目覚めの刻①
今後から前書きは思い付いた漫才的な物をのせていこうと考えてます。
刺されば恐らく確実に致命傷になるだろう二本の剣を、悪魔は魔法によって十本に増やした状態でこちらを狙っている。悪魔には剣を複製する程の魔力は残っていなかったと思う。ならばあの十本の内、八本は幻覚の類いだと考えるのは間違っているだろうか?まぁ本物だったら死ぬだけだ。
覚悟を決め、こちらに飛んでくる瞬間を待ち構える。自分で試したことはないが、もしも飛んでくる位置を変えられる様な事があるといけないので守る位置は敵に教えたくない。
命令を込められた魔法は直ぐに実行に移され、強烈な速度で十本の剣が飛んでくる。剣が突き刺さる…両方の手のひらに。鍔の部分が引っ掛かり頭と胸に飛んできた剣は致命傷を与える事をその手に防がれた。下半身は二本の剣があり狙うのを避けるだろう…悪魔は小心者であり当て、確実に殺せる位置を選ぶだろうという考えをし、結果、功を奏しただけに過ぎないと思った。それは神器を簡単に止められたからだろうか?それともこの力と記憶があるからそう思ってしまうのだろうか?わからない。考えるだけ無駄な気がした。
ガルは手に刺さっている神器を抜いた。
「…ふぅ」
どうでもいいと言う風に神器を手から引き抜き魔力を魔方陣に注ぎこむ。その魔方陣に片手を入れ無理矢理魔法を使うための術式を早める。既に傷はふさがり、血は蒸発するように魔力に戻っていった。出来上がった氷で作られた槍を左の壁に刺して氷を槍で吸収するイメージを思い浮かべる。すると部屋を分断していた氷柱が槍の中に吸い込まれていった。
邪魔な障害物が消えると三人の仲間達が残る最後の魔導人形と戦っているのが見えた。
「三人ともラックを拾って先に戻ってろ」
邪魔をしている人形に槍を向け、さっき得た氷の柱を小さくし、威力を増した氷の塊を飛ばすと入り口を塞いでいる氷と共に人形を木っ端微塵に砕いた。三人は驚いた様だったが、それぞれが了解の返事をし、下に降りていった。とても信頼されている様で少しもったいない気がした。
「ユグ、そろそろ出てきてもいいんじゃないか?」
床を覆っていた氷が溶け、代わりに大きな桃色の花が咲く。
「おはよう。この辺りは陽当たりがいいわね」
中から出てきたのは金髪の美女だった。
「それが神器?綺麗ね。あなたにぴったりだわ…でも赤色の方があなたには似合ってるんじゃないかしら?」
くすくすと笑いながら人がせっかく作った神器にケチをつけるが、こいつなりのコミュニケーションの方法だと知っているので、変わってないなと返す。その時、神器が八本飛んできた。幻覚だと分かっていてもつい反応して回避しようとしてしまい、まだまだだなと恥ずかしく思う。それと同時にまだあの下級の悪魔が生きているのを思い出した。
「ひぃっ!くんな!何なんだよお前!なんでドラゴンの回復魔法なんて使ってんだ!」
悲鳴をあげながら幻覚の原因である小さな氷の鏡を近づいてくるガルとユグドラシルに投げつけて壁際に這いずって逃げる。悪魔は既に被っていた人間の皮を捨てて気持ち悪い悪魔の体を見せていた。
「大体サタン様の予言が外れるなんてあり得ない…近づくな!この化け物が!」
恥も見栄も捨てて口からよだれの様な者をこぼし?ながら近くにある魔昌石を拾い、その全魔力は強力な魔法を打つために魔方陣へ集まっていく。
「あら?本当ね。折角コピーを持ってきたのだけれど、要らなかったのね」
当然彼女は手に何も持っていない、しかしガルはその言葉の意味する事をついさっき思い出したばかりで、小さなため息をつく。
「そんなこと頼んでない筈だけど?」
「あら、ごめんなさい。でも使用権はあったから別にいいのかと思ったのよ。使い勝手がいいから気に入ったわ、あれ」
その時悪魔の魔方陣から、強力なレーザーが辺りを照らしながらガルとユグドラシルに向けられて放たれた。しかし二人の目の前でその魔法は消え去った。正確には見えない別の次元の世界への入り口が開いていてその中に入っていった。
自分で書いてて長すぎだなと思いました。次に続きます。
今回語られなかったコピーの件ですが、ドラゴンの回復魔法のことで、自分の体を魔力で作った同じ部品に変えて、欠損した時に魔力を注いで体を少し前の物に再生するという内容です。ですからコピーは数分前のガルの体の状態です。




