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ユズルの夏  作者: カワラヒワ
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家出 2

 そう長い時間歩いていないのに、僕は見覚えのある景色を見つけることができた。何度も姉さんと来たことのあるスーパー。


 思っていたよりも早く、知っているところにもどれたのは、きっと、行きは同じ道を何度も、ぐるぐると回っていたからだと思う。


 しかし、車で三十分の距離を歩くのは結構大変だ。二時間くらい? いや、もっとかかりそうだ。


 でも、僕の勘は間違っていなかった。

 まるで、犬みたいだな。

 僕は自分の中に、野生の本能みたいなのがあるとわかってうれしかった。


 ぼくはくたくたで、お腹を空かせてやっと帰ってきた。


 道を歩いている人が全然いないので、大分遅い時間なのだろう。

 家の明かりはついていて姉さんはいるようだった。

 だけど、ここは僕の帰る家ではない。


 僕は姉さんに嫌われているってわかったから、もう前みたいに二人で暮らすことは出来ない。


 二階の僕の部屋を見上げる。いつも散らかっていたけれど、僕はあの部屋が好きだった。


 あの部屋にもう行けないのかな。でも、家を出るにしても荷物を取りに行かなきゃいけない。必要なものがいっぱいある。

 そんなことを考えていると、突然に僕の部屋の明かりがついた。

 姉さんだ!

 僕は急いで家の前を通り過ぎた。


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