32/46
家出 2
そう長い時間歩いていないのに、僕は見覚えのある景色を見つけることができた。何度も姉さんと来たことのあるスーパー。
思っていたよりも早く、知っているところにもどれたのは、きっと、行きは同じ道を何度も、ぐるぐると回っていたからだと思う。
しかし、車で三十分の距離を歩くのは結構大変だ。二時間くらい? いや、もっとかかりそうだ。
でも、僕の勘は間違っていなかった。
まるで、犬みたいだな。
僕は自分の中に、野生の本能みたいなのがあるとわかってうれしかった。
ぼくはくたくたで、お腹を空かせてやっと帰ってきた。
道を歩いている人が全然いないので、大分遅い時間なのだろう。
家の明かりはついていて姉さんはいるようだった。
だけど、ここは僕の帰る家ではない。
僕は姉さんに嫌われているってわかったから、もう前みたいに二人で暮らすことは出来ない。
二階の僕の部屋を見上げる。いつも散らかっていたけれど、僕はあの部屋が好きだった。
あの部屋にもう行けないのかな。でも、家を出るにしても荷物を取りに行かなきゃいけない。必要なものがいっぱいある。
そんなことを考えていると、突然に僕の部屋の明かりがついた。
姉さんだ!
僕は急いで家の前を通り過ぎた。




