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涙色に染まる世界  作者: 博雅
2章 信じるということ
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殻の中の自分

~輝~

『自分から命を絶つことはしてはいけないよ』

人間だったら、小さい頃誰でも言われることだ。

けれど、やはり自殺をしてしまう人も中にはいる。


周りにはいないだろうと思っていたのに。

まさか、昨日明るく笑っていたこの少女が自殺未遂者だったとは…

リスカの後は薄くはなっていたが痛々しいものだった。

俺にとってすごい衝撃だった。

だから、声を掛けたくてもかけられなかった。

同情してなんか声をかけるべきなのだろうか…かけないべきか…

悩んでいると

「あのね…」

紫苑が声をかけてきた。

「何?」

俺はすぐに返した。

もっと聞いてやる、そう思っていた。

やっぱり、俺…紫苑には笑っていてほしい。


~小陰~

「何?」

天台君はすぐに返事を返してくれた。

「いじめを受けていた時1番辛かったことって何かわかる?」

いきなりの質問だ。

天台君はびっくりしていたけど答えてくれた。

「落書きとか…物隠されること?」

私は首を振った。

「ううん。みんなに無視されることだよ。先生や親まで見ないふりをしていた。無視されるのは辛いけどみんな自分を守るためだって分かってた。でも、かまってほしかった!両親も『小森さんの機嫌をそこねないようにね』ってずっと言ってた。私のことなんて気にも留めてくれなかった。さすがに、リスカしたら態度は変わったけどね」

私はリストカットした部分に手を当てた。

かなり深く切ってぬったので、痕は残っている。

「いじめが終わっても学校に怖くて行けなかった。そんな時歌を聞いたの。『自分のことを信じなさい。あなたなら大丈夫』って」

歌を歌うことは昔から好きだった。

でも、その曲を聴いていると自分で作ってみたいと思ってきた。

「それで、今にいたってるの。歌を作っていると自分だけの世界に入れる。それに集中しすぎて友達ができなかったのもあるけど、やっぱ、人を信じるのはまだ怖い」

話を切り天台君の方を見た。

「でも、昨日話していてなんか分からなくなった。あんまり話したことのない天台君や飛来君と話していておこったり、泣いたり、笑ったり出来た。こんな姿見せたくなくて、あんま表情を出さなかったのに。話しているうちに昔の自分に戻っていったような気になったの。いろんな人を信じて、楽しかった時にね」

「そんなに楽しかった?」

天台君は照れながら笑っていた。

「うん。楽しかった。久々に笑ったもん」

私もつられて笑った。


3時間目の終了のチャイムも鳴った。

屋上の風は少しづつ暖かくなっていった。

今日は2話更新しました。

此処までくれば過去編もあともう少し…

うう…手が痛い(泣)


それでは誤字脱字等お叱りがあれば言っていただけると幸いです

感想は嬉しすぎて泣きます(笑)

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