異変
久々の更新です!
話が決まっていても文を考えるのに手間取りました。
まぁ、実力不足な訳です…本当に申し訳ありません。
今回はグロ?なのかなぁ。
まぁ、酷い描写があるので注意してください。
俺の腹には大きな剣が突き刺さっている。
それは貫通しており俺は木に張り付けられていた。
どうしてこうなったのだろう?
どうしてだ?
だっておかしいではないか?
仲間は死に俺は今か今かと死を待ち続ける状態にある。
足音が聞こえてくる。
嘘だと願いたい。
なぜなら、今から近づいてくるやつが俺の仲間を全員殺したのだから…。
「ブモオォォォォ!」
オークキング…単体でもかなりの強さを持っていると聞いてはいるが…、これは最早違う…どうにか知らせないとギルドに…。
しかし、それでもオークキングはあざ笑うが如く俺に近づいてそっと…俺の腹に刺さっている剣をゆっくりと抜く。
痛みで叫びそうなのを噛み殺して俺は逃げ出す算段を立てる。
そして、完全に剣が抜けた瞬間に俺は走り出した。
オークキングの横を通り抜けて無我夢中で走る。
傷口から大量の血が吹き出すがそんなものを気にしないと言わんばかりに俺は走る。
ただただ、逃げるために…
しかし、俺は足を止めた。
「…嘘だろ」
目の前に広がる光景を俺は信じられなかった…。
いや、信じたくなかった。
約千に近いオークがオーガやゴブリン、はたまた冒険者らしきものを食らっている光景だった。
そのオーク達を見て俺は呆然と立ち尽くした。
この森の中の浅いところにこんな大量のオークなんてあることが少ない。
いや、むしろ前例がないことなのだ。
そして、ゆっくりと足音が聞こえる。
それと共に目の前の糧を貪っていたオーク達の大半が俺の方を向く。
その眼光は鋭く俺は息をすることを忘れていた。
だから気がつかなかったのだろう…先ほどの足音は俺の後ろから歩いてきたオークキングだということに。
そして、オーク達の目に俺は一度も写っていないことに…。
一瞬の痛みもなく俺は死を迎えた。
**
現在、ギルド長であるリムグライエ頭を抱えていた。
冒険者達の生還率が著しく下がっているからだ。
原因は不明、調査に出した冒険者が帰って来る様子もなくもう、一月も経過していた。
「しかもそのどれもが森の浅いところしか潜れない下級の冒険者というのがさらにタチが悪い」
しかし、明らかな異常事態にギルドは対処が仕切れていなかった。
それは中級と上級の冒険者に頼んでも全くの異常無しか戻ってこないかのどちらかでしかなかった。
現在、少し深いところに潜って調査なども行って貰っているが現状では報告待ちの状況だった。
(もしも原因が全て違っていたなら対処の施しようもある。
しかし、全ての原因が一つに収束されるとしたら…)
彼はそこまで考えて思考を止めた。
それは最悪のパターンであり、あり得てはいけないのだ。
それは知性の高く統率を取れる魔物の可能性を示唆している。
いかに自分達が自然に隠れるのか、狩れるのかそして、逃げるポイントなどをしっかりと把握して動かれているということになる。
彼の心の動揺はさらに酷くなり、机を叩く。
「あぁ、どうすれば!」
そんな対処なんて出来はしない。
とは考えるものの対処はしなくては冒険者の被害が増える一方である。
しかし、下手な動きは逆効果の可能性も否めていない。
下手をすればさらに状況を悪化させて冒険者達どころかこの街ごと被害が行く可能性まである。
そんな時だった、彼の思考を遮るものがあった。
「邪魔するぞ」
そう言って勝手に部屋に入って来る男がいた。
その男はギルド長の机の前に立つと机を叩いて話し出す。
「ギルド長、あんた今回の件はどするつもりだ?」
「アーガルか…。
今回はまだ考えている途中なのだよ」
「へぇ」
ギルド長の言葉にアーガルの顔が歪む。
それを見たギルド長は焦りよりも前に呆れが出てきていた。
「それで何の用だ?
何を考えているか知らんが勝手に動かれても困るぞ」
「いや〜、ギルド長とあろうお方がこんな簡単なことの対処すらできないなんてな」
それを見てギルド長は動揺などはしない。
寧ろ呆れが増していた。
「なら、お前の対処とやらを聞こうではないか」
「流石ギルド長、話が早くて助かる。
簡単さ、上級の冒険者を送ればいいんだよ。
そして、下級の冒険者には探索させればいい。
そうすれば状況次第ではいち早く対処できる。
違うか?」
アーガルは自信満々でそう語るがとても馬鹿としか思えなかった。
実際、ギルド長はアーガル達には頼んでいないが前述した通りそれを行った後で失敗で終わっている。
更にそれを調査するために出せる依頼料がもう既にギリギリであり、とてもだがそれを実行するにはリスクが大きくなる。
「もういい、帰れ」
「ギルド長!
どういうことだ!
