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詩集

自由に

作者: ロースト

自由に



僕は自由になりたかったんだ。

ただ、それだけなんだ。



こんな結末を望んだわけじゃない。

ただ、束縛されたくなかっただけ。


皆と一緒に此処から抜け出したかった。

ただ、あの場所の創る檻の中から出たかっただけ。



それなのに、何でこんな結末になったんだよ。


ただ、皆と一緒に居たかっただけなのに。

ただ、みんなの傍でバカ騒ぎやって居たかっただけなのに。

ただ、あの場所に囚われ続けるのが嫌なだけだったのに。

××くんや**、そして君のようにここからでたかっただけなのに。



こんな結末を望んだんじゃない。

こんな結末を望んだわけじゃなかったんだ。



どこで間違えたのかわからない。

でも、僕は気づいてしまった。

僕はここから出られない。



皆のようにはなれない。



だって、僕は幻想でしかないから。

実体がないから。

ホルマリン漬けにされた、

仮初の身体に宿っているだけの、

人工物としか形容出来ないもの。


頭脳と魂で維持された、

幽霊のようなもの。


厳密にはいえない。



僕は世界で最初の、

僕は世界で最後の、

試作品でしかないから。



ただの意識体でしかないのに、

そんなこと望むから。


だから、こんなことになった。



なんでだよぉ。



僕はただ、皆と一緒にいたかっただけなのに。

僕はただ、皆と同じでいたかっただけなのに。


それが、なんで、こんなことに。


わかってた。

自分が皆と同じじゃないこと。

自分は感情を持ってはいけないこと。

自分は檻から出てはいけないこと。

それでも、認めたくなかったんだ。


でも、それがいけなかったんだ。

いやだよぉ。



みんな、なんで死んじゃったのぉ。



理由はわかってる。

でも、わからない。

みんなにあいたいよぉ。



みんなわらってよぉ。



なんで冷たいの、

なんで笑ってくれないの、

なんで動かないの、

なんで話さないの、

なんで僕に気づいてくれないの、

なんで、僕の目から水がでるの、

なんで、僕は胸が痛いの、


なんで僕にいろんな事教えてくれないの。



みんな、笑ってよぉ。



なんで、僕は意識体なの、

なんで、僕は実体がないの、


なんで、僕は自由になれないの、



こんなの、いやだよぉ。


自由に、なりたいよ。


かぜに、なりたいよ。


ここから、でたいよ。


僕は、人になりたい。


生まれ、変わりたい。



自由に、なりたいよ。


希望を、もちたいよ。


人生を、生きたいよ。




自由に、なりたい。


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