表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユズルの夏  作者: カワラヒワ
28/46

懐かしい 2

 家に帰ると、どの部屋も真っ暗で、姉さんは出かけているようだった。

 僕は女の子のことですっかり浮かれていて、いい気分で鼻歌混じりに玄関のドアを開けた。


 廊下を通ってキッチンを覗く。

「ちぇっ。何もない。おにぎりもないの?」

 テーブルの上に何も置かれてないので、僕はちょっとがっかりした。


(冷蔵庫は?)

 冷蔵庫を開ける。

(何にもない。姉さんは買い物にも行ってないんだな)


 僕は牛乳をらっぱ飲みして、漬物をぽりぽりとかじった。

 いつもお菓子が置いてある棚を開ける。

 空っぽだ。


 まあいいか。その内姉さんが何か買って帰ってくるだろうから。

 姉さんがいないうちにシャワーを浴びよう。

 僕は急いで裸になった。


 腕に擦り傷ができていた。蹴られた腹の辺りを見ると赤くなって腫れている。

(別にどおってことない)

 僕はシャワーの蛇口をひねった。


 温かいお湯が気持ちいい。

 あの子の手も温かった。 

 僕はじぶんの手の平を見つめた。

 今度のは夢じゃない。

(僕は確かにあの女の子と手をつないだんだ。本当に。かわいい子だったな)

 僕はひとりでにやにやした。


 明日の夕方、女の子と会う約束をした。

 明日になれば、またあの子に会える。

 僕はその事しか考えていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