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小坂の日常と再生者の歩み

 翌日、冒険者ギルドへと呼び出しを受けていた。俺達を呼びにきた職員の話では、ロロナから何か頼み事があるらしい。面倒事の予感をひしひしと感じつつも、俺達は冒険者ギルドへと向かったのであるが、ロロナの用件は、言ってしまえば働けの一言に集約された。


「お前ら、Dランクになったんだから、少しは働いてくれ」


 ロロナの言葉に、俺は渋い顔を作る。正直に言って、Dランクになった以上は冒険者としての活動を継続する必要性を感じていないからだ。冒険者としてどこの町へ行っても不自然ではなくなるDランク。そこに到達したからには、もはやメットーラで依頼を受ける意味を見出せなかった。


「ロロナさん…悪いけれど…」


 俺の言葉など聞く気はないと言いたげな素振りで、ロロナは依頼票を数枚カウンターの上へと放る。ロロナはそこから何かを言うでもなく、視線だけを俺へと向けた。俺とロロナはしばらく視線を交わらせていたが、俺が先に折れた。


(…全く。クローディア師匠といい、ロロナさんといい、どこの世界でも女性は強過ぎだろ…)


 嘆息しながら視線を落とす。数枚の用紙が重なり、その一番上の依頼票を見て目を見開いた。そこに書かれていたのは、高位死霊騎士(デュラハン・ロード)の武具の納品であった。


高位死霊騎士(デュラハン・ロード)の武具納—」

「いいか?Dランクになったからって、一人前になった訳じゃない。むしろ現場では、オムツをした坊やが、ようやくヨチヨチ歩きを始めた—って扱いだ」


 思わず声を出した俺の言葉を遮って、ロロナが口を開く。ロロナに向けて怪訝な顔を作れば、ロロナの視線は不自然に下へと向けられた。


(アイコンタクト?下を見ろってのか?)


 俺がカウンターの上へ視線を落とすと、カウンターの上のロロナの手が、スゥ—と、ずらされる。そこには、掌に隠れるくらいの小さな紙が置かれていた。今まで握り込んでいたのか、皺が寄っている。


“お前らの事を探っている奴らがいるかもしれない。気をつけろ”


 俺はそれを見て目を細めると、視線をロロナへと戻す。ロロナは俺へ頷いてみせると、紙をくしゃりと握り潰し、手を組むようにしてそれを覆い隠しつつ会話を続けた。


「だから、経験を積んでもらうために、こっちで何個か依頼を見積もった。好きなものを受けるといい」


 そう告げてきたロロナは依頼票の山を崩すと、高位死霊騎士(デュラハン・ロード)云々の依頼票を器用に隠した。俺はバラけた何枚かの依頼票の中から、適当な依頼を拾い上げる。


「…これで」


 俺が依頼票をロロナへと押しやれば、ロロナは即座に受注票をカウンターの下から取り出して言った。


「成る程、分かった。気を付けてな」


 気を付けて—が、どこにかかるものかは知らないが、俺はロロナへ首肯してみせる。


(…これを選ぶと読まれていたか…面白くないな。それにしても…)


 ロロナから依頼票を受け取り、俺達は冒険者ギルドを出る。どうやら、俺達を探っている者がいるらしい。それを伝えるために、わざわざ小芝居まで演じてくれたようだ。


高位死霊騎士(デュラハン・ロード)の武具一式の納品—ねぇ)


 俺は先程目にした依頼の内容を思い返す。


(いきなり躓いたなぁ)


 この町にやってきた当初、高位死霊騎士(デュラハン・ロード)の素材の価値を知らなかったため、山のように出して見せた事があった。その時にでも、良からぬ連中に見らていたのだろう。相手は豪商か、はたまた王侯貴族か。そういった相手でなくてはとても買い取れまい。本来ならば。だが—


(依頼の難易度に比べて、報酬が馬鹿みたいに低かった。となれば利に聡い商人は除外できるか?それ程の物を納品できる相手を前に、下手を打つような真似はしないだろうし。…いや、利に聡いからこそ、安く手に入れて高く捌くつもりか?…そんな物を人目につくところで大量に出して見せた俺達なら、騙せると踏んで?…ダメだ。分からなくなってきた)


 依頼主の名はタービーという名であるらしい。依頼票を見た限りでは、納品場所は冒険者ギルドであった。ロロナへと渡せば、そのダービーなる男の元へ届くのだろうか。


(…どうしたもんかな…)


