第17話 重力魔法使ってみた。
・羊をねだってから三日後、絶対安静が解除された。
羊を願ったのは、重力魔法が完成したのと同じ日で、室内にいたから、まだ実験はできていない。
これから、エメリー母さんをはじめとした魔法組を誘って、実験を行っていきたいと思う。
「エメリー母さん、なんか新魔法みたいなのができたから、広い場所で試してみたいの。」
「エル、動き回れるようになったら、もう魔法開発なんて始めたんだね。」
なんか、エメリー母さん的には、子供が心配みたいで、
おとなしくしてろと言われたのに魔法開発をしていたことに、軽く怒っているらしい。
何か不穏な空気を感じる。
心配から怒られているから、僕としては、何も言い様がない。
話は戻り、広い場所、魔法の簡易訓練場へ行った。
そういえば、まだアンネリー家の屋敷について説明をしていなかったな。
アンネリー家の、屋敷の大きさは普通の体育館4つ分位という説明はしたと思う。
この中には、簡易の訓練場があり、防御の魔法が張られており、訓練などを行うことが できる。
大きさは大体、サッカーコートと同じくらいで、室内にかすっている部分は、高さが一階部 分のみしかないのだけれど、
簡単に外に壁を開くことができる構造となっている。
うーん、なんか伝えるのが難しいな。
まどろっこしくなく言うと、ゴルフの打ちっぱなしとか、バッティングセンターみたいな 構造かな。
だから、雨でも訓練をすることができるよんだ。
表現力の無さがつらいな。
よく、前世では、上司に、
「最近の若者は、コミュ二ケーショ ンを全然とらなくて。」
とかよく言われていたな。
今になって思うけど、きちんとコミュ ニケーション能力を鍛えればよかったな、と思っている。
話を戻し、屋敷の説明に戻りたいと思う。
屋敷自体は、二階建てだが、
基本的には二階が、居住スペースとなっている。
一階には、美術品や実用の武具の物置兼応接室や、
使用人休憩所兼食材物置などがある。
一応、室内をかすめて訓練場があるのには理由があるらしい。
曰く、過去アンネリー家の人間は皆、手加減が苦手だったそうだ。
砦の攻め落としにおい て、落とした砦を再利用しようとしていたが、
アンネリー家の人間の攻撃で砦もろとも相手 を殲滅してしまったり、
城に登城中、暗殺者相手に、軽く攻撃したつもりで、城を軽く破壊し、
想像以上に城がもろかったと、言ってのけたり。
アンネリー家の人間の手加減の苦手さは有名らしく、先代の国王の
「手加減が苦手なら、手加減できるように訓練をすれば よい、なんなら手加減の練習のために屋敷の半分を、訓練場にしてしまえ」
という言葉で 、今のような形となった。
だが、我が両親アルベルト&エメリーはこう述べている。
「人間はアリを、殺さずに掴むことができるが、下級竜には、アリを殺さずに掴むことはできない。」
「もろすぎる建物が悪いのよ」
などである。
つまり、本人の力が強すぎて、手加減しても、上位の階級の兵よりも力があるということである。
これらのことから、武力的な力が強すぎて、不可侵として、国内で王族と並ぶ発言力を持っているのである。
ただし、国内での、暗黙の了解として、王位継承権を持つ王族を、アンネリー家に婿入り・嫁入りしてはいけないというものがある。
ただし、
「暗黙の」
である。
少し話は逸れたが、これらの理由から、訓練場は、半分家の中にあるのである。
続いて二階について。
二階は、居住スペースとなっている。
リビングとか、厨房とか、皆の自室とかも二階にある。
あ、そういえば話してなかった。
一階と二階、どちらにも書庫がある。
ミリお姉ちゃんと見に行ったのは、二階の本棚だね。
僕が生まれてから一度、大規模な改築があったんだ。
一階と二階の何もなかった部屋を潰して、鳥たちの遊び場としたんだ。
隣の部屋から凄い音がして、あのときは、マジでびびった。
