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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
第2章~危険地に身を投じる狐~
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平日より疲れる休日 前編

(なぁガルきゅん…偉大なる白の占い師ってアーゲンだよな?)

(誰が始めたか知らんが名前は置いといて、何とでもなるって言ってたからこいつらの危機感の無さもそれが理由かもな。聞いてみよう)

 落ちてくる月の欠片?に関しては結局規模が分からないので保留にして、唯一の切り札の破竜砲なる物を鬼龍院パパが用意して終わりとなった。結局の話、隕石は能力頼りだった。まぁ自然災害の被害を減らす事は出来ても災害そのものを防ぐなんて聞いた事もないし寧ろ抵抗できるだけ凄い事なのかも知れない。

 「もしもし、偉大なる白の占い師様ですか?もしかして隕石余裕とか予言した?」

「それはネットで勝手に付けられたあだ名ですよ…隕石は余裕とは言ってませんが地面に衝突する事なく消滅と出てます」

 例のごとくワンコールで電話に出たアーゲンは意味深長な予言を公開してくれた。しかし字面が意味深なだけでよく考えたらそうで無くてはならないしそれ以外の解決法が無い。

 「…」

「…」

(またそれするの?)

「方法はわからないのか?」

「はい。ですがこれは決定事項です。ですがガルさん、あなたの力ならどんな運命も切り開く事は容易いと思いますよ」

 これ以上アーゲンの尊厳を損ねる事はイメージ的に良くないと思われるので電話を切った。無意識のタイプだろうかそれとも予言の能力は刺激が強すぎたのだろうか…中学二年の辺りで発症しやすいとされる病気…中二病。


 (来ないねぇ)

(あと58秒位かな)

(隕石に意思でもありそうな時間だね…)

(普通は月が欠ける訳ないからな?)

(え?まさか誰かがわざと落とすの!?)

(んー?多分何かをしてその結果…とかの方が正しいかな。知らんけど)

 時刻は23時59分。占いの結果が覆る可能性は限りなく低いがそれでも18時から今まで緊張が続く筈も無い。食事はしなかったが自室にこもったガルは気だるそうに窓から満月を眺める。

 55秒、突如月がひび割れ赤い光が漏れる。

56秒、月のひび割れが酷い部分で一番大きな()()が盛り上がる。

57秒、月に空いた穴から赤い光が収束していくのが見える。

58秒、月の表面が()()()()

59秒、輪郭を赤で彩られた隕石が地球に向かって落ちてきている。


 「やっ、ガル君。さっき凄い事になってたよねー見た?見てなくてもいいや庭に集合ねー」

 部屋の扉を開けると呼びにきたらしいライトが居て要領を得ない事を話すだけ話して走り去っていった。

「庭ってどこだよ…」


 足の速いライトの気配は既に消えていて今から追い付く事は不可能と判断し、ロイド邸を奥へ奥へと走り移動した結果和室の奥に庭へと繋がる扉を発見した。普段は絶対手入れもしないし使わないと思うのだが庭はきれいに整えられていた。

 「では鳴らします」

 ラーズがスマホで何かを操作すると町中で緊急事態を告げるアラームが鳴り響いた。画面を確認すると隕石接近!排除したいですか?yes/no yesに投票して下さい。と表示されていた。

 「97…98…愚民が2%ですか。はい。投票は完了しましたが私では無理でしたな」

 太った男、ラーズの前にはグラフが表示されていてnoには2%の投票が入っているらしく微妙に赤の陣地がある。あれが守護者(便利系能力者)のラーズの能力らしい。

 「わしの結界なんぞ何枚張ったところで防げはしまい」

「俺?俺はさー…人間専用って訳でもないけど?でもねー物にはほぼ効果ないんだよね」

「私の能力は破竜砲と合わせて使うのがいいと思うが…あれを消し去るには…魔力が足りない。おそらく町中の魔石を集めても足りないな…」

 魔石…魔力の塊。魔昌石は魔石の欠片かそれに満たない大きさの物。

 (どーする?みんな諦めムードなんですけど)

(〈貫通〉で削るしかないかな…)

(じゃああとどれくらい猶予あるかな)

(ん…ネットで見る限り大体5時間くらい?)

ユ「月にはウサギがいると言うわよね。ウサギの仕業じゃないかしら」

ロ「芽屚減ン散ッ凶っスね…超危ない生物じゃないっスか」

レ「ライオンかも知れぬぞ?」

ユ「それなら女性の可能性もあるわよ」

レ「ふむ…」

ロ「ユグさんの説は結局忘れ去られそうっスよね」

ユ「あらローグちゃん…退化したの?」

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