潜入開始③
カレー
ノーステリア「カレーうどんにしましょっか」
ロイド「残っとるからのぉ…まあノーちゃんが作ってくれるならなんでもいいわい」
3日目
の「ガル君今日も居ないの?…おじいちゃんパンあるわよパン。食パンでもやっぱりおいしいわね」
ロ「さすがに栄養が偏らんかのぉ…」
四日目
の「おじいちゃん、今日なら普通にカレーライスでも大丈夫じゃない?」
ロ「ノーちゃんやめなさい!それは古すぎると思うぞ!?」
の「クンクン…大丈夫よ!冬だからまだ臭わないわ」
ロ「ノーちゃん!?そういう事じゃないから食べない方がいいと思うぞ?ほら出前取るから」
の「ダメよ。それはガル君に負ける事と同義と言っても過言じゃないのよ!」
ロ「危ないからやめなさい!」
「お、黒塗りの高級車」
(お前免許持ってんのかゴラァ!)
「やりますねぇ?」
(何で疑問系なの…?)
薬中の巣窟である建物を出ると倉庫らしき建物の前に車を見つけた。倉庫の中は袋に入った粉やドラム缶、動物の皮なんて物もあったが粉のみ少量持っていく事にした。
「後は工場しかないか」
さっきベランダから眺めた限りでは遠くに街並みが見えるか見えないか、という程に平地が広がっていた。これだけ離れていれば相当執念を持って探さなければ夜に来たガルの様に見つけられないだろう。
「あー…ドラゴン襲撃の名残かも知れんな」
(なにそれ)
(一時期ドラゴン狩りが流行ったんだ。魔道具もその際誕生したらしい。悪いのは向こうらしいがな)
(ん?じゃあレグナス余裕じゃね?)
(いや、ドラゴンの魔力は300年前と比べて3倍近くになってる。個体によって違うけど今の俺くらいのを狩ってたらしいな)
(さらっとエグい事を言うね!?)
(それに当時はオーパーツとかも使ってたらしい。今はなき鉄の掟…それで…凄い事になったとさ)
(急にはしょると気になるんだけど!)
「さて…臭いなぁ。サタンみたいな加齢臭がする」
(それって牛の方?本体?)
「牛」
(あの人まだ30はいってない?と思うのに…可哀想だな)
「冗談は置いといて、悪魔式とでも言うのか…結界だ」
工場まであと5、600メートルと言うところで人間の嗅覚でも何とか分かる臭いが漂ってきた。この辺りの地面には牛が埋まっているのだろう。それと同時に人を誘惑する地獄の匂いが残っているがおそらく最近ではない。ああいう類いの匂いは長く残るので当てには出来ない。
3歩進み後ろを振り向く。あの広く大きい建物は見る影もなく消え失せていた。隠れるタイプの結界なのだろう。バリアや盾タイプの守り魔法と違って用途に合わせて効果を変えられる結界特有の技だ。帰ったらロイドさんに虫を寄せ付けない結界でも家…ダメでも部屋くらいには張って貰おう。
「誰も居ない…」
人気のない工場の中に入ると案の定誰もいなかった。暗いと明かりが目立って仕方ないので夜間は何もしていないのかも知れない。大規模な工場らしいがしている事は乾燥した見たことのない植物を粉にしたり麺にしたり…以外と危ない事をしている最中だった。
「うわ…餅…まだ試作品か?」
(ここまでしても商品化は無理っしょ)
「腹減った…今何時だろ、19時には再開するか」
(確かに人いないし夜は誰も居なさそうだもんね)
そう言うと裂け目を開いてすぐに夕食の準備をしにロイド邸に帰った。
「能力か。しかも使える」
窓からガルを見張っていた者は消えた辺りを確認すると嬉しそうに輝くダイアモンドの付いた腕時計を確認して微笑んだ。
「ロイドさん。黒塗りの高級車、部下に自分の家の近くに住ませてる、夜は気配を消している、仲間は重要な人以外人形みたいなやつ、超金持ち。小物だと思います?」
「おっ?清々しいくらいに小物じゃな。一回会ってみたいもんじゃな」
「でもでも、凄くVIPじゃない?世界一って感じで素敵ね」
感想の通り小物か超大物かの二択だろう。きっと今回の場合前者の方が危ないと思う。残念ながら悪魔が背後にいる可能性があるのでまだ国家に任せて身を引くなんて事は出来なそうだ。多分任せても手伝わされるけど。
「あっ!これはエビとトマトのパエリア~鳥の旨みを添えて~!トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼに14種の野菜うま煮込みスープまで!…大丈夫よ。おいしいわ」
「え?いつのまに持って来てたの…」
「ほらガル君、早くせんと冷めちゃうぞ」
「冷めませんよ…」
ロ「ガルさんほんとに小物が好きなんスか?」
ユ「小物を倒すのが好きなんじゃないかしら」
レ「小物か…サタンは弱くは無いからか?英雄は…倒せないから…か?」
ロ「推測の域を出ないっスけどレグナスが証明するっスよね」
レ「ほぉ我を愚弄するか」
ユ「あら…でも出番があれだけじゃあねぇ」
ロ「出てきて…かくれんぼとか言って…」
ユ「何かして…撃退されて捨て台詞吐いただけよね」
レ「グッ…」
ロ「お!今のセリフお似合いっスよ」
レ「ぬぅ…」




