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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
第2章~危険地に身を投じる狐~
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終息に向かう

 相変わらず白いローブで体全体を隠しているアーゲンはありがとうございましたと頭を下げると自分の店に帰って行った。これからの事を占って欲しいと言ったのだが状況が悪化する事は無いので大丈夫とはっきり言われた。


 「オウ!お前占い師ト知り合い何だナ。さてハ人見知りするタイプダロ!そうだロ!」

 帰って来たアンジェを迎えたのはウザイテンションの黒堀だった。心境を目でそのまま表した。大抵の人の上位に君臨するであろう"家の中で死んだGを見つけた目”だ。照れンなっテと返されたので"食べ物にカビが生えているのを発見した目”をした。不快度が若干下がったが攻撃的になった筈の視線を軽くあしらう様に図星カー!と笑って言われた。英と似た物を感じた。

 こんな事をしている間にも消失は範囲を徐々に広げている。高さ20メートルはある壁を超える消失空間が見えてしまっている。どうやら透明度が高いだけで全体的に赤いらしい。それなら消失空間内で地面等が赤く覆われるのはどういう現象なのだろう。消失させた後の残りカスだろうか?消失範囲を広げるブースターの役割があったりするかも知れない。

 肝心の消失本体は同じ場所で丸まっていた。多分1cmも動いてない。その場で自分の翼で視界を遮る様にふわふわ浮いている。しっぽまで自分の体に巻き付けている。

 空気がないのに何で飛べてるんだとは思っていた。予想は付いていたが、つまりこいつはあんなにバッサバッサしてた癖に全く意味のない行為をしていたと言う訳だ。確かに翼があるのにバッサバッサして無かったら違和感があるだろう。多分ダサいし。でも概念にそんな思考能力はないと思うから単純にバカなんじゃないだろうか。それとも体の方で何とかしているのだろうか?感情があるが故のふて寝?なんだろうか。

「頑張れヨ!」

「がんばれよっ!」

 黒堀の応援を真似ようとして出来ていないリモアに行ってくるよとアンジェは返す。消失範囲が広くなり過ぎて2人は連れていけないのだ。連れて行っても邪魔にしかならないけど。被害者は恐らくまだでていないと思うが、それでも裂け目で消失に触るには遠すぎた。目標との遠近感が掴めないのだ。仕方なく真上から飛び降りる事にする。

「…!」

 こちらに気付いた消失が口を開く。何か言っているのかも知れないし何か意味がある訳ではなくただ口を開けただけなのかも知れない。

「ふぐぅ…!」

 コンクリートより硬い地面に痛みを伴う着地をする。直接触れた途端バリアを無視して接触部分から魔力を根こそぎ奪われる様な感覚に襲われる。口に咥えた契りの書には何の影響もない。神父が言うには持ち主がいる限り破壊不可能らしい。

「ハイって言えぇ!!」

 契りの書を消失に押し付けながら叫ぶ。ドラゴンの体を奪っているか人間と同じ言語を扱う知的生命体が例え聞こえなくてもこれで通じるかも知れない。そうじゃなくてもこうやって勢いで押す以外思いつかなかった。それが功を奏したのか消失が何か口を動かし消失が終わった。

 "消失”は現象であり存在そのものである。広範囲の消失空間が消えても完全には無くならない。消失の周りym(ヨクトメートル)より短い範囲、もしくは消失そのものからは超高密度の消失の力が発せられている。

「最後の最後に…!」

「…!…!」

 相変わらず何も聞こえない口パクをした消失より速く自分の体の欠損に気づいたガルは裂け目を使って即座に離脱した。

「はぁ…」

 今回の件は関わらなかった方がマシだったかも知れないと考え始めた。同じ結末だとしても、被害が出るまで待って何らかの報酬があればなとも思った。そんな事をしている内に欠損した手足は治り魔力切れ(1番辛い状態)が訪れる。走ったりして体力が底をついた状態と同じ。唯一違うのは使い切ったら症状が無くなる事。使い切るとその日の内はもう魔法を使いたく無くなる。使えない事はないが魔力の最大量に比例して辛いのでガルの様な魔法の扱いに長けたタイプは基本魔力回復を断って寝ながら回復を待つのだ。


そう言えば消失って名付けたけど破壊だったらしい。通りで重力が働いている訳だ。因みに重力も壊そうと思えば出来るらしい

ユ「どうしたのローグちゃん不満そうね?」

ロ「…」

レ「先に言っておくが前回のやつは我が頼んだのではないぞ」

ロ「ならアイツほんとになんなんスか!?」

ユ「私よ!出たいって頼られたからよ!」

レ「そうした決定権がお主にはあったのだな」

ロ「それならレグナスを退場させたりもできるっスよね?」

ユ「やだ…もうこんな事しないわよ?」

レ「そうだぞ!良くないぞ!」

ユ「それにね、新キャラをたくさん出すと後々困るのよ」

ロ「た…確かにそうっした…!」

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