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モラトリアム  作者: キョロ
4/7

《1ー2》

恵一はベッドを梨絵と2人で占領している美咲を見て、初めて美咲がウチに遊びにきた日の事を思い出していた。


「何言ってんだバーロー。さっさと中に入れ」

異性のお部屋に入るのが初めてと言わんばかりに駄々をこねている。

「みさきちさんよ。あんたが靴脱いで入ってくれんと、俺たちが中に入れないんだけど」

後ろから光輝も背中を押している。

「うーわかってるよ。でも…」

「なにウブなキャラ演じてんだよ。玄関狭いんだから早くしろ」

「うっさいなぁ」


「私はピュアなんです!」


〜〜〜


「昔はウブな子だったのに……」

「えーなに?文句あんの?」

玄関先でイジイジしていた影は微塵もない。

我が家と言わんばかりにくつろいでやがる。


「クーラーつけてよ〜」

「電気代かかるだろうが!家賃払ってんの俺だぞ!」

「うぇーあついー」

「この部屋、風の通りは良いんだから、窓空けとけばそこそこ涼しいだろ。我慢しろよ」

「むー」


このやりとりも、もうここ最近の恒例になりつつある。

というより、ウチに遊びにくるメンバーもこのメンバーで固まりつつある。

光輝に梨絵、そして美咲。あとたまに涼子。

この4人はクラスの中でも特筆して仲がいい。

なんだかんだで一緒のグループになる事が多いのだ。


アフレコでも一クラス20人近くが狭いブースに入ったらアフレコなんて出来ない。だから何人かグループ分けて代わる代わるブースに入ってアフレコするってワケだ。

もちろん俺たちは一緒のグループ。


特に俺たちに共通点なんかない。入学して初めてのアフレコ授業の時、近くにいたからサクッと一緒にされてしまった。

それから他の授業でも、なんだかんだで一緒なってしまい。

今ではすっかり……ってワケだ。


「とりあえず寝ていい…16時くらいになったら起こして」

「りょーかーい」

「あ、りょーちゃん。いつ来るって?」

「知らねー」


スマホの電源を入れて、通知が来てないか確認する。

通知なし。

「みぃちゃん。どーする?」

「え、」

「りょーちゃん来るまでいる?」

おいおい終電までウチにいる気かよ。

「うぇ⁉︎今日なんかあるっけ?」

「なんもないよ。でもなんかりょーと話したくない?」

「えーなに話す?」


ちぃと美咲はガールズトークを始めてしまった。

「恵一、TV見て大丈夫?」

「あぁ…別にいいよ」

俺はリモコンを取って、ベッドの縁にもたれかかっている光輝にわたす。

「ちょっと、お二人さん。ベッド話してていいから、半分空けて」

2人にTV側のスペースに移動してもらって壁に接しているスペースに倒れ込む。


「じゃぁ、お願い……」

起きたら洗濯ものを取り込んで…それから……


恵一は考えがまとまらないウチに、意識が遠退いていった。

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