レグナス襲来!
「そうか。こちらも明日明後日には試験を受けるつもりだからその時はよろしく」
「分かったよ。欲しい情報は砦崩しと人の出入りが少ないダンジョンだよね。承りました」
神器の情報は得られ無かったが代わりに守護者になってからの交渉を行った。相手は凶悪な国賊、当然便利系能力者も駆り出される訳で義賊団が有利になる情報を与えられるというものだ。その見返りに現場の最も信頼出来る情報を得る。インターネットやフィルターを通した情報何て信用ならん。何より害になる様ならすぐぶっ潰せるしな。
「さて…そろそろケーキでも焼くか」
高く葉が少ない木の上にまた登ったガルはウサギ料理で賑わっている町を見る。何の事はない。情報が途絶えやる事がなくなっただけだ。猿は昼間からビールを飲んでいるが加わる気はない。
(何で!?この一瞬に何を考えてそうなったの?)
(する事がないだろ?じゃあお菓子作ろう!って)
(飛躍の仕方…!)
スマホの写真を見ながらロイド邸にある自分の部屋へ裂け目で移動する。5メートルに満たない距離を落ちるとそこは既に部屋の地面だった。
(寝ればいいのに)
(その手があったか!)
その時外から家や何らかの建造物が破壊される音が響いた。
(まーた何かやってるよ)
(凄い玄人感!でも俺はそうなる前に引っ越す事をオススメするわ)
窓から外を眺めてみるがそれらしき痕跡は見当たらない。それなりに遠い場所から聞こえてくる様だ。
「…大丈夫そうかな。寝よ」
(やめて!?適応しないで!?よくあることじゃないから!)
英が言い終わる前にガルは近くの建物の屋根に移動していた。
(あの…裂け目閉じちゃったらまた光速移動しちゃうんですけど…)
(口を動かす前に行動すれば間に合うだろ?)
また破壊音が響く。そろそろ不自然に感じている人々が怪訝そうに音の方向を向いている。
(うおおおお!あ、大丈夫だった。目的地さえ見えてたらコレ怖くないな!)
音の原因が見える。家が空中に出現し、裏返ってから今度は重力に従って地面に激突している。その災害は間違いなく能力に拠る物で、高所から落とされた家は砕けその欠片1つ1つが盛大に周囲へ被害を撒き散らしている。
「来てはみたけど…これは…」
人が見当たらない。避難したんだろうがそれにしても少ない気がする。あんな無差別攻撃なら見てから逃げても絶対怪我人が出る筈だ。いや、欠片で家が半壊するくらいだから1回で何十人も死人が出るだろう。
それとも義賊団のプラレみたいな感じだろうか。何らかの方法で人が少ない状態にした上で多少の被害とラーズ邸にのみに被害を集約させ何かを成す。と考えると能力持ちも居ない可能性がある。普通に考えて自滅技だし。この場合生き物みたいな失敗もないだろうし。例えばラーズ邸の後にロイド邸まで破壊する低脳とか。
「…ハ…!…ガ……ハ!」
轟音に混じって声が聞こえる。能力持ちか逃げ遅れか。
「…!…」
「ガハハハ!どこだ鏡!出てくるがいい!今度こそこの我が本気で相手をしてやるぞ!」
「テメー…!何してやがる」
そこで下品で似合わない笑い声を上げていたのは先生だった。自慢の毛並み(推測)も、毎日手入れを完璧にしている(推測)尻尾も、仕事帰りにも関わらず少しの乱れもない(推測)スーツも、巻あがった砂埃と下品な高笑いによって薄汚れてしまっている。
「おお姉上!…。…そうか、お前も居たのだったな。ここで待っていろ。お前には話があるのだ」
「勝手に話すな。許可してやった覚えはないぞ」
「…黒いの、誰にそんな口を聞いている?」
「図に乗るな飛ぶトカゲ如きが。先生への一切の干渉を断て」
「丁度良い。我もお前如きに姉上が構うのには腹が立っておったのだ。その生意気な口が利けぬ様消してやろう」
ロ「とうとうやったっスね!」
ユ「ええ。ぶつかってしまったわね」
ロ「一人居ないだけで空間が広々してていいっスよ!話す事はないっスけど」
ユ「私はみんなでわいわいしたいのだけれど、たまにはいいわね。話す事がないけれど」
ロ「しゃーないっスからレグナスがしているセコい小技を暴露するっス」
ユ「次回にしましょう。サマトリーナちゃんも交えて、ね?」
ロ「それならレグナスで我慢するっス」
ユ「いい子なのよ…?」




