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涙色に染まる世界  作者: 博雅
2章 信じるということ
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過去にとらわれる少女

~小陰side~

「風・・・気持ちいね。毎日が刻々とすぎていくのを感じるよ」

空に手を広げて私は言った。

いつもいつも自分の殻の中にこもってばっかりだった私。

人のことを信じようとしなかった私。

明るく笑った私。

全てを思いながら天台君の方を見た。

「そうだね。時の流れは速いもんね」

でも・・・、

「でも、その中で人は生きてるんだ。今を大切にしなきゃ、ね?」

にこやかに笑いかけながら床に座った。


初夏の空の下。

風はまだ冷たい。

ふと、天台君が話しかけてきた。

「で、どうしたの?元気がないけど」

やっぱり話さなきゃいけないのか・・・

「私ね、昔は人と話したり関わったりするのが大好きだった。だから、友達と会える学校も大好きだった」

いきなり私の過去を話されて戸惑っているようだった。

それでも私は続けた。

「中学2年に上がってから少し経った頃、いじめが始まった」


いじめの真ん中に居る人は小森 美輪。

親友の夜音よねがいじめのターゲットだった。

夜音は小さい時から一緒にいて、なんでも話せる仲だった。

だから、とっさにかばった。

「やめてあげて!」

その言葉を言った瞬間私の中学生活は壊れていった。


「それからのいじめは私に回ってきたの。あの時は酷かったな」


最初は物を隠された。

ごみ箱の中、男子トイレの中、便器の中・・・

自分で探せる場所だったから先生には言わなかった。

しかし、その後いじめはエスカレートしていった。


私はここで話を止めた。

人生の中で一番つらかったことだ。

話してもいいのだろうか?

「誰も助けようとはしなかったの?」

真剣に話を聞いてくれているんだ。

この人になら話しても大丈夫だ。

「誰も口出しできなっかった。小森さんは国会議員の娘。先生も、親でさえも口出しできなかった」


次のいじめ酷かった。

「死ね」「消えろ」が消えない毎日。

教科書にはカッターが仕込まれている。

酷い時は焼却炉で燃やされている。

そして、先生に叱られる。

告げ口はしない。エスカレートするのが分かってるから。

夜の学校に呼び出され一晩暗く、寒い体育館倉庫に閉じ込められる。

みんなからは無視され、久々に声を掛けてくれたと思ったら「死ね」の一言。

私が何かするとクスクス笑う。

クラス中が私のことを蔑み笑う毎日。

しかし、そんな中夜音だけは優しくしてくれた。

だからこそ、耐えられていたのに・・・

その親友でさえ私を裏切った。

はい、小陰の過去編です!


どこにもあると思います「いじめ」。

する側にはわからない、される側の気持ち。

今回書くにつれ、友達に

「出来るだけ残酷に、リアルに!」

と言われました。

まだまだ続くと思います、小陰の「いじめ」。

次回からは親友も加担しての残酷なモノに・・・

書いていると手が冷えてきます・・・

では、誤字の指摘、感想等お待ちしております。

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