 歩きながらもしばらく考えてみたりしたが、ついに諦めて、嘆息しつつも頭をかいた。


「馬鹿の考え休むに似たり—だな。ダメだ、分からん。とりあえず依頼をこなすか」


 気持ちを切り替えて歩みを再開した俺の肩を、ぽんぽんと叩く者がいる。振り返って見てみれば、ファーレンであった。


「どうした?」


 尋ねれば、ファーレンはおずおずと遠慮がちに尋ね返してきた。


「ええと…依頼主のタービーという方の事を探ってみませんか?何か分かるかも…」


 ファーレンなりに精一杯考えてくれていたのだろう。僅かに焦げ臭い。知恵熱だと思われる—嘘だが。まあ、冗談はさておき、ファーレンの気遣いには礼を言いつつ、首を振った。


高位死霊騎士(デュラハン・ロード)の武具の価値を知らぬ程の小物であれば、そもそも気にする必要がないし…そうでないならば、あんな人を馬鹿にした報酬金しか用意してない以上、真っ当な相手ではない。偽名だろうから、探るだけ無駄だと思いますよ」


 それだけ告げてから、受注票を見返しつつ歩き出す。しかし、今度はクローディアに肩を叩かれて立ち止まった。何事か?—と、クローディアを見れば、クローディアは苦笑しながら後方を指差す。その指差す先には、目を閉じて考え込むファーレンの姿があった。立ち止まったままで、腕組みしながら首を傾げている。俺の言った言葉の意味を考えているらしい。


「ほら、どうした?行くぞ?」


 向き直り声をかければ、ファーレンは目こそ開けたが未だに納得いかないらしく、渋い顔で立ち尽くしている。そんなファーレンへ向けて、クローディアも声をかける。


「悩まずとも良い。そのうち向こうから姿を見せる…本気ならばな」


 その言葉にファーレンはますます混乱したようであるが、クルスもアビスも何も告げずにスタスタと歩いて俺の先へ行く。ファーレンもそれに気が付くと、慌てて俺達の後について来た。


「閣下、許可をいただければ、独自に動くのであります」


 メットーラの城門も間もなくといった頃、俺に視線も向けずにクルスが頼もしい事を言う。ファーレンとは別の意味で苦笑いを浮かべた俺は、前を向いたままでクルスに向けて告げた。


「いちいち構わなくて良い。用があるなら向こうから来る。そうしたらもてなしてやろう。その時は遠慮しなくて良いぞ」


 クルスもまた、俺の言葉に振り向きこそしなかったが、返事はやたらとハキハキしている。まるで、その時が楽しみで仕方ないかのような声音だ。


「はい!承知したのであります!」


 これには若干困惑したが、何か言うべきか?—と悩んでいるうちに背後から声が上がった。


「こわっ!?オサカ師匠も、クルスさんも怖いですよ!」


 俺とクルスの会話を聞いていたファーレンは、青い顔でたじろいでいる。そんな彼女をクローディアとアビスが慰めるが、その顔には諦めろと書いてあった。失礼な話だ。

 さて、俺の受けた依頼であるが、一言で言えば小鬼(ゴブリン)の討伐だ。メットーラの南には、未開の大森林と呼ばれる樹海が広がっている。俺達が迷宮を出てから最初に目にした樹海の事だ。その未開の大森林から少し離れた場所には、小鬼(ゴブリン)の巣と呼ばれる疎林がある。余りにも小鬼(ゴブリン)が多く出没するため、小鬼(ゴブリン)の巣と名付けられているそうだ。その疎林で小鬼(ゴブリン)の間引きを行うのが依頼内容である。依頼主は冒険者ギルドであり、最低でも30体の討伐が義務付けられている。そこに10体加算される度に、ボーナスが追加されるそうだ。


(楽勝だな)


 30体といえばかなりの数なのだが、俺達ならば一人でも100体は軽いであろう。まさに俺達向けの依頼と言える。なお、討伐の証明には小鬼(ゴブリン)の右耳を切り落として持ち帰る必要がある。きっと、耳を切り落とす作業の方が手間だ。それに死体もちゃんと処理しないと、別の魔物も呼び寄せかねない。あれ?楽な依頼かと思っていたが、後処理の事を考えると途端に面倒な依頼に化ける。これはやられたか?


「あ、すみません。尋ねるのを忘れていました。何か準備とか必要ですか?すぐに出れます?」


 変な事に頭を割いていたせいか、城門まで辿り着いてから気が付いた。慌てて声をかけるも、問題ないらしい。クローディアが朗らかに応じた。


「まあ、道案内はファーレンに任せれば良いじゃろうし、それほど長い時間戦うつもりもないしの。このまま向かっても良いのではないか?」


 クローディアの発言に、アビスも同意する。


「そうである。我ならば小鬼(ゴブリン)ごとき、千を超える数であっても楽勝なのである」

「では、千体まではアビスさんに頑張ってもらいますか。私達は耳を削ぐ事に注力しますので」


 アビスの発言に意地の悪い返しをしながら笑えば、アビスは途端に膨れてそっぽを向く。愛らしい老紳士である。俺達は笑いながら小鬼(ゴブリン)の巣を目指した。






「さて、既に帝国に入ったのでしょうか?」


 兜を脱ぎ、折り目正しいハンカチで汗を拭うのは、短く刈り揃えた金髪に碧眼のイケメン。イチローである。全身を黒の金属鎧で固めた重装備で、盾と片手剣を駆使した堅実な戦闘を好む真面目な青年だ。


