第72話 数学のレベルがあれならガバガバ資本主義でも何とかなりそう。
火曜日本日二話目です。
・先日は、特許申請を行い説明を聞かなかったことで、それなりに怒られた。
メタートル様が関わっていること、お金が関わってくること、これが怒りの原因らしい。
人ごとみたいな言い方をして、まるで反省していないようにも聞こえるが、きちんと反省はしている。
おかねに関して、基本的に10歳までは、アンネリー家が商人などへの交渉は行ってくれるそうだ。
その代わり、特許料の10%程度は引かれるらしい。
そして僕自身のおかねの使い方に対して、基本的に、アンネリー家の誰かに伝えさえすれば、上限梨に引き出しても良いらしい。
まあある程度使い方は決めているのだけどね。
正直言って、しおりの作り方なんて売っても、アンネリー家という名前が無ければ、めちゃくちゃに売れるような商品では無いと思う。
この世界の人件費が安めだとはいえ、普通の人材を雇っていたら、すぐにおかねが無くなるだろうと、そう予想している。
だから僕は今日から、アイデアを生み出すだけの労働者では無く、アイデアに投資する、資本家になろうと思う。
書籍や音楽の経費の話を聞いたことがあるだろうか?
まあ簡単に言えば、作者とか、歌手に払われる金額は想像以上に少ないという話だ。
まあなんでそんなことが起きるかといえば、、作品を作るのにこれは売れると投資をした人に、たくさんお金が払われるからだ。
例えば売れるかどうか分からなくても、販売する以上、そのための経費がかかる。
書籍で言えば、印刷代や人件費、気づきにくいが書店とのコネなどがある。
ほかにも歌のアルバムで言えば、録音の為の施設使用料であったり、刷るお金であったりがある。
この人たちは確かに儲けている。
ただこの人たちは、売れた作品でも、売れなかった作品でも、同じような額のお金を払っているんだ。
つまり、売れたら儲かり、売れなかったら赤字となるたんにこういうわけだ。
ただこのような状況の中で、なぜ資本家では鳴く労働者の方が多いのか。
いくつか理由はあるが、ぱっと思いつく大きな理由は3つだろう。
1,そもそも資本金が無い。
2,このシステムを知らない。
3,ローリスクローリターンで堅実に稼ぎたい。
まあ大体これらでは無いかな。
異論は認めるけど。
まあつまり何を言いたいのかといえば、このしおりのお金を元手に資本家になろうとのことだ。
次は過程について整理していきたい。
必要なのは大きく分けて3つ。
1,易い人材。
2,売り物のアイデア。
3,売り先。
そして、条件はそろっていると思う。
1,易い人材。
孤児院の子供、もしくは、孤児院を旅立つ直前の子供。
報酬は純粋にお金。 おそらくアンネリー家の名前を保証にすれば、簡単に雇うことができるだろう。
2,売り物のアイデア
これに関しても、いくつかのアイデアはある。
最初は2つだけにしておきたいい。
アイデアとは、植物紙と縄跳びである。
なぜこれを推したか、まあ売れると思ったからだよね。
3,売り先
これについても簡単だと思う、ただし、ものが完成すればという但し書きは付くが。
まず、植物紙について、何もせずに商人が飛びつくだろう。
次に縄跳びについて、ここで、広告を利用したいと思う。
そもそもの話、孤児院が最も多いのはどの地区か、考えれば分かるだろう、親世代が最も多く死ぬ、魔の森の地区だろう。
ここで広告塔として登場するのが、我が父、アルベルトである。
簡単に言えば、アンネリー家の強さの一旦とでもいえば売れるだろう。
その上、縄跳びにはダイエット効果ありというアピールポイントも追加すれば、更に売れるのでは無いか。
その上、素材費は、とても安い。
麻縄は冒険の必需品であり、消耗品でもあるからだ。
その上近くには、素材の宝庫もある。
おまけに、これを購入すれば、もし将来自分が死んで、子供だけ残されても、孤児院の経営は安泰です。
貴方がこれを飼えば、間接的に未来の自分の子供にお金を払っているようなものだとでも言えば、買うべきといった流れができるのではないか、僕はそう考えている。
まあ日本なら、こんなガバガバな考え方じゃ売れないけどね。
ということで、父さんに企画書を提出した。
名前は、エルメジア・スラリン・バスチャンとした。
バスチャン、久しぶりすぎておぼえていないかもしれないgが、父さんとアルフレッド兄さんの執事である。
あいている時間を借り、この資料作成を手伝ってもらったんだ。
バスチャンには少し僕の年齢に対する不相応な能力の高さがばれてしまったが、正直バスチャンから告げられる分には問題ないと思っている。
とりあえず、やばい異端扱いされたくないだけだしね。
さすがに、バスチャンの言葉なら信じるでしょ。
閑話休題、この企画書を提出すると、父さんは驚いたようにこちらを見てきた。
「この企画書の何割程度がエルが作成したもの何台? バスチャン」
「そうですね、比率で答えるのは、少々難しいですね。 基本的に骨の部分はエルメジア様お一人でなさった用ですよ。 私と、スラリン殿がしたのは肉付けだけです。 例えば、孤児院の数だとか、経費関係だとかですね。」
「なるほど、それでエル、この企画書で何が起きるのか理解しているのかい?」
ふむ、理解しているとは?
