第6話 おや、卵の様子が・・・、そしてこの世界の魔物事情
つかまり立ちに使う筋肉や舌に身体強化をしております。
転生してから大体5ヶ月くらいが経ちました。
最近、身体強化魔法という魔法を少しだけ使える ようになり、つかまり立ちくらいならできるようになりました。
身体強化魔法がすぐに使えるよ うになったのは、頑張ってしゃべろうとして、舌とか頬とかに、無意識に魔力を流していたこと が、魔力感知に優れたエメリー母さんの一言でわかつた。
まあ本人は教えたつもりがなくて 、子供に魔法の才能があって、純粋に喜んでいるだけみたいだったけど。
なんとなく自分の体 を動かせるようになってきたとき、卵の殻にひびが入り始めた。
卵の殻にひびが入り始め たことを聞きつけて、サラお姉ちゃんとキッカお姉ちゃんが部屋にやってきた(二人の卵は まだかえっていない)。
「エル卵がかえりそうって本当、見せて見せて」
二人のお姉ちゃんに聞かれたので、卵が二人にも見えるようにのぞき込むのをやめた。
「サラ、なんでエルってこんなに早熟なんだろう?」
「え、普通じゃない?」
なんか怪しまれているっぽっかったので、これからはもう少し子供っぽく生活するよう心 がけよう。
そして肝心の卵は、30分くらい経って、ようやくひびが 割れ始めた。
ちなみに卵の大きさは大体10センチくらいで、鶏の卵を一回りか二回り大きくしたよう な大きさだ。
ひびが入ってから2時間くらい経った頃、ようやく卵が割れた。
卵の中からは体長15センチ位の頬だけ青色の、真っ白な、ツバメに似た形の鳥が現れた。
「かわいい!」
ツバメのような鳥は生まれて、初めて見た相手を親みたいな存在と思ったみたいで、
僕の方 によちよちと歩いてきた。
近づいてきた鳥に対して、何か食べ物はないかと探し、生まれてきた卵の殻を小さく砕い て鳥の口の先に出しておいた。
「ほんとに食べた!?」
姉二人は鳥が本当に自分の卵の殻を食べたことに驚いた様子で、キャッキャしてた。
「エル、名前は何にするの?」
「ん―――――――――」
先ほど自重すると決めたばかりなので、質問には曖昧に返しておいた。
「エルさっきまでは言葉を理解してるみたいだったけど、さすがに完全にわかっているわけじゃなさそうかな」
「キッカ考えすぎじゃない、まだ子供なんだし、気まぐれで知ってる言葉を話しただけ じゃない」
脳筋の脳天気お姉ちゃんのおかげでなんかごまかせたみたい。
「名付けはエルに任せるとして、どの部屋でどうやって飼えばいいんだろう。」
「バネッサ、アルベルト父さんを呼んできて、忙しかったら エメリー母さんでもいいけど、それと、夕食後に家族会議をしようって伝えてくれる。」
「わかりました、ひとまず、アンネリー家の皆様に、エルメジア様の卵がかえったことをお 伝えして参ります」
それから鳥を愛でながら15分くらい待っていると、アルベルト父さんとエメリー母さんがやっ てきて、
鳥を見てすぐにデレた。
両親が小さな動物が好きなことを、今この時、初めて知った 。
なるほど、だからすぐに鳥の魔物を家で飼うことを許可してくれたのか。
普段は魔物を 容赦なく狩っていても、敵対せず害もない魔物には優しいということか。
「アルベルトどうやって飼う?」
「飼育するのはエルの部屋で、世話はエルとバネッサに任せたらどうかな」
「そうね、それでいいと思うわ。サラとキッカの卵も同じでいいわね」
「「はーい」」
鳥の種族はブルーチークバードというらしい。
この鳥はそこまで貴重でもなく、
見た目が いいので貴族がペットとして飼っていることもしばしばあるらしい。
似た種族として、レ ッドチークバードやグリーンチークバードなどがいるらしく、姉二人の卵からは、おそらくこ の種類が生まれてくるだろうと予想されている。
そして今更だが、この世界における魔物の扱いや生態について説明しておこう。
まず魔物は基本は生殖行為で生まれると言われている。
例外としてスライムなど分裂で増 える生物がいたり、砂の体や水の体などの生態が不明な魔物とかもいたりする。
ルーメリ ア王国では魔物の飼育についての法はなく、基本の方針は各々の領地ごとで領主の裁量に任されている。
我が領では、魔物の飼育を認めているが、
領主、つまり我が父に報告する ようにと、条例のような形で決まっている。
魔物の起こした障害に関しては主人の責任と、されている。
障害で思い出したのだが、この世界には魔法を道具に込めた魔道具というも のが存在し、国中に魔道具屋というものが存在する。
その魔道具屋にて魔物用の首輪が売 られており、その首輪をした魔物が人間に傷害を与えると、色が変化するという魔法が込 められており、貴族などの魔物を使った冤罪などを防いでいる。
国としては、首輪をつけ ていない魔物に関しては、庇うことはできないとしている。
魔物の生態についての話に戻ろう。
魔物の多くは好戦的で人間を見ると襲ってくるものが 多い。
魔物を使った実験で、人間(いわゆる犯罪奴隷というやつ)と、牛や鳥などの家畜肉を 並べたときに、多くの魔物が人間の肉を好んで食べたらしい。
このことから人間は魔物に とって、おいしい餌らしいということがわかる。
あまり好戦的でない魔物もおり、鹿型や 鳥型(種類による)など、比較的臆病な魔物やいわゆるドラゴンといった種族も、自分の縄張 りに侵入されたり、子供や卵などにちょっかいをかけられたりしなければ、わざわざ攻撃し に来ることは少ないらしい。
魔物と動物の違いについてだが、大きな違いが一つあり、魔石が体の中にあるのが魔 物、ないものが動物とされている。
そもそも、魔石とは、魔物のエネルギー(魔力)の塊で生きている時は、魔物が魔力を利用するときの媒体として利用され、魔物が死んだ後に取り出された 魔石は、魔道具のパーツになることが多く、ほかには緊急用の魔力補充の為の、魔力ストッ ク用としての用途や、美しいものは装飾品として利用される。
ちなみに自然界で魔物同士 が争い、勝利した方は相手の魔石を食べる。
魔物は魔石を食べることで魔力量が増えたり、成長・進化したりする。
純粋に栄養補給という役割もあるらしい。
動物が魔物に変化することもあり、魔素が多く漂っているところで魔素を多く吸収した動物の体内に魔石が生まれ、魔物となることがあるらしい。
その際、魔物の見た目は少し大きくなる程度の変化しかしない場合が多いらしい。
まとめると
1,国としての法律はないが各領地で条例のような形で決まっている 。
2, 人に対しての傷害を感知する魔道具があり、冤罪防止の為につけることを推奨 されている 。
3, 魔物と動物の違いは、体内に魔石を持っているか、否か。
4, 魔物は人間や家畜が食べるものと、同じものを食べることもあれば、魔石を食べることもあ る。
以上がこの国における魔物の扱いである。