「そうですね。既に帝国内には入っています」


 イチローの問いかけに応じたのはジローだ。灰色の後髪が風に靡くが、顔に覆いかかる髪をかきあげる事はない。彼女の頭部の上半分は、精緻な細工の施された黒い仮面で覆われているからだ。その目元すら覆い隠した仮面の下で、ジローは笑う。


「国境線は数日前に越えた山脈の頂のはずです。もうディメリア帝国内です。まもなく、ワインの美味しい町として名高いテレスに到着するはずですよ」


 おおっ—と、ジローの言に声を上げた者がいる。酒と聞いて舌舐めずりするのは、東洋甲冑に身を包んだ巨漢。長い金髪を後ろで纏め、ギラリと鋭い碧眼も、今は愉快そうに細められている。その男の名はゴローである。彼は酒に目がないのだ。そんなゴローが上機嫌に続ける。


「それはよい。某の歳では野宿はちと応える。早めに宿へと入りたいもので御座るな」


 イチローとジローも、ゴローの言に和かに頷いて返した。だがしかし、そんなイチロー達を笑う者がいる。茶色の髪に黒い目を持ち、成人したばかりと思わしき若い青年、サブローである。サブローはやや暑かったのか、ジャージの裾を捲り終えるとイチロー達へ告げた。


「三人とも何言ってんすか?もうテレスは通り過ぎたっスよ?」

「ちょっ!?サブロー!空気を読んでくださいませ!」


 私は慌ててサブローの口を塞ぐも、皆しっかりと聞いていたらしい。手遅れだ。


(もう!言わなければ、知らなかった—で、済みましたのに!)


 ちなみに、サブローと私はテレスを通り過ぎた事に気が付いていた。正確に言うならば、通り過ぎたのではない。道を間違えたのだ。先頭を歩いていたイチロー達は、テレスへと向かう新街道ではなく、帝都へと伸びる旧街道へ入ったのである。しかし、何か急ぐ用でもあるのかしら?—程度に考えて、その時は三人に追求をしなかった。

 さて、サブローの言を受けて、ゴローの足がピタリと止まる。それにつられて、私達四人の足も止まった。


(ああ、また面倒な奴に火がついてしまいましたわ)


 私はゴローを見る。足元はプルプルと震え、刀の鯉口には親指がかけられており、右手は刀の柄に伸びようとしていた。視線をゴローの顔へと向ければ、ゴローの目は細められ、般若の如く眉間に皺が刻まれているばかりか、顔全体に青筋が走っているではないか。怒り過ぎだろう。そんなに酒が恋しいか—と呆れつつも、恐怖に息を呑んだ。


「…サブロー…シロー…気付いていたので御座るか?」


 口調こそ問いかけてきているものの、まるで問い質すかのような声音である。サブローと私は、慌ててイチローとジローへ視線を向けた。もちろん助けを求めているのだ。私達の視線を受けて、イチローとジローの二人は嘆息してからゴローへと話しかける。


「ゴロー…そ、その、気付かなくて申し訳ありません。一度来た道を引き返しましょう。私は酒を飲めませんが、そんなにゴローが楽しみにしているのならば、私も一杯だけ付き合いたくなりました」


 イチローが口を閉じてジローへと視線を送る。イチローからのバトンタッチに、ジローはやや緊張しているのか上擦った声を上げた。


「そ、そうです。イチローの言う通りです。私達も付き合います。一度引き返して、テレスへ向かいましょう」


 私達という言葉には、私とサブローも含まれているに違いない。ナチュラルに巻き込まれた私とサブローであるが、本件は全員に罪がある。となれば、私達に断れる道理などあろうはずもなかった。そして、引き返す事を提案されはゴローは—


「うむうむ、それが良いで御座る。ささ、直ちに引き返そう。まだ日は高い。夕暮れ前には着きたいもので御座るな」


 —と、一気に上機嫌だ。つい先程は年寄り臭い事を言っていたゴローであったが、即座に踵を返してズンズンと歩いてゆく。私達は嘆息すると、互いに笑みを交わし合った。


「通り過ぎたのは昨日っスよ」


 サブローは笑みを苦いものへと変えて呟く。時折思うが、この子は性格が悪いと思う。主人であるオサカを彷彿とさせる人の悪さだ。サブローの言には、イチローも苦笑いしてから応じた。


