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てんしのとけい
───"天国への道標を作って"。
天使の遺言に導かれ、青年は非常勤職員として児童養護施設"てんしのとけい"にやってくる。そこは、無意味に生に獅噛みつき、刻を貪るだけの日々に終止符を打つ為の逃げ道だった。人生を"死ぬまでの時間稼ぎ"としか感じなくなった青年は、そこで暮らす少女達と交流を重ねて行く事で、生きる目的を見出だしていく。
かつて掲げた夢。自らに課せられた贖罪。救えなかった数多の命。凍結された秒針。それらが再び邂逅した時、青年の心はまた時を刻み始める。
これは、一人の青年が死ぬまでの時の旋律───。