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漁 2日目 4
僕たちは仲間の船に助け上げられた。
何人かの乗組員たちが心配そうに僕を見ている。
僕はひとしきり咳をした後、大の字になって寝転がった。
鼻と喉が痛いし、頭もガンガンしている。
「ごめんな」
マモルが言った。
マモルの額から海水と混じり合った血が流れている。
「ごほっ、マモル、怪我したの?」
僕はびっくりして起き上がった。
「ああ、どこかでぶつけたかな」
マモルが自分の額に手をやった。
「何がどうなったの?」
僕はまだ理解できていない。
「俺の船がそっちの船に衝突しちまったんだよ。本当にすまなかった」
いつも気さくに声をかけてくれる、馴染みの船長だ。船長の体もずぶ濡れだった。
「いや、俺もぼんやりしてたから」
タオルで傷を抑えながらマモルが言う。
「怖い思いさせて、ごめん」
マモルが僕に向かって頭を下げる。
僕は何度も頭を横に振ったけど、マモルの表情は変わらなかった。