「サブロー、良いではないですか。それにしても…全く気が付きませんでした。これではリーダー失格ですね。すみません」


 真面目なイチローを労うべく、彼の肩を私達は叩く。イチローはその都度礼を返してきた。


「どうしたので御座る?ささ、早う戻ろう!」


 先を行くゴローが私達に向き直り声を上げてくれば、私達は再び笑い合い、ゴローの後を追った。

 さて、それから何刻歩いたろうか。私達が歩いているのは疎林だ。旧街道から新街道へと移動するべく平原を横切っていたのだが、もうそろそろ新街道が見えてくるのではなかろうか?—という頃になってから現れた疎林である。テレスとカネットの中間くらいに位置する疎林であろう。やがて新街道と思わしき道を見つけた私達は、ゴローを先頭にしてズンズンと疎林の中を進んでいた。


「…ぬ?」


 先頭のゴローが立ち止まると、腰を落として刀に手をかける。それを見た私達も、即座に警戒態勢に移行した。イチローが素早くゴローの元へと走り寄り声をかける。


「ゴロー、何を感じたのですか?」


 ゴローはイチローの問いに、周囲を油断なく見回しながら答えた。


「視線…そう、視線で御座るな。某達を品定めするかのような視線を感じたので御座る」


 ゴローの言に、イチローも警戒心を強めて周囲を見る。そんな二人へサブローが告げた。


「イチローから見て斜め右っスね。でっかい生体反応があるっス…なんスかね、これ。反応が三つ重なってるっスよ?…ふぅん。結構強いっすね」


 私も同じものを感知できている。ゴローが感じた視線というのは、これの気配の事だろう。こちらに向かってくる様子はないが、確かにこちらの様子を窺っている感じはある。


「魔力反応もそこに有りますわ…確かに三つ重なっていますし、なかなかに強敵のようですわ」


 サブローの言葉を裏付けるように、私も魔力反応を感知できている事を告げれば、イチローとゴローは顔を見合わせると頷き合う。


「やるんスか?別に相手する必要なくないスか?」


 サブローは頭の後ろで両手を組み、乗り気ではない事を隠しもしないが、ゴローは違った。


「売られた喧嘩は買う主義で御座る」


 ニヤリと獰猛に笑って答えたゴローだが、私はこれまでの苦労を思い返して思わずぼやく。


「そんな主義だから、行く先々で揉め事を起こすのですわ」


 これにはゴローもまいったらしく、渋い顔を見せる。イチロー達も苦笑いだ。ゴローは行く先々の冒険者ギルドで、トラブルを起こしていた。もちろん、ゴローから突っかかったりなどはしないのだが、彼の主義に則り、売られた喧嘩を買ってしまうのだ。その結果、相手はボコボコにされ這う這うの体で逃げ出す。やり過ぎなのだ。そして事が終わった後は、周囲からの咎めるような視線に耐えきれず、私達も町を退散する羽目になるのである。


「メットーラだと大人しくしていられるのに、どうしてでしょうか?」


 嘆息まじりに口に出したのはジローだ。首を傾げて誰ともなしに呟いたのだが、これにはサブローが呵々と笑って答えた。


「メットーラには親父殿がいるっスから。下手な事出来ないんスよ」


 イチローがサブローの言葉に、肩を落として嘆く。


「例え離れていても、問題事を起こせばマイロードの名に傷が付くとは考えないのですか…」

「ああ!分かった!分かった!今後は自重するで御座る!だから、今だけは暴れさせてほしいので御座る!」


 周囲からの小言に、思わず根を上げるゴロー。してやったりだ。


「言質は取りましたわよ?」


 私が意地悪い笑みを浮かべて告げれば、ゴローはハッとした顔で固まった。トラブルを起こした場合の事でも考えているに違いない。そんなゴローは捨て置いて、私達は走り出す。


「じゃ、お先っス、ゴロー!」


 サブローが陽気な声を上げながら先頭へ躍り出れば、背後からはゴローの声が上がる。


「な!?ま、待つで御座る!某も!」


 チラリと視線を背後に向ければ、ゴローは慌てて私達の後を追ってきている。思わず笑いそうになった。この一幕だけ切り取って見ていると、随分と和やかな雰囲気に見えなくもない。自分達が不死系魔物(アンデッド)である事を忘れそうになったほどだ。


(迷宮内で魔物として目を覚ました時には、こんな事になるなんて想像もできませんでしたわ)


 そんな事を考えて、前を走る三人の背中を見る。彼らは今の状況について、どう思っているのだろうか。


(我が主人は好きに生きろと言ってくれておりますし…記憶もない以上、やりたい事がある訳でもありませんが…)


