会えた
カーテンが揺れて風が入ってきた。
タオルが吸いきれなくなった血液が床に流れて、小さな血だまりができた。
僕はぼんやりそれを見ていた。
カタッ。
窓の方で小さな音がした。
見ると、白いワンピースの女の子が立っている。
いつの間に・・・。
部屋のドアは窓と反対側にあるし、窓際に行くには僕の前を通ったはずだ。気がつかなかった。
まさか、窓から入ってきたの? でも、ここは2階だぞ。
女の子は静かに微笑んでいた。
きらきら光る瞳がもの言いたげに揺れる。
約束を破ったことを謝らなくちゃ。
ぼくは慌てた。「あ、今日は、ご・めん・・」
何だか口がうまく動かない。
だけど、僕は彼女の子に会えてすごくうれしかった。
約束をすっぽかしたから、もう一生会えないかと思っていた。
それなのに、女の子の方から会いにきてくれるなんて。
しかし、よくここがわかったなと思う。
女の子は何も言わないで、たたずんでいる。
きっと、僕の血だらけの足に驚いているんだ。
「これはね・・、ちょっと、転んで・・」
僕が言いかけると、女の子は首を振りながら、そろそろと僕に近づいてきた。
そして、しゃがんで僕の顔を見つめた。
「えへへへ・・・」
僕は照れ隠しに笑った。
酒のせいか、貧血のせいか頭がくらくらする。
「僕ドジだから・・、笑うだろ・・、こんな」
女の子はまた首を横に振り、微笑んで僕の頬に優しく触れる。
そして、僕の頭を両腕で包み込むように、胸に抱いた。温かくて、やわらかい腕だった
僕は胸が熱くなり、泣きたくなってこのままいつまでも抱かれていたいと思った。




