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一匹の獣人が神になるまで  作者: 狐魂
第3章~その掌で踊る竜~
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みんなのじいちゃんロイドじい

在りし日のガルくん「あっ虎じゃん」


ガ「…森に追い詰めたのはいいが、見失ったか」

ガサッ!

ガ「やはり居たな」

ラック「…!ぁぶないところだった。あぶないところだった」

ガ「ん!その声は、我が友、李徴子ではないか?」

ラ「…?」

ガ「その声は、我が友、李徴子ではないか?」

ラ「それ何だったっけ」

ガ「叢からでちゃダメだろ。俺山月記ごっこ1回してみたいんだけど今度しない?」

ラ「いいけど何が面白いのこれ?」

ガ「する事自体が楽しい」

 「とても美味しかったよ。ご馳走様」

 シャルウェラは最後の一欠片を飲み下すと手を合わせた。すると後光が差した。

「お?ウェラちゃん?来とったんか。元気そうで嬉しいぞ」

「ロイドじい!姿が見えなくて心配したが、やはり要らぬ心配だった様だな」

「安心せい、後10年は生きてみせるからの!それよりトカゲを見んかったか?こんなでっっかいトカゲなんじゃが…」

「トカゲ…。そのことについてはあまり考えずとも大事にはならないかと。家の守り神になるとも聞く」

 レグナスをチラッと見たが踏み込む気はないらしい。と言うより俺に負けたドラゴンなんて目に映らないか。

「ウェラちゃんそれはイモリじゃ」

「おや、ヤモリではなかったかな?」

「なんじゃい知っとるじゃないか」

「これは失敬。しかし縁起のいい生き物には変わりないだろう。ここは1つ天に任せてみてはどうだ。幸いトカゲに食われる柔な者は居ないからな」

「え?」

「だがのぉ…こんな!こーんなでっかいやつが夜ガル君の布団に潜り込んだらビックリするじゃろ!なぁ?」

「え?」

 凄く第三者視点の生産性のない話(突如開始される世間話)だった。そして終着点は結局「ウェラちゃんが言うなら多分大丈夫じゃろ」となった。


 レムグナムスの紹介も終わりテーブルの上にはノーステリアの持ってきたショートケーキとティーセットがイカフライとかさけるチーズとか干し梅とかと混在している。後者は近くにあった箱をロイドがひっくり返しただけだが。N·T(ノーステリア)の名前が書かれた。

 席順も変わり大人と子どもに別れ上座から順番にシャル、ロイド、ガル、N·T、レムグナムスになった。

「試験の事ならさっき言った時間以外何時でも問題ありませんよ」

 シャルウェラと向かい合ったガルが裂け目からマカロンを取り出しながら話す。口に入れると隣からこいつ信じらんねぇ!みたいな目を向けられた。ただの自滅の癖に。

「そうだったね、現在能力者剣及び守護者総勢8名内6名がこの水の都に揃っている。そこで!拙者、ロイドじい鬼龍院で審査を行う。時間はこの好機を逃さぬ内、まずは明後日の放課後だと記憶しておいてくれ」

「わかりました」

「よし。終わりだ」

 ロイドが明後日の予定を確認する。シャルウェラがケーキを食べ始めレグナスもそれに習い不慣れなフォークを使って食べ始めた。ノーステリアはお淑やかに紅茶を啜っていたのに突如思いついた干し梅と交互に口に入れるという奇行で全て台無しにした。

「ところで何故拙者なんですか?前はわたしって言いかけてたと思うんですけど」

「拙者…拙者…。ふふ、屈辱的な響きだろう?始めた初期は特に似合わないと言われたよ。これは拙者なりの修行方法なのさ」

 ちょっとなに言ってるか分からんが習慣化された修行方法らしい。ちょっとなにを目的としてるか分からんが習慣化されたものは時として絶大な威力を発揮するものだ。打ち合った後目を閉じて瞑想みたいな事するやつがいたけど、その後必ず1段から2段は強くなってるんだよ。最初の内は変な声出ててた。まぁシャルウェラの拙者が効果あるかは知らんけど。

「そうですか。ところでどうしてこの水の都に留まってるんでしょう。わざわざ1つの町に肩入れしなくても余裕で高級ホテルを転々とするくらいは出来ると思うんですけど」

 聞くところによると強い相手を探し、超える事を人生の目的とする精神疾患を患っているとの事。ならこの町で定職に就く意味はないはず。

「ふむ…ガル君、君は親御さんから自分の名前の由来を聞いた事があるかな?」

「いえ…ないですね」

「では無限大の魔力を持つ"魔の王”魔王を討ち滅ぼした5匹の英雄の物語はどうだろう」

「それは…」

 煽ってるのか…?

「その中で一際突出した存在感を放つ2()。その2()には他にはない才能があった。片方は君の名前の由来…になったかどうかは定かではないけど、人知を超えた力…()()の源を扱う事が出来る黒い狐がいたそうだ」

「不思議ですね」

「その通りだよ。当時は栄光の珠なんて無かったのにね。未知の力は魔力と呼ばれ、それから起こる数々の現象の名前の土台となった」

「それで?」

「そう急かさなくてもいいじゃないか。詳細は省くが…帰ってきた英雄は3()だけだった」

「…」

「…ふふふ…どうしたんだい?やっぱり獣人の姿はお気に入りかな?それと…元々白い肌なのに輪をかけたかの様に青ざめた…ように見えた」

「問題ないですよ」

「そうだね、続けるよ。この話は今から千年昔の昔々のおとぎ話。でも本当に実在した人物達の、本当の話さ。何があったかは英雄達しか知らないけどね。でもね、このおとぎ話には()()()()って希望の残る終わりが用意されているんだよ。英雄ラックは大量の血痕だけを残し行方不明。英雄ガルは育ての親、ベドに無線で連絡を取った。その後は行方不明。そんな英雄達が遺したこの町が拙者は大好きなんだ」

山月記ごっこはほんとに誰もしてくれない…

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