 ひょいと木の根を躱しつつ嘆息した。どちらかといえば、私は各地を歩くよりも一所に留まってのんびりする方が好きだ。しかし、イチロー達は—というかイチローのみだが—使命に燃えているため、そんな事は言い出せなかった。我が主人であるオサカのために各地を見て回り、オサカの収集品である本の入手。そして—


(我が主人が元いた世界に帰るための…情報の入手…)


 簡単な事ではないだろう。世界を渡るなど、どうすれば良いのか想像もつかない。今の私達にとって、数少ない本当の理解者だ。帰ってほしいか—と聞かれれば否であるが、だからと言って、帰らないでくれとも言えない。


(その上、この身体を与えて下さった恩義もありますわ)


 簡単に返せる恩ではないだろう。肉体を作り出しただけではなく、魔術や戦闘技能、更には知識に至るまで、彼—実際にはクローディア達も一枚噛んでいるのだが—は色々な事を教えてくれた。それを思えば、彼のためにも何かをしてやりたいとは思う。しかし、手に職もなく特殊な技術もない根無し草の我らには、彼の目的に協力するくらいしかできる事がない。帰ってなどほしくない—と、はっきり口にするイチローも、この役目に嫌だと言い出さないのは、そういう事である。


「おおいっ!待つで御座る!某が最初に気付いたで御座るぞ!某の獲物であろう!」


 足の遅いゴローは、私達からどんどん離されてゆく。後方から声を上げては、己の獲物である—と、精一杯主張しているつもりらしい。しかし、前を行く三人は誰一人として歩みを止めようとはしない。むしろ、ゴローを引き離すべく速度を上げる始末だ。


(意地悪が過ぎますわ)


 思わずくすりと笑った。そして、ふと考える。確かに感じる気配はなかなかのものだが、果たしてゴローの満足し得る相手であろうか。はっきりと言って、地上の敵は弱い。ゴローと違って私は戦闘狂ではないと自負しているものの、こうも手応えのない戦いばかりが続くと、己の技が錆びつくのではないかしら?—と、不安になってしまうくらいだ。


(いえ、むしろ…あの迷宮が異常だったのかもしれませんわね)


 平和なのは良い事だ。魔物とて強いよりは弱い方が良いだろう。どうしても強敵と戦いたくなったなら、また迷宮にこもれば良いのだから。


(…そろそろですわね)


 さて、疎林の奥地に入るに従い、食い荒らされた人の亡骸、ハエのたかる馬だったであろう骨、木々に飛び散った血飛沫と、凄惨な光景が私達を迎えるようになる。すると、体の奥底から鎌首を擡げる衝動が自覚できるようになってきた。血と死の香りに呼び起こされたのだ。生者を喰らわずにはいられない、不死系魔物(アンデッド)としての本能だ。


「いけませんね…気が高ぶる…」

「はい。霊廟の…いえ、聖剣の迷宮と同じですね」


 イチローとジローが呟いた。今、イチローの眼は僅かに赤味を増している。仮面に覆われて窺い知る事は出来ないが、ジローとて同じであろう。それはその他の三人—つまり、私にしても同様だ。私達五人はホムンクルスの肉体を用いているとはいえど、その実態は不死系魔物(アンデッド)なのだ。死の蔓延する空間においては、不死系魔物(アンデッド)としての衝動を抑え込むのには苦労する。

 イチローの僅かに後方を走るサブローが、舌舐めずりしながら言った。


「生肉が食べたくなるっスね。こう、生きた肉が」


 サブローの言葉には同意せざるを得ないが、それをやる訳にもいかないという葛藤がある。そもそも、そんな事をやった暁には、私達の主人がどれ程嘆く事だろうか。私はサブローを掣肘するべく、横に並んでから告げる。


「サブロー…気持ちは分かりますが…本当にやったらダメですわよ?我らが主人を悲しませるような事をしたら…きっとイチローに討伐されますわ」


 己の名前が出てきた事に、イチローがギョッとした。


「えっ!?そこで私の名前を出すのですか!?」


 そりゃないだろ—とばかりに慌てるイチローだが、主人(オサカ)を悲しませたとなれば、間違いなくこの男は仲間をも手にかける。クルス同様に、イチローもまた狂信者なのだ。まあ、今のところ害はないので放置しているが。それに、当然サブローも己を抑えられない程に子供な訳ではない。苦笑いして先の言葉を撤回した。


「いやいや、変な事言って済まなかったっス。本当にやるつもりなんて微塵もないし、親父殿の顔に泥を塗るつもりもないっス。茶目っ気のつもりだったんスけど、滑っちゃったっスね」


