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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
第2章~危険地に身を投じる狐~
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暗躍する者、そして暗躍する者

温風

風鈴「50代男性。顔に…殴られた様な跡、体温がかなり低い様だね…」

(暖かい…生き返る様だ…)

風鈴「血痕…傷は深いね。一体誰が…」

(手足がゆっくりとだが動く…意識もはっきりしてきた)

風鈴「…起きるまで待った方がいいかな。少し待とう」

(それにしてもここは暗い…一体どうなってる?)

風鈴「…あの子は…。おはよう。また会ったね」

(…!!何かがいる!体はもう動く!そして季節は夏!わたくし、動きます)カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサッ!

 「()()()()()()()()()()()()()。アンジェ、お姉ちゃん、帰ろっか」

「はい」

 あくまで潜入。必要な事は仕方がないが今は意思の無いアンジェという人形を演じなければならない。正直仕方がない事が有り過ぎてムラが多くムラムラしている感じはある。今だって薬の効果が切れてきている感じを出してはいるがリモア以外だったら勘づかれているだろう。

「アンジェって変装したりして人と仲良くなって内部調査する、みたいな事上手そうだよね!」

 リモアの鋭い勘は見逃してくれない様だ。


 行きで約40分、帰りは30分。今日のリモアはアンジェが現れた事で今までと違う生活パターンで行動した。結果リモアはお姉ちゃんこと白峰姉におぶわれ、その背中で眠りについた。白峰姉の頭にはどう取ったのか白い頭髪に絶妙に似合うシルクハットが乗っている。思考が出来なくとも睡眠は必要な白峰姉はリモアをベッドに寝かせると自分も近くの椅子で眠りに就いた。誰かから命令という形で行動に移すのかそれとも本能的な物なのか、それは分からないがこの上なく都合がいい。ガルはそっと扉を開け、リモア達を待ち受けていた1人の玉無荘住人が居ない事を確認すると月明かりを頼りにガラスの通路を通り玉無荘に入った。

 「…」

(さっきの…)

 恐らくリモアの跡をつける者が居ないか、そしてリモアを戒める為に命令されたこの薬中はガルが隣を通っても何の反応も示さず自分の部屋に入っていった。

(何してたんだろ?)

(ん?報告だろう。隠しインターホンで)

(隠しインターホンのどこが面白いのかわかんね)

(そう)

 個人的にはインターホンを隠すという行為にニヤッと来る物を感じたのだが英には通じなかった様だ。

 ガルが部屋を抜け出した目的はただひとつ、倉庫の探索だ。と言ってもただ倉庫1つ1つの中を見て回る事何て事はしない。東西南北の内西側にだけ何も無い。だから探す。もし何も無いというのならまだ行った事のない2番倉庫に向かうが、その必要はないだろう。

 玉無荘から3番倉庫までの距離を目安に移動し、その周辺を走る。走る。そして見つける。結界によって隠された4番倉庫を。扉の前に立つと音も気にせず勢いよく開ける。

「全く…素晴らしいな」

(うおぉ…うんぐとぅこうげぇ初まなぐてみたし…やっべ訛っちった!)

「訛りで片付けられない言語だったけど…」

 倉庫の中身は…



 「ここか…そうかいそうかい!随分小汚ない奴らなんだろうねえ…え?お前さん。姿を見せな」

「嫌だわ…こんな時間にお客さんだなんて。帰って頂く事なんて…出来ないかしら?」

 腕時計をみながら暗闇から出て来たのは島田。その視線の先にはベルト部分に様々な宝石がちりばめられ、数字全てが輝くダイアモンドで構成、中心のダイアモンドも存在感を失わず4本の金の薔薇の刺繍とベストマッチしているという素晴らしい一品が。しかしその腕時計の持ち主のもう片方の手には金属バットが握られている。

「何だぁ貴女は!こんな時間に金属の棒なんぞ持って…少しお時間を頂いてもよろしいですかな?いやなに、ちょっと職務質問するだけなんですけどね?」

「職務質問ですか?それって…()()…ですよね?というか本当に警察なのかしら…」

「手帳なら有ります。ね?散歩ですよ散歩の途中で怪しい人を見つけたら、ねぇ?一警官として…見逃す訳には…ねえ?」

「うふふ…分かりましたわ」

「それは有難い」

 近付いて来る島田の肩に手を置くとその警官は自分の手帳をしまい始めた。

「うふふ…」

「いやいや…話の分かる人で良かった」

「私も嬉しいですわ…うふふ!さようなら!」

「クックッハッハー!それでこそ犯罪者!〈執行者(公務執行妨害ィッ)〉!」



 「ヨォ白峰ぇ…こんな深夜に電話すんじゃねぇ…」

「でもお前って朝起きてへんし仕方ないやろ」

「起きとるわ!勝手な想像で親に迷惑かけんな!」

「ガキに教える番号は無いって言ったのはお前やからな。自業自得だ」

「うっせぇ…で?何の用だガキィ…」

「耳の穴かっぽじってよぉ聞いとけよ…」

ユ「今回出てきた警官は女性よ」

ロ「何でもシャルウェラの友達だとか…」

レ「正義執行ウーマンとも聞いたな」

ユ「ガル君と相性が悪そうね」

レ「それにしてもだ。見た限りだと人間族以外には効果がなさそうな能力であったのだが…」

ロ「レグナス!まだ出てもねぇ疑問に先回りして質問するスタイル、嫌いじゃないっスよ」

レ「そうかそうか!もっと誉めろ。我は気分がいいぞ」

ロ「…」

ユ「効果の程は人によると思うわ。だから能力の表記について話しましょう」

ユ「〈執行者〉の上の文字は技ね。だから多分何の表記もない事もあると思うわ。下の文字は魔法とかとごちゃごちゃだけれど…後は特に説明しなくても…いいわよね」

レ「ぬぬぬ…」

ロ「フッ」

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