話を訓練&実験に戻したいと思う。
エメリー母さんをはじめとした、魔法組がそろったところで、
重力魔法の実験をしていきたいと思う。
「エル、今回は、どんな魔法を考えたの?」
「んっとね、重さを重くしたり軽くしたりする魔法だよ。僕が重いと、ノアルアがかわいそうだなって思って。」
「なるほどね、その視点はなかったわ。まさしく、子供特有の目線ね。」
危ぶね。
まだ重力という考え方がないのか。
よく、魔法が発展すると、科学が発展しない、とも言うしね。
適当な言い訳を考えておいてよかったわ。
「使ってみていい?」
「ええ、きちんと的人形に当てなさいね。」
よし、許可が下りた。
的人形さん
「跪け!!」
「へっ」
「はっ」
「ほえっ」
皆さん、目が点になっていらっしゃる。
僕は、冷や汗だらだらでいらっしゃる。
マジで、室内で使わなくてよかった。
驚きのbefore・afterである。
なんということでしょう
かわいらしく立っていた、かかしさん。
彼は、的としてボロボロになる運命にあるが、まさか、ほぼ消滅状態の塵になるなんて。
どういうことだろう。
圧縮が激しすぎて、簡易的なブラックホールができたのかな。
これを、実験無く室内で使用していたら、自分自身も危なかったかもしれない。
僕は、怒られたくないのです。
「うんうん、これが、エメリー母さんの行っていた、脆すぎるモノが悪い、というやつなのですね。」
なんか、口調がおかしくなってしまったけど、気にしてないみたいだからいいか。
「「いや、おかしいから!!!!」」
その後、たっぷり怒られた。
でも、できてすぐ、部屋の中で実験を始めなかったことは、たっぷり褒められた。
明けて次の日。
昨日は、なんやかんやあって、実験は途中で中断となってしまったけど、
魔法自体はすごく有用だから、実験&訓練は続けられることとなった。
ただし、本日は、昨日のメンバーに加え、昨日いなかったアンネリー家の全員が実験を見に来た。
「エメリー母さん、昨日あれから、なんであんなことになったか理由を考えてみたんだ。」
「へー、しっかり反省することはとてもいいことよ。それで、昨日の実験の原因よね、教えてくれるかしら。」
「ん、まず考えるに当たって、力には方向性があるように感じたの。そして方向性ごとに仮称の名前をつけたの。」
「へー、方向性ね、おもしろいことを考えるわね。」
「ん、で、その方向性の名前だけど。下向きの力のことを、重力と名付けたの。これは、ノアルアに乗ることを想像していたら思ったことなんだけど、ノアルアの上にいるとき、僕の体の重さは、ノアルアに対して下向きの力を持っているなと思ったの。」
「なるほど、重くする力で重力なのね。続けて。」
「ん、次に横向きにかかる力、例えば机を引っ張って動かす時とかに持っている力のこと、これを引力と名付けたの。」
※尚、正しい使い方ではありません。ご注意ください
「なるほど、人間を殴ったときに横向きに吹っ飛んでいくのは、この力が働いているからなのでしょうかね。」
いや、物騒だから。
「うーん、そうだね、多分そうだよ。」
「どうしたんだいエル、私の言葉に何か疑問でもあった。」
「んー、ちょっとね。この説明の為にも、先に次に考えた力について、説明した方がわかりやすいかなって。」
「わかったわ。」
「ありがと、えっとね、上向きの力のことを、反発力って名付けようとしたの。由来が、ジャンプすることは、地面に対して反発しているのかなって思ったの。でも、エメリー母さんの話を聞いて、殴った拳に対して、人間の体が反発してるんじゃないのかなって思ったの。」
「なるほど、それでエルは、名前に対して疑問に思ったということね。学会に出すわけでもあるまいし、まあ気にしなくてもいいと思う毛と、その力って、地面の方向に引っ張る力と、引っ張る力に反発する力の二つに分ければいいと、私は思うわよ。」
なるほど、エメリー母さんの言い分ももっともだ。