 サブローの言葉を聞いて安堵しつつ、素早く展開して陣形を整える。目の前に巨大な影が立ち塞がったのだ。


「グルァァァァァ」


 それは巨大な獅子であった。だが、単なる獅子ではない。獅子が身体を振るい鬣を揺すれば、肩の傍から山羊の頭が顔を出し、塒を巻いていた尾が持ち上がる。尾は長い蛇であった。私はその獅子の毛色、山羊の角の形、蛇の模様を具に観察してゆく。混成獣(キメラ)であろう事は明白だが、混成獣(キメラ)にも色々ある。おそらくはこれだろう—と当たりをつけた頃、すぐ背後から声が上がった。


「はぁ…はあ!混成獣(キメラ)で御座るか!はぁ!…これは間違いなく大物で御座るな!はぁ!はぁ!」


 ゴローが息も絶え絶えながらそこにいた。即座に腰を落とすと鞘を引く。いつでも抜き放てるような姿勢だ。呼吸は面白いほどに乱れているが、よくぞまあ追いついたものである。


「ブレインシェイカーと称される混成獣(キメラ)ですわ。魔術の詠唱は厳禁ですわね」


 ゴローから混成獣(キメラ)へと視線を戻しつつ告げれば、ジローが背中越しに頷いて返す。私と彼女は術者なのだ。気を付けねばなるまい。


(いくら私達が強いといえども、脳を揺すられては敵いませんわ)


 ブレインシェイカー—その名を付けられた背景には、魔術師殺しの特技を持つ事があげられる。獅子の肩に生えた山羊の鳴き声がそれだ。山羊の鳴き声は周囲の魔素と共鳴し、魔素による振動を引き起こす。この時、詠唱などにより、脳の中を魔素で満たしていた場合、激しく脳を揺すられる事になる。最悪、それだけでも死に至る事すらある。よくても気絶は避けられないだろう。


(はぁ…嫌な相手ですわ)


 ちなみに、100を超える高レベル帯の魔物になると、魔術師の存在が欠かせない。何故かと言えば、剣や槍といった物理攻撃では、特殊な技でも持たない限り、ほとんどダメージを与える事が敵わないからだ。魔物達は魔素による強化が進み過ぎて、皮膚が非常に硬くなるのである。そういった理由もあり、魔術師殺しの特技を持つブレインシェイカーは、最悪の魔物の一体にカウントされる程には厄介な敵であった。


「これは倒せば一気に名前が売れますね。マイロードの隠れ蓑となるには丁度良い獲物です。逃す手はなくなりました。皆さん…やりますよ」


 私達はイチローの言葉に首肯すると、一気に瘴気を全開にしてみせる。唐突に私達の気配が変わった事に、キメラは戸惑い始めたらしい。無理もない。私達は生者では有り得ない気を放ち始めたのだ。不死系魔物(アンデッド)など、地上においてはそうそう見る事もないだろう。得体も知れず、己よりも格上の相手が五人。勝てないと判断するのは当然だ。


(でも、逃がす訳にはいかないのですわ。主人の隠れ蓑として機能するためにも、貴方のような危険な相手は率先して狩らせてもらいますわ)


 全員、考えている事は同じであるらしい。誰しもが悪い笑みを浮かべている。そんな私達の表情に、ついに獅子の顔が怖気付き、耳が後ろへと倒れた。逃げ出そうとして少しずつ背後に下がり始めたものの、もはや手遅れである。


「少し、気付くのが遅かったっスよ」


 サブローの言葉を合図にした訳でもないが、私達の影から闇を思わせる黒い球体が浮き上がった。闇の球体がそれぞれの背へと昇れば、そこから四本の腕が生える。腕にはそれぞれが己の獲物を握っており、全員が遊ぶ気もなくキメラを仕留めるつもりである事が窺える。まず最初に動いたのは、サブローとイチローである。イチローはキメラの眼前へと当たり前のように突っ込んだ。地響きを起こしながら突進してくるイチローへ向けて、キメラは堪らずに右前足を振り下ろす。ところが、圧倒的な重量を持つはずの一撃は、事もなくイチローの盾に阻まれる。ズン—と、僅かにイチローの足下が沈み込んだのみだった。


「うん、攻撃力はなかなか。ですが、私を止めるには至りませんね」


 イチローは兜の下からそんな感想を漏らす。やや満足には至らなかったらしい。ところで、私達の本質は骸骨(スケルトン)である。地上にあっては弱いと思われがちな骸骨(スケルトン)であるが、進化が進むと不死系魔物(アンデッド)の中において、屈指のパワーを誇るに至るのだ。最高位に近い骸骨スケルトンである、黒曜骸骨(ブラック・スケルトン)まで進化した私達にとって、あの程度の攻撃は何ら問題にならない。精々が体重差により、多少押し込まれるくらいのものだ。