それが一番確実だろ!」
ギルド長はため息しながら言ったその言葉にアーガルは憤りを見せた。
しかし、ギルド長の目は一向にアーガルに映さずに言葉だけ続けた。
「俺がそれを試していないと思ったかアーガル?」
威圧も込められたその言葉にアーガルは息を飲む。
そして、それを見たギルド長は話を続けた。
「頼んださ…上級パーティ13組、中級パーティ33組、下級パーティ45組にな…。
結果は分かるか?」
ギルド長は窓の外を見る。
その目には生気などは最早宿っていなかった。
アーガルはゆっくり首を振る。
自分の知らない場所で調査が行われたことに多少の憤りを感じはするがギルド長の雰囲気を感じたのか何も言えなかった。
「上級パーティは規定の日数に帰ってきたが何の情報も得られず…。
中級パーティは12組を除いて無事に帰ってきたが依然として情報は得られず…そして、帰ってこなかった12組は後にその冒険者と思われる荷が発見され、全滅したと予想されている。
そして、最後に下級だが…全滅した」
その言葉を聞いたアーガル言葉が何も出なかった。
そう、アーガルでも分かったのだろう。
明らかな異常であることに…。
下級とは言えでも調査などが慣れている熟練にこう言ったことは頼む。
しかし、その熟練が一人も逃げることも出来ずに全滅…それの異常性もある。
ひょっとしたらミスをして死んだ可能性も否めない。
しかし、何よりも不可解な点がここにはあった。
調査する場所は決してランクごとに分けずにバランスが良くなるようにばらけているのだ。
しかし、それなのに下級の冒険者が全滅した。
それは明らかに異常なのだ。
まるで、下級の冒険者を確実に狙いを定めたような結果だった。
アーガルは拳を握りしめる。
己のあまりの浅はかな考えに対して後悔が起きていた。
「ギルド長、俺に調査をさせてくれ」
「なに?
しかし、払うための報酬が少なくなるぞ」
「それでいい。
さっきの失礼な発言の詫びには丁度いい」
アーガルはそう言って部屋を出ようとする。
「待て」
しかし、そこでギルド長が止めに入った。
そして、ため息を一つ吐いて初めてアーガルをしっかりと見たを
「お前のステータスは低い。
それでも特殊なスキルでAランクには上がれている実力を持っている…。
普段が酷いがお前だって貴重な戦力だ…だから、無理はするな」
「分かってるよギルド長…危なくなったら情報を持って逃げ出すさ…俺の弱さは俺一番知ってるからな」
そして、アーガルは部屋を出た。
残ったギルド長は考えていた。
(あのような馬鹿だが実力は確かだ。
上手くすれば原因が分かるかもしれない…。
でも、もし失敗したならその損出も高い…)
そこからしばらく考えた後、彼は再び窓を見つめる。
町には変化はない…しかし、彼の中でどうしても嫌な予感が拭えなかったのだった。
**
森の中のある洞穴で…
集落も何もなくオーク達は集まっていた。
そのオーク達の手には何人もの生きた冒険者を担いでおり、それを何かに捧げるように一人ずつ下ろしていく。
そして、全員が下されて数十分が経った頃…一人の冒険者が目を覚ました。
「な、なんだ?」
目を覚めたばかりの男の冒険者は縛られていることを一番最初に認識した。
しかし、そこからは錯乱してしまい状況は一向に好転しない。
しかし、ある時にその男の冒険者は周りに自分以外に縛られた人間がいることに気がつく。
そこからは何とかその縛られた人達を起こそうと必死に声を出していた。
そして、しばらくすると全員が目を覚ますが状況が好転するまでに起きてから男の体感からすると数時間は要していた。
何故なら、人によっては男のような錯乱ではなく明らかな怯えなどを見せていたのだ。
洞窟の中は暗く気づいていないが女冒険者の半分は剥かれており、オーク達に犯された記憶がこびりついていた。
他にも男冒険者や犯されていない女冒険者も仲間が目の前で殺された記憶がこびりついており、落ち着くのに時間をかけていたからだ。
そして、落ち着いた今の状況で話をまとめていった冒険者達の話を整理するとこうなっていた。
一、オークに襲われた。
二、仲間が殺された。
三、気が付けばこの洞窟だった。
四、人数は把握した限り四十人強。
ということだった。
しかし、それでも状況は好転しない。
それでもやっとの思いで冒険者達の活気が戻った時だった。
何かがこちらに向かってくる音が聞こえた。
冒険者達は一斉に黙って音がする方を見つめていた。
「嘘…だろ?」
誰もが息を飲んだ。
そこにいるのは自分達を圧倒したオークはるかに凌ぐ上位種であるオークキングの姿だった。
誰もが息を飲む中、オークキングは一人の冒険者に近づく。
明らかに近づかれた冒険者は怯えて必死に離れようと芋虫のように這う。
しかし、そんな努力なんて無駄に終わる。
無造作に振り下ろされるオークキングの剣がその冒険者に振るわれた。
あたりに鮮血が飛び散る…剣の質が悪いのもあるが、当たりどころも悪かったのか今にも死にそうな声で冒険者は悲痛の叫びを上げようとするが声が出ずに苦しみ味わい続けている。
それを見たオークキングはもう一度剣を無造作に振り下ろす。
そして、それから何度も風切りの音と鮮血が舞い続けた。
冒険者が死ぬまで何度も…
音だけとは言えでもそれを聞き続けた冒険者は理解した。
自分達は今、こいつの為に生かされたのだと…。
それから数時間後…生き残った冒険者は一人も居なかった。
酷え…オークのすることが酷すぎる。
ちょっと想像したくないかも…(書いた本人)
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