第21話 貴族の嗜み
本日2話目
「エル様、あなたはこれで死にました。・・・また酸っぱい思いをしたくなければ、食べ物を警戒するか、毒耐性を身につけてください。」
別に、セッチャンが裏切り者の暗殺者だったとかいうことはない。ただ、毒殺の対策がどのくらいできているのか、試されたらしい。
ということで、今日から食事に、少量の毒が混ぜられることとなった。
アンネリー家の人間は、皆誰しも幼い頃に体験しているらしい。
まずは、最も弱いモノから。
少しおなかを壊す程度の、毒キノコをほんの少量。
実は、このキノコ毒はあるが、おいしいらしい。そのため、暗殺を警戒しなくてもいい人間でも、このキノコの毒耐性はつけていることが多いらしい。
その後、少し気分的におなかが痛い中、父さんとエメリー母さん(今更になってなぜ、母さんだけ名前をつけて呼んでいるのか疑問に思ったため、これからは、母さんと呼ぶことにする。)に呼ばれた。
「父さん、母さん来たよ、でもおなかが痛い気がするから早く寝たいの。」 「ええ、わかっているわ。ただ、今すぐおなかの痛みを押さえれるとしたらどうする?」 「簡単にできることなら挑戦する。無理なら諦める。」 正直に答えただけなのに、少し驚かせたようで
「エルには、痛みへの軽い耐性とかがあるのかしら。」
「そうだね、ここで諦めるという選択肢があるというのは、すごく理性的だと思うよ。」 いや、3歳児相手に、理性的とかいっても。苦笑いしか浮かばないな、もしかしたら、こ の両親は、相手が3歳児なのを忘れているのではなかろうか。 この発言自体が、3歳児の発言じゃないからいわないけどさ。
「ねえー、おなか痛いから本題に早く戻って!!」
「ええ、そうね、ごめんなさい、少し話がそれたわ。」
「エル、今おなかが痛いと思うけど、その痛い原因がわかる?多分、体の中に、そのおなかの痛さの理由となってる、異物があると思うんだ。」
父さんの言葉を聞き、自分の内面(体質的な話)に、意識を向けてみると。
なんか、頭の中に、よく歯科医師で流れているような、ばい菌をやっつけるイメージビデオみたいなのだとか、白血球みたいなのが、悪いモノをやっつけるみたいなイメージが流れてきた。
少しシュールで、笑ってしまった。
やばい、笑うとおなかが痛い。ww
「うん、多分わかったの。」
「は、もう見つけたのかい、想像以上の早さだね。多分それをやっつけようと」
「それももう見つけた。」
親の話を聞かなくてごめんなさい。
おなかが痛くて。
気分的には、電車の中でトイレに行きたくなって、早く次の液につけと焦っている感じ。
「ああ、そう、じゃあそのやっつけようとしているものに力を注いでみてくれるかな。具体的にはいえないけど、気合いを込める感じで。」
「ん」
これを試してみると、痛みがひどくなった。 「ゥグッ!」 その後、30秒ほどで痛みは弱まった。 そして、数秒もしないうちに痛みは消えた。
「大丈夫かい。多分これで痛みはなくなったと思うのだけれど。」
頷きつつ、少し恨めしげに父さんを見ていると、焦ったように話し始め
「いや、違うんだ、別に悪意あってのことじゃない。まだ幼いエルにいってもわかるかどうか疑問なのだけれど、おなかの中で、悪いやつと守ってるやつが戦いをしているんだ。
例を挙げると、闘技場などで、両者が戦っていると、少量ずつでも、闘技場にダメージが入る。そして、小技同士で戦っていると決着までの時間は長くかかる。そのとき、守る側を強化して強い攻撃で相手をやっつけると、強いダメージがあいてにも闘技場にも入る代わりに、決着は早くなる。つまり、私たちの体は、ここでいう、闘技場に当てはまるわけだ。長々と話してごめんね。」
「へー、そうなんだ。」
父さん達は、僕が理解していないように見えていると思うのだけれど、正直それなりに理解している僕からすると、一瞬痛くなるって咲きに教えてほしかったという気持ちが強かったかもしれない。
「ごめんねエル、もう数日で羊が手に入るから、これで許してくれないかい。」
そう言われると、執務の間に、僕のおねだりまで頑張ってくれていたのだから、許すしかないじゃないか。
少しの反撃として、母さんに抱きついて甘えておいた。
「あらあら、エルったら、すねちゃって、怒るに怒れなくなって、私に甘えに来たのかしら。」
腹痛に耐えるのとかで、疲れてしまった。 うとうとしてきたし、母さんの所でそのまま寝てしまおうかな。 まあ、3歳児だし大丈夫だよね。
おやすみ