「はあっ!」


 イチローは盾で前足を弾きあげると、更に深く踏み込んで、剣で斬りつけようとする。だが、キメラとて簡単にはやられない。素早くイチローの前から跳び退く。剣を避けられた事に顔を顰めながら更にイチローは前へと出るが、そんなイチローの横合いから蛇の頭が襲いかかってきた。


「いやいや、俺もいるんスけど」


 イチローの影からニョキっと姿を現したのはサブローである。その両手には短剣が握られ、更には彼の背中から四本の腕が現れる。その腕の全てが短剣を握っていた。驚きに一瞬身を硬くした蛇の頭であるが、それでも本体である獅子がやられては長くは生きられまい。そんな都合もあっての事だろう。獅子を守るべく果敢に攻めたてようとする。まあ、サブローには届かないのだが。


「いや、悪いけど…遅いっスよ」


 イチローの肩を蹴って蛇へと飛びかかったサブローは、瞬時に蛇をなます切りにして見せる。その手際を見ていたイチローが、思わず感嘆の声を上げる程には鮮やかなものであったようだ。


「メェェェェェェェ!」


 山羊が鳴き叫ぶ。おそらくはイチロー達の不可解な攻撃に、魔術であると判断しての行動であったのだろう。だが、これも無駄に終わった。私達は誰も魔術を行使してはいないのだから。


「煩いですわ」


 それでも多少の違和感はある。いい加減に煩わしくなった私は、未だに叫び続ける山羊の頭頂部へ向けて長杖を振り下ろした。副腕の一撃だったが、山羊の眉間はボッコリと陥没した。山羊の雄叫びは悲鳴に近い声音に変わり、やがては何も聞こえなくなれば、山羊の頭部は舌を出したままで、力なく垂れ下がった。死んではいないだろう。多分。


(…あ、あら?…私、あんなに腕力が強かったの?)


 スケルトンの剛腕である。当然と言えば当然なのかも知れないが、少し予想外の威力だ。余談だが、私は四本の宙空に浮かぶ副腕を、主人(オサカ)の倍程度の距離まで制御できる。故に、さして近寄る必要もなく凶悪な一撃を叩き込む事ができたりする。なお、一番短いのはゴローで、主人(オサカ)の半分程度だ。


「グルルァァァ」


 さて、山羊に襲いかかった理不尽な威力の一撃に、獅子の身体もがくりと折れる。それを待っていたとばかりに動いたのは、ジローであった。


「山羊様には眠ってもらいます」


 随分と可愛らしい言葉であったが、振り上げた四本の腕に握られているのはモーニングスターである。こちらは全く可愛らしくない。恐ろしい速度で振り下ろされたトゲ付き鉄球により、山羊の頭部は粉砕され、その衝撃で肩の骨まで砕けたのか、ブレインシェイカーは腹を地につけた。もはや満身創痍であり、立つ事もままならないらしい。


「某の出番が…ほぼないでは御座らぬか…」


 そんな哀れな混成獣(キメラ)の眼前に立っていたのはゴローである。その表情は悲しみを湛えており、私達は苦笑いしてトドメを譲る。強敵との戦闘を心待ちにしていたゴローなのに、蓋を開ければ、私達でほぼ片付けてしまった。ゴローからしてみれば、目の前にいるのは死にかけのでかい猫であろう。


「す…すみませんゴロー。さあ、トドメはゴローのものですよ」


 イチローがゴローにトドメを促すも、ゴローは俯いたまま動かない。私達は顔を見合わせて、苦笑しながら肩を竦める。ゴロー、実に面倒くさい男であった。


「グルァァァァァ」


 —と、その時、目の前に佇むゴローめがけ、獅子の顔が口を大きく開けて迫る。せめて一人だけでもと考えたのか、或いはまだ生きる道が残されているとでも思い違えているか。もしかすると、そういった事を考える知能すら、初めからないのかもしれない。


「もう良い。眠れ」


 神速の斬撃とでも呼ぼうか。ゴローはその場に佇んでいるだけに見えたが、ゴローに噛み付こうとした混成獣(キメラ)の頭部は、五つに分かれてゴローの横を通り過ぎた。


(…はっや…流石ですわ…)


 視線をゴローへと戻せば、ゴローはいつの間にか抜き放っていた刃を鞘へと戻すところであった。哀愁を感じさせる彼はともかくとして、その背後では獅子の後ろ足が力なく崩れ落ち、その巨体を横たえる。動くものといえば、首の断面から流れ落ちる血液のみである。


