休日の過ごし方②
「ハム=タロサン」
「…山内さん」
「非常食って付けたんだが…」
(カジリマースキング)
結局ベッドの位置は廊下側の扉の間になった。そして余った時間はそのまま暇潰しの難易度になる。この部屋にはテレビがあるが朝のニュース番組などに子供二人は興味を示さなかった。二回目組も興味なし、そこで獅子噛が目を付けたのは夜行性のくせに小さな家から出てきてこちらをじっと見つめていた非常食ことノーステリアから貰ったハムスターだった。
そしてセンスの無い4人による名前付けの今に至る。
「誰だよ!山内」
獅子噛がツッコミを入れてくれた。
「2年の犬の人です。こいつ見てたら似てる気がして」
「…投票だな。わかるぞ。迷ってんだろ?俺のネーミングセンスが高過ぎて変えたくなったんだろ?」
黙っているガルを見てどう曲解したのか周りのセンスが低いせいで唯一可能性があるだけの男はスマホで友達にアンケートを取り出した。
「よし。結果は今日帰る時に教えるわ」
「カジリマースキングも入れてあげて。俺の案じゃないけど」
「うん?誰が付けた名前なんですか?」
不服そうな目で見つめると隼は静かになった。
「……」
「……」
「……?」
全員かま沈黙してからまだ2分だが、誰かが声を発さなければこのままずっと続く可能性もある。今は冬だが同じ学校で過ごした時間は一週間もない。謎に距離が近い(多分)が経験値的にはまだ赤の他人なので一番友達が多そうな獅子噛でも何を話そうか迷っている感じだ。隼に関しては完全に受け身の姿勢になっているので二人の内どちらかが話し始めなければ動きはなさそうである。本来ならガルもそっち側なのだが基本的には大人な対応ができる為会話の架け橋になろうとも思ったが理性がそれを止めた。何か理由があってやる訳ではないがあれは今日やらないと効果が薄く、メンタルが回復する可能性がある。約束の時間までは今から移動しても一時間は余る。しかし不幸中の幸いか9時ならば可能性はあるのでそれに掛ける事にした。
「早く集まり過ぎたな。ちょっと早いが9時ならカフェ開いてないかな」
「聞いてみるか?ユーリは大丈夫だがな、アーゲンが準備できてるかわかんねぇな」
知り合ってまだ2日の先輩を呼び捨てにした獅子噛はユーリに電話を掛け呼び捨てをまぁ仕方ないかと切り捨てたガルはアーゲンに電話を掛けた。
「はい。ガルさんどうかしましたか?」
まさかのワンコールで電話に出た蜥蜴は迷惑そうにするでもなく眠そうな雰囲気も出さず今までで一番先輩っぽい雰囲気だった。
「悪いなまさか出待ちしてるとは思わなくてまだ要件があるかもわからないんだ」
「いえ…、僕の事はお気になさらずにどうぞ」
言うか迷って諦めた感じのこの出待ちを否定しない卑屈な態度は多分あれだな。占いでこっちの事知りすぎたからこんな感じなんだろうな…元の性格もあると思うが。
「実はな、時間が余ったから早めに行きたいんだ。カフェ開店してるか?」
「それなら大丈夫だ。今集まってるし…うし、分かった」
ユーリと話していた獅子噛が相手の状態も確認せずこちらに向かってグッドをしてきたので獅子噛の予想通りユーリは早めに準備していたのだろう。
「今話がまとまった。早いけど約束の集合場所来れるか?」
「大丈夫です。すぐ向かいます」
電話は切られない。無言のまま構えていると相手も無言のままで準備している音が聴こえる。今さら切りづらいのでそのまま何か起こるまで待つ事にした。
今思ったが…この学校には犬みたいな性質のやつが多い気がする。まず第一に虎白、次に九月、あと先生。猫なのに、鳥なのに、先生は犬科だから問題ないが。他はライガーとスマトラだがこいつらに関しては比較対象が居ないので何とも言えない。
レ「出待ちの使い方は合ってるか分からん…との事だ」
ロ「まさか芸能関係以外では使えないとかあり得ないよね…って言ってたっス」
ユ「芸能関係って言ってるけど打ちやすさを考慮しての言い方よ?スポーツ選手とかも入ってるわ」
レ「これだけでは不十分だな。当然ある程度は調べて大丈夫か?と判断して使った。らしい」
ロ「結局の話、狐魂の国語力の問題っス」
ユ「そうよね、調べはしたけど大丈夫かどうかは分からなかったから…使い方が正解か不安なら自分で調べてちょうだいね」
レ「もちろんだがここで使われている…」
以下略