「たしかに、じゃあこれから、引っ張る力を引力、反発する力を反発力、と呼ぶことにするね。」
「そう、それで本題にそろそろ戻してほしいのだけれどいい回。」
確かに、父さんのいうと売りだね。
でも、ネーミングは大事なんだよ。魔法発動のイメージがつけやすくなるといった現実的 な理由から。
「そうだね、ネーミングは大切だけれど、昨日の魔法の原因に戻りたいと思う。」
「例えば、父さんが本気で地面を殴ったらどうなる?」
「うん・・・父さんがかい。そうだな、地面が大きくへこんだり、地割れができたりするんじゃないかな。」
いや、振ったのも僕だし、一部予想はできてたとはいえ、普通全力で殴ってもそんな風にはならないから。
何を、皆これが普通みたいな反応をして。
「じゃあ、その力のまま、力が逃げないように、かかしさんを三方向から殴ったらどうなる。」
「うーむ、三方向から力が逃げないようにか。あまり考えたことはなかったけど、かかしさんが木っ端みじんになるんじゃないかな。それも内側からはじけるような形で。」
うんうん、僕もそう思うよ、三方向から力が加えられて、大きな反発力が生まれるんだろうな。
「ん、僕も同じような感じになるんじゃないかと予想したの。」
「なるほどね、なんとなく理由はわかったけど、一応エルの結論を教えてくれるかしら。」
「ん、結論だけど、さっき挙げた例よりも強い力で、全方向から、かかしさんを押しつぶしてしまったんじゃないかなって想ったの。」
数秒無言の時間が流れ、ようやくエメリー母さんが口を開いた。
「血液の流れている生物は、電子レンジ魔法で血液を沸騰させてスことができて、ゴーレムみたいな、血液の流れていない相手には、重力魔法で殺すことができて、もうエルなら大抵の相手なら殺せるんじゃない?」
「確かに、そうだね。」
「問題としては、この魔法を使えるのがエルしかいないから、面倒な相手を殺したりするときに、証拠が残ってしまうのめんどうかな。」
いやいや、物騒だな。
まあ、僕としてもいいたいことはあるのだけれど。
「そんな証拠云々考えなくても、チリも残さずに殺せばいいんじゃないの。」
「「確かに。」」
ということで、この魔法を自由自在に使えるようになるために、重力魔法の訓練、第三弾 が始まった。
「そういえばエル、この魔法でどのくらいの魔力を使ったの?」
エメリー母さんに聴かれたので、どのくらい魔力を使ったのか、自分の体内に意識を向け、調べてみた。 「攻撃としての威力を出そうとすると、人間一人分の面積で、大体魔力全開から5回くらいは使えると想う。継続的に使用する、例えば、自分の体に重しをつけて訓練し続ける状態にするとかだと、魔力回復の早さから考えると、一日中でも使えると思う。」 「うっわー。そういえばエルにはノアルアがいたね。ノアルアを計算に入れると、魔力回復の早さの方が、使用する魔力よりも多くなるのかしら。」 「エル、エメリー、現状でエルの魔力はどのくらいあるんだい?」 これに関しては、基準がないから、僕も気になる。 「僕だと基準がわからないから、魔力量がわからない。」
「ああ、確かに、区分上は私とアルベルトがAランクオーバーといわれる区分で、子供た ちは、サラ以外は、AランクもしくはBランク上位といったところかしら。サラは、大体C ランクの上位くらいね、まあでもサラに関しては、身体強化の魔法に関してだけは、魔力 の増幅が行われる体質だから、近接だけなら兄弟姉妹で一番強いのだけれどね。」 「へー、なるほど、おもしろいね。疑問なんだけど、その魔力が増幅されるっていうのは 、どんな状態のことをいうの?」
「あら、エルにはまだ教えてなかったかしらね。」
多分まだ聴いてないと想う。
「多分聴いてない。」
「じゃあ、今から説明するわね。それと、四人はひまなら訓練してていいわよ。」
兄姉達の返事の後、
ドガン! キンキン!