これでどのくらいのお金が動くのか、これでどのくらいの孤児を働かせるのか、などだろうか?
「お金の話? それとも孤児院の子供の話?」
「いや、質問に対してその答えがでるだけで問題ない。 何を聞きたいのか、質問自体が曖昧だったからな。」
なんだろう、質問の意図を考える問題、いや、訓練だったのかな?
まあ、問題ないという答えを得られたなら、こちらも問題ないのだけれどね。
「この規格を認めようと思う。 一度アルフとも話し合うが、おそらく実行されるだろう。 それでだ、ここからはお金の話になるが、エルは付いてこれているか?」
「はい、大丈夫です。」
「そうか、それはよかった、まあ簡単に言うと、エルの取り分を減らして欲しいという話だ。 一応、遮らずに最後まで聞いて欲しい。」
とりあえず聞けとのことだったので、頷いておいた。
「その取り分を減らして欲しい理由だが、3割を孤児対策金として、2割をアンネリー領収入に4割をエルメジアの取り分に、1割を孤児院の取り分にしたいという話だ。 一応言って奥が、バスチャンには特別給与を与える。 それでだ、私も経済にはあまり詳しくは無いが、このエルの取り分を減らしたお金を使って、ほかの孤児院でも同じことをしようかと思ってね。 まあ簡単に言えば、割合は減るけど、全体の収入は増えるよって話。 以上かな。」
なるほどね。 僕もそれは考えていたけど、元での少なさから実行を出来なかったんだよね。
そのための、アンネリー領収入か。
この明細のおかげでアンネリー家自体が資金援助をしても問題がないというわけか。
それこそ僕と同じ、資本家として。
なるほどな、それなら話が早い。
「基本的には、父さんの言った、取り分を変えなければ問題は無いです。 あと、スラリン達と実験をしていたことからほかにもアイデアはあるので、すべての子供を動員する様なことはしないで欲しいです。 一応、父さんの狙いも分かっているつもりです。」
父さんとバスチャンは互いににやりと笑い合った。
「エル、いや、エルメジア・アンネリー、次期党首の地位に興味はあるか? いや、なりたいと思うか?」
唐突だな、まあ気持ちは分かるけど。
「当然ありません。 正直それほどの雑務を行いたくありません。 悪く言えば、アルフレッド兄さんに丸投げですね。」
今度こそ、父さんとバスチャンは笑い合った。
「いやー、本当に優秀な息子だ。 どうか家の中では割れないで遅れよ。」
「アルベルト様、エル様は本当に興味が無いようですよ。」
「わかった、孤児の動員数は考えておくよ。 それから、エルに何人か優秀な小さめの孤児を付けるな、植物紙だったか、実験を手伝ってもらうとイイ。 特許申請はあるとはいえ、研究自体を見られてはいけないからな。 孤児院で実験を始めたら、見てくださいと言っているようなもの駄科。」
「ぁありがとうございます。 将来的には、共に研究を行った者達が、部下になることを祈っています。」
それから大人同士の話が始まり、後は任せても大丈夫そうになった。
はー、疲れた。
いや、ほんと当主とかなりたくないな。
面白さとは何か教えて頂けませんか?




