著者**
ちょっと修正
「うーん…」
窓辺で黒い狐の獣人が声を漏らした。動物的というより、妖的とでも呼べる創り物のような顔が空で光る月を見つめる。感情に合わせて表情さえ動けば常に女連れてそうとか、誰か殺してそうとか周りの人々には言われる含みのある顔付きと評価されている青年期の男子だ。その人物は今夜はまだ眠くないと明日の事を浅く考える。明日は正体不明の立て篭り犯である、おそらく人間と命を掛けて戦うことになるかもしれない。
本来なら戦う必要は無かっただろう。しかしテロリストの要求がそうはさせなかった。いや、ただの偶然の不幸でしかない。彼の友人が、ラックという虎の少年が、ただ刃物を振るう事において天才であったが為に生け贄になった。非常に面倒だと思う。
「起きてるかーガル?」
ベッドに座り無為に過ごしていた俺は扉を開けながらおちょくった様な口調で嬉しそうに喋りかけてくる虎の獣人を無視して狸寝入りを決める。それに対し虎は「寝るなー」を流れる様な動作で掛けてきた!がそれを分かっていたかの様に固められた体勢でガルの蹴りが虎の顔に直撃した。構えーじゃねぇんだが?
倍以上フィジカルの差が有る目の前の相手は自己評価ですら表情がほとんど動いてないとする俺のイラっとしただけが理解出来ている。しかし何とも思ってない様だ。仲が良すぎたのだ。
「なぁ、俺はおっさんとこに酒のつまみ貰いに行くけどお前も来るか?」
「うん、いくよ」
無理な体勢からの蹴りであり手加減もされていて尚且つ蹴られるのが分かっていたラックはその誘いにすぐに返事をして顔を擦りながら部屋を出る。
「他は皆は寝てるのかな?静かだ」
おっさんこと熊獣人のベドの元へ行く途中の廊下でラックが他の3-1組の仲間の事を聞いてくる。3-1とは俺達獣人の学校の学年と組だ。この魔獣(※動物との違いは魔法を扱うかどうか)の蔓延るだけの広い生存圏なのに、正気の科学者がいつの間にかに人間と動物を掛け合わせて作った新人類は、獣人は、多少のゴタゴタがあれど平和に現人間と共存していただろう。テロリストなんて魔力を持った、魔法が使える人間?と戦わせるなんて、命が2つは必要だろう。
「死ぬ可能性もあるんだから皆思う事があるんじゃない?」
ガルの言葉に「撃破組は絶対死なせないけどな」とラックが自信満々に返す。ガルは肩を竦めると目の前にある扉を開けた。
❮あとがき❯
はじめまして狐魂といいます。少しでも多くの人に楽しんで貰いたいのと小説を書きたいので投稿してみました!これからよろしくお願いします。
次回はガル達がこうなった経緯を書くので時間が飛んだりすると思います。後ちょっとさわってみてシステムよくわかんないんで変な事になったらごめんなさいね
本文にあとがき書いたんですけどここに書くことなのかな?もちろん直しません