といった音が聞こえてきたけど、人のことをいえないでしょというツッコミはしないで置こう。
話を戻して。
「魔力増幅とは、アンネリー家の人間にたまに表れるのだけれど、肉体自体が魔力を通しやすく魔力のロスがほとんど無くなったり、身体強化においてだけ、他の人に比べて、倍以上の強化率が起きたりする事をいうの。アンネリー家の初代の当主がこの体質で、この体質が理由でアンネリー家は、不可侵扱いされるようになったのよ。」
へー、初代がそうだったのか。そりゃ知らなかったのと驚くわけだ。
「それで、エルの魔力量についてだったわね。今回は、わかりやすさのために、ノアルアの魔力量は含めないことにするわね。」
確かに、十間の特性を忘れていた。
久しぶり二十間の特性について振り返ると
1 十間と念話ができる。
2 十間の魔力を間接的に利用することができる。
3 2に伴い、実質二倍(十間の数倍)の早さで魔力を回復することができる。
「エルの魔力量は、大体Aランクオーバー+Bランクくらいかしらね。」
なんかとてもめんどくさいな
よし、自分なりの単位を決めて
F=1 E=2 D=3
C=4 B=5 A 6
Aオーバー=7
と仮定しよう。 そうすると、僕の魔力量は 7+5=12となる。 これからは、これを採用しよう。 参考までに比較として
アルベルト=7
エメリー=7
アルフレッド=6
ミリ=5,5
サラ=4,5
キッカ=5
大体こんな感じ。
「へー、っていって行ってる場合じゃ、ないじゃないか。国内で公式に知られている人間 では、一番魔力量が多いんじゃないかい。」
へ、そんなに多いのか。 確かに、魔力量の基準が、Aランクオーバー7まで、しかないと考えたらそれも道理なのか な。
「子供達が、武力面で優秀だから今代のアンネリー家も心配が無いようだね。」
「それだけ魔力があるのにもかかわらず、それだけの回数しか使えないほど、消費が激しいのか。」
確かに、基準が底にあると、このような結論になるのも無理のないことなのかな。
まあいいけど。
そもそも、今何の話してたっけ?
真面目に、何を話していたか忘れてしまった。
「エルもこういうところはまだまだ子供なんだね。この前には、重力魔法を使うにあったってどのくらい魔力を使っていたかを聴いていたんだよ。思い出した?」
ああ、なんかそんな趣旨だった気がするきもしない気もする。
「なんとなく。」
「じゃあ訓練に戻りましょうか。」
エメリー母さんの言葉で、僕の訓練が、再開された。
訓練の目的としては、重力魔法(かかしさんに使ったモノ)の威力を落として、室内とかでも使えるようにすること。力の方向を操作できるようにすること。そして、最も危険な、僕の全魔力を込めてこの重力魔法を使うこと。
「全力で、魔法を使ってみてほしいのだけれど、大丈夫かい?」
「ん、でも、兄さん達を巻き込むのが怖いから、いったん訓練を止めてほしいの。」
アンネリー家の皆が訓練をやめ、僕の後ろに下がったことで、本気で魔法を使う準備ができた。
人生初、全力の魔法使用だ。
いや、よく考えたら、もっと幼い頃に全力でライトを使っていたのは、全力の魔法に含まれるのか。
まあどうでもいいけど。いざ。
標準を150メートルくらい前に向けて。 「跪け!!」
その結果、下を見たら玉ひゅんするような深いクレーターができた。
「はー、エルって・・・はあ、・」
「そ、そうだね、ミリ気持ちはわかるよ。」
「アンネリー家の不可侵具合が、もっと深まるかもしれないわね。」
ああ、やっぱりそんな感じなのか。
でも、本気でうれしかったことがある。
「みんな、おびえないでくれてありがと。」
まさに、これとしか言い様がない。
「家族なんだから、おびえるわけ無いでしょ。」
「いや、多分違うよ、アンネリー家だからおびえることはないでしょ、の方が正しい気がする。」
「確かにね、これを陛下とかに見せても、まあアンネリー可の人間だから、とかいわれて終わりそう。」
「「確かに。」」
以上が、皆の感想であった。どれが誰の感想かは、想像にお任せする。
じゃあこれからも、この魔法を使いこなせるように、訓練をし続けるね。
「そんなことより、魔力使い切って気持ち悪くならないの?」
あ、確かに。
「なんかね、結構前から、魔力を使い切るようにしていたら、なれちゃった。」
「あー、エルの魔力の多さの原因はここにあったのか。」
「確かに、末っ子に負けていられないから、アンネリー家の必須事項として、今日から魔力を使い切ることにしようか。」
「えー、といいたいところだけど、末っ子には負けたくないからね、まあもう負けてる気もするけど。」
「そうそう、努力でどうにかなるところは、本気で頑張ってみようと思う。」
これがきっかけで、アンネリー家がもっと手がつけられなくなるのは、確定未来なのでした。
うーなんか体調悪いよ。
体調悪い中、徹夜したら、なんか書ききれたわ(深夜テンション)




