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初期装備って意外と強い?

「終わった、

俺のこれからの甘酸っぱい高校生活さよなら」


 まぁ、引きこもりよりかは?こっちの世界で美少女達に囲まれてクラスのも、


「異世界、悪くないかも」


「異世界?」


 彼女が不思議そうに首をかしげている。


「まさかこれって助けてくれたヒロインとくっつく系主人公だったり?」


「いや、待てよ?これは夢?」


「……夢なら、ずいぶん呑気ね」


 気まずそうに俺は振り向くと、

金よりの茶髪の少女が腕を組んで立っている。


「人が倒れてたから介抱しようと思ったけど、

いきなり独り言始めるし」


「……すみません、現実逃避です」


「でしょうね」


 即ツッコミしてきた。


「私はリィシェ。

で、あなたは?」


「時城ユウ。

職業、失敗鑑賞士です」


「何それ怖い」


「俺もそう思う」


「えっと...ユウ君?でいい?」


「呼び捨てで構わないよ」


「分かった、私のこともリィシェって呼んで」


 リィシェは俺の頼りない剣を見てため息をはいた。


「その装備で、この辺歩いてたら

三分で死ぬわよ」


「え、三分!?

短くない!? カップラーメン!?」


「運が良ければ二分」


「悪化してる!」


「冒険者証明書ってある?」


 俺のポケットにあったやつだ。


「これ?」


 ポケットから取り出すと。


「レベル1?!本当に死ぬよ」


「死っ!?」


レベル1ってタダの雑魚じゃないか。


 その瞬間、

地面がぬるっと歪んだ。


「あっ、来ちゃった」


「来たって、何が?」


 黒い影が地面からにじみ出る。


「編纂災の前兆。

まあ、簡単に言うと――」


「言うと!?」


「触れたらめんどくさいやつ」


「説明雑!」


「まぁ、俺は異世界転移したなろう系主人公だからさ、きっと楽...勝...」


 影が俺の方へ伸びた。


「うぎゃぁぁぁー」


 気付いたら俺は悲鳴を上げながら全力疾走していた。


 どうしてだろう、この世界でも俺は引きこもるしかないのか?


「助けて、助けてください」


 リィシェを見ると何かをためている。


 《連鎖詠唱チェイン・ロウ


 炎をまとった鎖が複数現れ、影を襲った。


 影の上半身と下半身が亡き別れになっていた。


 よりによって影の死体は俺の目の前に横たわった。


 正直、チビった。


「強ぇー、リィシェパイセン強ぇー」


 しかし、リィシェの背後にもう一匹の影が。


「え、俺!?」


 俺の身体が勝手に動いた。


「待て俺!

主人公ムーブはまだ早い!」


 俺は頼りない初期装備の剣を振る。


 ――光。


 影が、あっさり霧散した。


「……」


 静寂。


 俺は剣を見つめた。


「……今の、俺?」


 リィシェは目を細めた。


「……ねえ」


「はい」


「あなた、本当にレベル1なの?」


「俺が一番聞きたい」


 数秒の沈黙。


「……まあいいけど」


 彼女は肩をすくめる。


「変だけど、死なせるのも後味悪いし」


「え、保護?」


「そう。

しばらく一緒に行動しよ」


「生存ルート確定!」


「調子に乗ると捨てるからね」

「即ゲームオーバー!」


「一旦町に行こっか」


「...はい」

 こうして、

失敗しか見てこなかった俺は、

初期装備のまま異世界に放り込まれ――

連射型ヒロインに保護されながら、

とんでもない世界に足を踏み入れた。


 まだ誰も知らない。

この世界が、

すでに一度、失敗していることを。


 そして――

俺を本当に知っている少女が、

まだ出会っていないことを。


第2話 終


 今日もしっかり書いた。

書いてて楽しい。








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