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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
第2章~危険地に身を投じる狐~
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教会行ったら神父が居た

 スーリアが言うには存在は精霊、現象()は概念、姿はドラゴンとの事。精霊はユグが持ち込んだものだから良くは知らないがそういうものらしい。確かに水で消失を防げているのは些か変だと思っていた。スーリア曰く存在が精霊である為現象を起こす邪魔?になって抑えられているらしい。

 そんな訳でリモアの能力で教会に来た。と言うか消失が出て来た扉の後ろに教会へ続く扉があった。解決する為の必須手段と言う事だろうか。アンジェに繋がった扉といい他の4つの扉といいまるで導かれている感じだ。他とはちょっと一線を画した能力の様だ。

 遠くに礼拝なのか消失を見て祈りに来たのか大量の人々が帰って行く姿が見える。祈ったら帰るのか…結構肝が据わってるな…?それより何らかの食事を運んで来たらしい宅配員が出てきた事の方が気になる。仮にも教会でそんなとこ見たく無かった。

 「おじちゃん。いるー?」

 リモアは教会の神父と仲がいいのだろう。それもその筈、精霊と契約するには教会を通さないといけないらしい。何度か会っているのだろう。1つ気になったのだが契約するだけならなんの宗教でもいいのだろうか。

「そろそろ来ると思っていたよ」

 リモアの扉とは違い、程よい重さの扉を開くとどういう訳か机と人数分の椅子が用意されていた。細かい種族までは分からない狼の神父はニヤニヤ笑いながらこちらを出迎えた。例え神のお告げ?(何らかの手段)によってこちらが来るのが分かっていたとしても、わざわざあの長い椅子とかを片付ける意味はあるのだろうか。バカなんじゃないかな。

「ね、おじちゃん。いつものが欲しいの。怖い事になってるから…」

「契りの書の事だね?丁度持ってるから安心すればいい。それよりそこの二人もこっちで話をしようじゃないか」

 リモアはちゃっかり席に着いている。それにしても立ち上がりもせず指で席を示すだけとは。こんな傲岸不遜な態度の神父を見てたら元のイメージが崩れ去っていくな。この神父…面白い。

「…」

 教会の中で一歩踏み出したところで珍しくもない暗がりから目を離せなくなる。その暗がりは教会の中外関係なくどこにでもあるただの影。その暗がりを見つめるガルは今まで見せた事もない猟奇的な笑みを浮かべ近づこうとした。

「なにしてんダ?ボーッと突っ立ってヨ?」

「いや…何でもない」

 教会の中に広がる美味しそうな香り。テーブルの上では子羊のソテーがまだ暖かいまま人数分置かれている。食べるのか?神父が子羊を食べるのはちょっと冒涜的過ぎる気がする。

「ねぇへぇひみはひはさ(ねぇきみたちはさ)はみ(かみ)っていると思う?」

「あ、そういうのはちょっと…」

 黒堀も怪訝そうな顔をしている。食べながら何でもない様に言ったのだ。真意が分からず混乱するのも理解できる。それかただ単に言語として理解してないか何言ってんだ?って感じで考えるのを放棄しているアホか。

「直感でいいんだよ。存在するに値するか、それともそんなもん信じられないか」

 今まで幸福に生きてこられたか、そんなもん存在しないと不幸にも何らかの不幸を体験してきたか、と言う事だろうか。あんまり言いたくないけどユグが神みたいなもんだしなぁ。

「何を神と呼ぶかによるかな」

「それは…うん?」

 何か言いかけたのだが途中で誰かが教会の扉を叩き中断された。神父は自分の言葉が途中で妨げられた事に驚いた様にも見えた。

「どーもー。北村さんのお宅で宜しいでしょうか。届け物でーす」

「間違いだよ」

 基本誰に対してもにこやからしい。てか教会に何か届ける事は普通無いと思うんだけど。

「えー!それはまずいっすね…うーん今からじゃ絶対冷めるなー…どうです神父さん?お代は頂きませんのでどうぞ食べちゃって下さい。そんでできれば今後うちをご贔屓に!」

 そう言って帰っていった。手に持っているのはワインと葡萄ジュース。この国ってこんな混沌としていたのか…これでホットだったら多分笑う。

「って事でコレいる人は?」

「俺飲みたイ」

 冷たい飲み物は全員に行き渡り、勢い良く手を上げたリモアには葡萄ジュースが注がれた。流石に手を付ける気にならないガルは代わりに契りの書が欲しい訳を話した。

 「数奇だねぇ…ホイ。本来なら金がいるけどね、サービスだ」

「因みにいくらなの?…!?」

 羊皮紙の様な手触りの普通の紙で色々書かれている。そんな感想を持っていると急に両手で手を掴まれた。

「今度ゆっくり出来る時にでも遊びに来てよ。誰か連れて来てもいいし、いつでも何か欲しい物を用意して待ってるからさ」

 その時外から何かが落ちる音がした。ここでも聞こえる程大きな声で誰かがしゃべっているのも聞こえる。

「突如発生した暴動は壁を越えここ、偉大なる白の占い師様がいらっしゃる占い店にまで及んでいます!きゃ!ちょっと早く!もう来ちゃったし!」

 何をして落ちてきたのか道を少し外れた場所で車載テレビが緊急のニュースが流れている。

「ふん。まだ甘いな」

 どうやらアーゲンの占いは少しズレた様だ。ここまで精度の高い占いが出来たのにはまぁまぁ有能と言わざるを得ないが。

「クリスマスか。遅いが、まぁ根性の別れではない様だし良しとしよう」

 神父がそんな呟きを漏らした時には、ガルはアーゲンを襲い始めた薬中を止めに裂け目で移動していた。

「ビンタでぶちギレ散らかすと思ったのに…」

「お?文句があるのか?」

「い、いえ滅相もございません!」

 こいつ結構調子乗ってるな。


その場には薬中によって服を剥ぎ取られつつある女性レポーターも居たがカメラを向けられる余裕がなかったので全国に晒される事はなかった。

ユ「付与系は〈人間の塔〉でバベルですって!1つだけ別の呼び名があるのよ!おかしいわよね」

サマトリーナ「ウッソーマジ?バベルってよりバカ?って感じ?面白ー!」

ロ「ケンカ売ってんスか?あっ!と…そっちも大事っスけどお前誰っスか!?」

ユ「サマトリーナちゃんよ?」

サ「ちょぉっとーようこそ我が家へで出て来た杉の木よ!忘れてるんじゃないわよ!」

ロ「描写すらされてないじゃないっスか!」

サ「お馬鹿な?ドラゴンが?怒られてるから?臨時で?出て?あげてる?だから?感謝して欲しい?って感じ?」

ユ「ちょっぴり伝わり難いかしら。次はもう少し勉強してらっしゃい」

ロ「うげげ!俺お前みたいなやつ一番無理っス!」

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