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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
第2章~危険地に身を投じる狐~
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休日の過ごし方⑩

 「ついさっき、確かに殺気を感じた。この状況から見て敵対していたと考えてもいいだろうか」

「っ!こんな事が…!」

「近くにいるとしたら鏡だと思ったのだが…磁石とは。抵抗はしないで頂きたい。今日は逃がさないからね」

「逃げる?必要ないね!アタイの攻撃は既に始まっているのさ!」

 磁石が一歩下がりナイフを投げる。同時に鬼龍院の後方から何か丸い物も飛んで来ていた。

 「爆発物かな?君たちがそんな物を持っているとは思わなかったよ」

 目の前に迫っていた折り畳みナイフを素手で払い除ける、球体は背中に近付くとスパッと切れて中の煙が爆発して撒き散らされた。

 「…煙幕か。ワーグナー君、手伝いたまえ。…ワーグナー君?…あれ?」

 ガルはあの場に居ても旨みのないどっちつかずのいわゆるコウモリ状態なのでスマホから出てきた相手が鬼龍院パパだと分かった瞬間裂け目でその場を離れた。当然振り向いた鬼龍院パパは煙幕に紛れて逃げ出した磁石を見失った。


 「あ、ガルさん。今13回終わったところなんでもう終わってもいいですよ」

 そこまでくるともう面白くないだろと思うが何も言わない。

「さっき煙あがってたよね?ショーでもしてたの?」

「さぁ?磁石でも燃えたんじゃない?」

「なにそれー?因みにこの町では磁石は可燃ごみだよ」

 ワーグナー家のゴミ出しはロイドさんに任せようかな。捨てた事ないけど。

 そんな和気あいあいとした中、僅かにプレッシャーを放っているハイブリッド(獅子噛)がいた。

 「獅子噛…別の場所に行くか?」

「ああ…だけどまずはチュロスが食いたい。乗ってる時に見えたぜ。向こうで売ってたんだ。一人じゃ持ちきれないし、ガルもこいよ。三人は先に行っててくれ」


 二人と三人に別れた。次はお化け屋敷と言われた時は変顔をした獅子噛だが、すぐに僅かなプレッシャーと共に緊張を感じさせる動きで三人とは別方向に歩きだす。

 「ガル…」

「なに?」

「う○こか?」

 ふくらはぎを蹴った。その次に間髪容れずに走ってきたユーリのドロップキックが獅子噛の力を入れて硬くなった腹筋を直撃した。

 「効いてない!」

 それだけ言ってユーリは戻っていった。マッスルポーズでこっちを向いた獅子噛がフンッと鼻を鳴らして待っている。

「うわぁ…」

 試しに叩いてみるが腹筋の形をした鉄みたいな感じだった。ここまで硬いと珍しいと撫で回すと獅子噛のどや顔が目に入ってなんとも言えない感情になった。

 「…おぉ!そうだそうだ。部活入らなきゃだろ?水の都中名物リア充撲滅部に入ったら楽だぞ」

 人数が多いからサボってもよし、学校内で何かしてるだけでも大丈夫。活動は月1で白いゼラニウム 黄色いバラ アネモネ ミヤコワスレの花束を幸せそうなリア充に投げつけるだけ。

 「この部活のおかげで俺はこの腹筋を手に入れたんだ…」

 花束は花言葉で攻めるタイプの嫌がらせだと思うが多分目にも悪い。今明かされた情報で部活動を絶対しなければならないのならレックスの時何で生徒がいたのかと思ったが、多分みんなこの部活所属なんだな。

 「いい部活だな。さて早く甘いものが食べたいな」

「いい感じに無視してくるよな…」

「お前らのギャグ?はツッコミづらい」

「あれアドリブだから許してくれ」

「マジかよ…」


 それから少し遊んで燃費の悪い獅子噛は腹が減ったという。ここは水の都。自分の家に温泉を持っている家庭もあるくらいで銭湯は少なくない。そこで行動派の少年達はご飯ついでに温泉に入る事にした。

 夕焼けに染まった空の下、遊園地から出ると狙っていたかの様にガルのスマホがなった。非表示で。

切る。

鳴る。

切る。

鳴る。

「ちょっと出てくる」

 集団から離れると怒鳴り声が聴こえてもおかしくないと覚悟しながら電話にでる。

「あぁ…ワーグナー君、すまないね。私は透のお父さんでシキという。実は一つお願いがあるのだが…」

「なんです?」

「君の能力で遊園地内の公衆電話まで迎えに来て欲しいんだ。このままでは私は遊園地からでる事が出来ないからね」

「…」

ロ「獅子噛と虎白が混ざってきてる気がするっス」

ユ「なんとなく似た性格だものね」

レ「ではここらでぶっ飛んだ喋り方をするやつを出すか。それともこれからの者をねじ曲げるか」

ロ「お姉ちゃん(ボソッ)」

ユ「ドラゴンの族長さん(ボソッ)」

レ「ぬぅ…」

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