「ああっ!ああっ!不満で御座る!某は消化不良で御座る!早くテレスへ行って酒を飲むで御座る!」


 先程までの眼光は何処へやら。子供のように駄々をこねるゴローの姿に、私はジローと肩を竦めて笑い合う。宥めるのは男共に任せよう。


「わ、分かりましたゴロー。混成獣(キメラ)の死体を回収して早い所向かいましょう。…サブロー」


 荒ぶるゴローを宥めるようにイチローが声をかけ、そのままサブローへも指示を出す。サブローはイチローへと首肯を返すも、その場に佇んだまま動かない。だが、サブローの影は別であった。大きく広がり始めると、やがて混成獣(キメラ)の身体全体を覆う程に広がり、その巨体をズブズブと飲み込んでゆく。これは吸血鬼(ヴァンパイア)が使用していた影を操るスキルである。主人(オサカ)は上手く使いこなす事のできないスキルであるが、サブローには適正でもあるのか、すんなりと使いこなしている。


(見事なものですわ)


 やがて、キメラの死体を飲み込み終えたサブローは、イチローに向き直ると再び首肯してみせた。終わったという意思表示だ。イチローもそれに首肯で返すと、荒ぶるゴローの肩を押して街道へと戻るべく歩き出す。それからは何事もなくテレスの町へと辿り着いたが、道中で更に野宿をしなくてはならない事に、ゴローが不平不満を口にした事は語らずとも良いだろう。






「ようやくテレスの町へと辿り着いたで御座るな」

「…疲れました」


 上機嫌に笑うゴローの後ろでは、擦り切れたかのように窶れた顔のイチローが肩を落として立ち尽くしていた。ここまでブーブーと文句を言うゴローをひたすら宥めてきたのは、他でもない彼なのだ。普段は物静かで口数も少ないゴローであるが、酒となると一気に面倒くさい部分が噴き出てくる事を知らされた。


「とりあえず、冒険者ギルドで混成獣(キメラ)を換金しましょうか。あまりマイロードからいただいたお金には手をつけたくないですしね」


 イチローの言葉に私が続く。


混成獣(キメラ)は血が高く売れますわ。それに皮も高値で引き取ってもらえます。あれほどの大物です。しばらくは路銀には困りませんわね」


 おお—と俄かに活気付く銘々であったが、イチローはその路銀のほぼ全てをゴローの酒に費やしたいと考えていたりするらしい。コソッと耳打ちしてきた。思わず苦笑するが、それ程にゴローの相手は辛かったのだろう。後はそれをいつ切り出すか—と考えているに違いない。先程から随分とソワソワしている。


(まあ…きっと、財務大臣の許可はおりませんわね)


 個人的には許可してやりたかったが、そうもいかない。イチローの背後に佇むジローが、無言でこちらを見つめているのだ。聞こえていたのだろうか。ジローの口元は笑っている。だが、仮面の奥の目は笑っていない気がした。


「素材を売りたいんスよ」


 冒険者ギルドへ赴いた私達は、早速窓口へ赴く。声をかけたサブローに対応した職員は、熊かな?—と思えるような、毛深くて恐ろしい顔つきであった。しかし、声は驚く程に澄んでいた。逆に驚いた。


「ああ、良いとも。獲物は何処だい?」


 職員の問いかけに、サブローは微笑みながら答える。


「いやぁ、大物で。ここじゃ出せないんスよ。どっか大物の置き場所とかないスか?」


 サブローの言にやや怪訝な顔を見せる職員であったが、すぐに表情を和らげると、案内するよ—と、告げて立ち上がる。おそらくは獲物が見当たらないために怪訝な顔を見せたのだろうが、表にでも置いてあるものと思い込んだに違いない。ちなみに、職員は立ち上がるとゴローよりもはるかに背の高い巨躯を誇っていた。腕も、何それ?—と聞きたくなる程に太い。何故職員などやっているのか不明である。冒険者をやれ—と言いたい。


「ここに置いてくれるかい?」

「任せろっス」


 職員に案内されたのは、ギルドの裏手にある広間であった。サブローは十分な広さがあると見て取ると、職員の言葉に首肯して影を広げる。広がる影に気が付いた職員が慌てて距離を取る中、影からゆっくりと混成獣(キメラ)の巨体が浮かび上がる。


「血が!血が溢れてしまいますわ!」


 私は声を張り上げる。混成獣(キメラ)の血は高値で売れるのだ。慌てて血を確保せんとして影の中に入ろうとするが、それを制止したサブローが笑いながら告げてきた。


「大丈夫っス。溢れても影の中に収納されるだけっスよ。後から纏めて出すんで、容器をよろしくっス」


 サブローの言葉に安堵した私は、混成獣(キメラ)の全身が浮かび上がるのを待った。やがて、混成獣(キメラ)の首なし死体が完全に現れると、次に慌てるのは職員であった。


「…ちょ、ちょっと待ってくれ!こいつは…こいつはまさか…ブレインシェイカーか?…北の疎林にいた奴か!?」


 どうやら割と有名な奴であるらしい。これはお金も弾んでくれそうだ—と、私達は笑みを浮かべた。

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