趣味とかになりそう。
ちょっとどうでもいいんだけど、今度庭に鹿威し作ろうかな。
規則正しいカンカンって音を聞いてたらなんか作りたくなったんだよね。
「ライト」
ふー、徐々に徐々に穴が深くなってきたな、最初に降りたところに設置をした魔道具の光が見えなくなってきたな。
少しだけど、ライトの魔法に反射したキラキラした光が見えるな。
砂鉄みたいな金属だと嬉しいな、見た目的には、銀貨と同じような反射だけどな。
そういえば話していたっけ?
武器としては薙刀を使いたいんだよね。
別に戦争をしたいわけじゃないけど、軍を薙ぎ払う、1対多数の戦い向きの薙ぐ武器としてね。
そもそも、魔法使いでも無く、槍士でも薙刀士でもないつもりだからな。
僕としては、テイマーのつもりなんだよね。
テイマー、いわゆる調教師かな。 従魔使いの方がわかりやすいかも。
別に痛めつけて調教しようみたいな気は無いのだけれどさ。
そもそも魔法を使うにしても武器を使うにしても、わざわざ動くのがめんどくさいからな。
そろそろ掘り始めてどのくらいの時間が経ったのだろうか。
「キッカお姉ちゃん、それなりに掘れてきたけど、どのくらいの間掘ってきたのかな? 時間の話ね。」
「うーん、どのくらいだろうね。 ちょっと魔って、えーっと、3時間半くらいかしら。 そろそろ終わりにしましょうか。 そうそう、どうせなら、余分な魔力を全部放出してから行きましょうか。 何回も続けていれば、徐々に徐々に良い金属へ変化するかもしれないしね。」
キッカお姉ちゃんはどこかからか四角い箱を取り出し、それを覗いて 時間を確認していた。
おそらく時計のようなモノなのだろう。
それを元にすると、もう3時間以上経過しているらしい。
本当に無心で掘っていたんだな。 よく自分を感じてみると、若干疲れを感じる。
子供の体力だし明日になれば、きっと回復するだろう。
それと、余分な魔力を放出か。
なるほどな。、確かにある程度の密閉空間に魔力を放出していれば、長い時間をかけて、行き場を失った魔力が鉱石に吸収され、進化するか。
うん、確かに魔力を放出するのは合理的だな。
上に上がるための重力魔法の魔力を残して放出するか。やり方としては雑な魔力が漏れまくる身体強化をして魔力を漏らす。
他の人は出来るのかもしれないのだけど、僕はこれ以外の魔力放出のやり方を知らないのだよね。
まあいいか、じゃあ放出をしていこう。
サボってごめんなさい。




