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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
序章~終わりに続く道~
9/123

最終戦

握らせて投げれば良くね?(修正後感想)

 ローグは起きていなかった。恐らく昨夜は緊張して眠れなかったのだろう。

 「いえ、目が開いてないわ!」

「一回殴ってみてもいいか?」

「何で次がローグなんだガル?」

 相変わらず直立して寝ているローグに落胆の眼差しが向けられる。

 「ラック、ローグを持ってくれ。俺が筋力強化の魔法を掛けるから人形に向かって投げろ」

「はぁ」

 訳が分からないという顔をしているが従ってくれた。

「いいか?爆発したらすぐお前が最後の人形に斬りかかれ。犯人は多分逃げた。それを三人ですぐに追いたい」

 人形から聞こえたまじかという声とそれに続く誰かが逃げるような足音をガルは聞き逃さなかった。おかしいとは思っていたが少なくともテロリストは戦争の頃の圧倒的な力は持っていないようだ。

 「それ大丈夫か?」

 持ち上げられたローグの足に引っ掻ける形でつけられた紐に手榴弾をくくりつけるガルに心配そうなラックの声がかかる。

「うまくいけば無傷で済む。だから失敗するなよ?マリン、ヘルメット被せてやってくれ」

 やはりさっきからテロリストの声が聞こえない。本当に逃げ出したかそれともこの状況を楽しんで見ているとか?それともルール違反じゃないとか?

 「よし、1、2、3で投げろよ」

 答えの分からない問いを続ける思考はすぐに切り替わった。狙いは人形の少し上、紐が当たるくらいだ。

「いくぞ!1、2、3」

「とおっ!」

 投げられた獣人爆弾は直線で飛び、手榴弾は人形に当たりその目の前に落ちた。ローグは岩にぶつかった。

 「来い!ホールに突入する。ラック、最後のやつは任せた!」

 手榴弾が爆発してから何も起こらない。何の声も聞こえない。どうやら本当に犯人は逃げたらしい。

「任せろ!」

 ガルの期待に応えるべくラックさ最後の魔導人形に斬りかかる。

ガキン!

 「剣なんて隠し持ってたのか」

 防がれた斬撃に剣気は込めていなかった。



 「なぁガル、ローグ投げる意味なかったくね?」

「あれは罰だ」

 ローグは車で起きていたらしい音を確認している。一度寝ると眠りが深いことは知っているが二度寝した罪は重い。

「それに多分そろそろ追い付いてくる」

 後ろから聞こえるやや自分たちとはずれた足音がだんだんと近づいてくるのが二人にも聞こえたようで一瞬三人で顔を合わせると速度を上げた。

「ちょっ、ちょっと待ってくださいっスよー3人とも!」

 後ろから焦った後輩気質な同年代のコヨーテの声が聞こえて3人とも笑いながら足を止める。

「まじで…まじでごめんなさい。何か投げる話の辺から聞こえてたんスけど目が覚めなくて…」

 息を切らしながら弁明を始める。まさかの投げられるのが分かっていて起きられなかったらしい。

 「ほら、さっさとボス倒して帰ろう」

「仕方ないわね。罰は受けたし、これから頑張りましょ」

「まぁお前が居なくても楽勝だったけどな」

 全員がローグに甘かった。

 階段を登り、ホールに入ると「来たか…」と苦々しい顔をしながら石を握っている男性が待ち構えていた。ガルには見えた。石は大量の魔力の塊であり、それから男が魔力を吸収しているのが。

もうすぐ終わる第一章ですが、何となくローグのことを気にいったので2章からの解説にする案が浮かんでいます。それと8部分目までだとちょうど9999文字だったことに驚きました。

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